記事一覧
JAL機と衝突した海上保安庁機(JA722A)がフライトレーダーに表示されない理由
2024年1月2日18時前ごろ、新千歳発・東京/羽田行のJAL516便(エアバスA350-900、JA13XJ)と、海上保安庁所属「みずなぎ」(DHC-8 Dash 8、JA722A)が羽田空港C滑走路で衝突する事故が発生しました。
※事故自体の経過についてはNHKの記事などをご覧ください(随時更新されるようです)。
要約Flightradar24など、航空機追跡サイトはボランティアによる受信で
ロシア・北朝鮮首脳会談後に両国を往来するIl-62Mの動向
2023年9月、ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記が行われて以降、軍事面で両国の連携が加速したことが指摘されています。
そのような状況下、ロシアの人員輸送機が通常よりも頻繁に平壌を訪れていたことが公開情報から確認できました。
ロシア政府のIl-62MIl-62M(イリューシン62M)は旧ソビエト連邦製の旅客機です。旧式ではありますが、北朝鮮では政府専用機として、ロシアでも要人などの人員
イスラエルからの邦人退避に関連するフライトの記録(2023年10月)
2023年10月に発生したハマスとイスラエルの軍事衝突に伴い、日本国民の退避のために特別フライトが運航されました。
本記事は政策の是非などを論ずるものではなく、後の参考とするため航路や機材を記録することを目的としています。
なお、本記事は随時更新される予定です。また、誤りを含む可能性もあります。
以下、出発日順です。
韓国空軍 KC-330(10月13日~14日)韓国国民退避のために運航されま
経済制裁下でロシアに渡ったビジネスジェット(2023年)
2022年のウクライナ侵攻以降、ロシア連邦は様々な経済制裁下にあります。特に航空機関連はその代表例で、機体そのものだけでなく部品の供給も制限されているため、比較的早い段階から「共食い整備」が発生するという見通しが示されていたほか、最近も整備状況が悪化している故にトラブルが頻発しているとか、制裁を科さないイランに整備を委託するといったニュースが見受けられます。
さて、そのような状況であるにも関わら
LUUPの車種バリエーション(見つけた範囲。情報ください。)
街中で見かける電動キックボードシェアサービス「LUUP」ですが、車両にいくつかのバリエーションがあります。この小さな差が興味深いので見かけた範囲ではまとめているのですが、まとまった公式情報などもなく、いまいち全体像が掴めないので、街頭で珍しい機種を見つけた方は情報をくださると幸いです(Twitterにご連絡ください)。
KK-224BJ-BK塗装:黒
ナンバー:原付サイズ
6km/hボタン:
Flightradar24に対する偽の航跡データ送信事例とユーザ側で可能な対策
Flightradar24は世界中のボランティア(フィーダー)が設置したアンテナの情報を集約し、航空機の位置を追跡・表示しています。それゆえ、理論上は以下の2つの手法で偽データが混入する(spoofingが発生する)可能性があります。
実際のトランスポンダを用いて偽の内容を含んだ電波を発信し、フィーダーに受信させる
フィーダーが偽の情報をFR24へ送信する
今回は2の攻撃手法に関する実例と、
ワグネル「反乱」に伴うモスクワ近郊におけるロシア機の動向
2023年6月23日~24日(日本時間)に発生した、ワグネルの「反乱」に伴ってモスクワ近郊で確認されたロシア軍・ロシア政府機などの動向一覧です。概ね24日夜時点までにこちらで確認できたものに限られているので、抜けがある場合はコメント欄で情報提供いただけると幸いです。
また、本稿で記載した以外にも、ModeSトランスポンダの応答がなく、航空機追跡サイトでtrackできなかった航空機(戦闘機など)が存
【ファクトチェック】「北朝鮮・平壌と横田基地を結ぶ定期便」と主張される画像は何なのか?
先日のようにニュースで横田基地が話題になると、毎回と言って良いほどSNSではある画像を見かけます。北朝鮮・平壌の空港にYOKOTAという行先が表示されている画像です。
一部では、この画像をもとにして「北朝鮮と米軍基地の間で定期便が運航されている」という都市伝説が出回っているようです。
そのような定期便は存在せず、誤った説明をされた画像だけが出回ったものというのが結論ではあるのですが、今回はこの画
所属不明機、緊急着陸――横田基地 "B763"を巡る誤報はどうして発生したのか
2023年6月15日、米軍横田基地に爆破予告があり、一時は退避指示が発令されるなど騒然としました。それと同時に、ネット上ではとある航空機を巡って誤報やデマが飛び交っていました。また。大手メディアや一部の軍事クラスタも誤解に基づいた発信をしていたようです。
今回の騒動の原因はB763と表示されていた、韓国から飛来したボーイング767-300です。
結局、この飛行機の正体は?オムニエア・インターナ
【Flightradar24の正体不明機を分析する】日本を飛ぶアメリカ籍小型機?
今回見ていくのは、中部地方を飛行するアメリカ籍の小型機 N3195K です。機種はビーチクラフトバロン(B58)となっていますが、航続距離の短い外国籍の小型プロペラ機が日本を飛んでいるのは珍しいはずです。
まず離陸したと思われる場所を拡大してみましょう。Flightradar24では、航跡の色から高度がわかります。以下の記事をご参照ください。
MLAT(ADS-B由来でないデータ)ゆえに誤差が
【Flightradar24の正体不明機を分析する】モルドバ国境付近のルーマニア機
ルーマニア東方、モルドバ国境付近で詳細不明の航空機が飛行していました。機体記号は「YR-SVB」で、コールサインはそのまま「YRSVB」となっています。
おそらく普通の民間機なのですが、ウクライナ付近という緊迫した情勢のエリアで詳細不明となっていることから、ランキング上位に登場していました。今回はこの飛行機の詳細を探ってみましょう。
速度から見て、おそらく軽飛行機やグライダーの類だと思われます。
【Flightradar24の正体不明機を分析する】コロンビア上空のロシア機?
Flightradar24を見ていると、時折、謎の航空機に出くわすことがあります。その分析結果をツイートすることもあるのですが、今回はせっかくなので、分析の流れや手法を記事にしてみようと思います(定期的にやるかもしれません)。
航空情報OSINTの入門編として参考にしていただけると幸いです。
今回のターゲットはこちらです。コロンビア上空を飛行しているRA-99333です。RAはロシア国籍を示しま
ゼレンスキー氏がフランス政府専用機に搭乗し、航路を開示するのは異例ではない
先日のG7広島サミットにおいて、ウクライナのゼレンスキー大統領がフランス政府専用機で電撃来日し、その経路が公開されていることが話題となっているようです。
しかし、ゼレンスキー大統領が外国の政府専用機に搭乗することも、搭乗機の現在位置を公開することも特に新しい動向ではありません。今回はOSINTの手法を用いて得た情報を用い、要人搭乗機の航路データやゼレンスキー大統領による過去の海外訪問を解説してい
本当に「ソ連は加盟国が0になっただけでまだ存在する」のか?
結論から言うと、Twitter発祥のジョークが一人歩きして信じられてしまったものだと考えられます。
(了承いただきたいこと:本稿の筆者は政治学ならびに史学の専門家ではありません。必要であれば専門領域の方に補足いただけると幸いです。)
経緯昨今のウクライナ情勢悪化より前から、「ソ連はまだ存在する」という言説をがTwitterを中心として見られました。内容は至ってシンプルで、「ソ連は加盟国が0にな