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イラストレーションで世界を開いていく - イラストレーター YO HOSOYAMADA -

ロンドンを拠点にイラストレーターとして活動するYO HOSOYAMADA。細部までこだわった建築と秀逸なセンスで空間を描くイラストレーションで、キャリアを初めて間もないなか、WIRED、MONOCLE MAGAZINE、Washington Postなど、名だたるエディトリアルの仕事を手掛ける注目のイラストレーターです。
vision trackに新たに所属したYO HOSOYAMDAが日本に帰国したタイミングでインタビューを行いました。ロンドンでのイラストレーターとしての活動やバックボーンなどに迫ります。

 - 建築専攻からイラストレーターに

イギリスの大学では建築を専攻していたようですが、そこからなぜイラストレーションの道に進んだのでしょうか。

5歳の時に母の仕事の都合で4年間半パリに住んでいました。それから2年半シンガポールで暮らしまして、また東京に戻って中学生の時に父が実家を建てた時に、父が建築士の方とミーティングしているのを見て建築に興味を持ち、薄っすらと建築を学びたいと思い始めまして、その後、高校生になったのを機にイギリスの田舎に行って1人で寮生活を始めました。
高校は寮生活で大学に入るための予備校のようなものでしたね。本格的に建築を志すようになったきっかけは、高校1年の時にロンドン大学(UCL / ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)のバートレット校の卒展を見に行った時です。3mの手描きの絵やデジタルの絵、模型など、すごく感動して、「ここに行く」と決心しました。
その直後、UCLの高校生向けのサマースクールに行った時に「建築を学ぶのってこんな感じなんだ」というのを初めて体験しました。模型を作ったりする中で、空想の建築をイラストで描くプロジェクトなどがあって、それがすごく面白かったんです。そのサマースクールがあったからこそ大学の受験も上手くいきました。高校の最後の2年間は大学に入るためのポートフォリオ制作に集中しました。

UCLに入学後は大学で建築を3年間学んだあと、社会経験を1年間積みました。イギリスでは大学生の内に最低1年は社会に出るというシステムがあります。期間限定で社会に出ることによって自分が建築家に向いているかわかるので良いシステムだと思います。その知識を活かして大学院にもいくことができます。
私はフォスターという建築事務所で1年間働きました。イギリスのアップルストアなどを手がけていたり、中東や中国でも建築を手がけているインターナショナルな大手の会社でした。1年間の社会経験が終わってまた2年間の学業を受け、再度実務経験を1年間積むと最終的にRIBA(イギリスの建築家資格制度)パート3という試験を受けられるのですが、私は試験は受けませんでした。大学院に入る段階で専攻をイラストレーションに変えたからです。

考えてみると、元から建築よりそっち(イラストレーション)だったのかなって。UCLの卒展の絵に惚れて入学を決めたところからもそう思います。模型を作ったり、リサーチをしたり、色んなアプローチで建築を勉強できて本当に面白い学校だったんですが、一番面白かったのが世界観を作り上げるところでした。プロジェクトのビジュアルコミュニケーションですね。ビジュアルを通して建築プロジェクトのストーリーをどう上手く見せていくか、そこが自分の中で一番面白かったです。そっちの方がしたかったんだなと気づいたんです。

大学にいる時も、建築だけじゃなくて広告や出版、新聞、アニメーションなども面白そうだなと思っていました。色んなことに興味があったんですが、それぞれ違うものなので一つに特化するのもどうだろうなと悩んでいた時に「イラストレーションなら全部できるんだ!」ということに気づきました。パッケージだったり、新聞だったり、ビルボードだったりと色んな所に自分の作品を使っていただけるので、それがすごく面白いなと思います。イラストレーションと真剣に向き合い始めた時に、フォローしてたプロのイラストレーターの方々も色んな仕事をしていて、「どうなるかわからないけど自分もやってみたい!一回やってみよう!」と決意し、ロンドン美術大学カンバーウェル校に編入して、建築家では無くイラストレーターになることを目指しました。


- イギリスでイラストレーターをはじめる

イラストレーターにどのようにしてなったのでしょうか。仕事に繋げていくまでの経緯と携わった象徴的なプロジェクトについて教えてください。

現在は、イラストレーターとして活動し始めて4年目になります。イラストレーターになりたての頃は、知人のつてで小さな仕事をしていました。友達のイベントの仕事や知り合いのアートディレクターに声を掛けて仕事をいただいたり、イギリスやアメリカの新聞、エディトリアル系の仕事がしたかったんで営業もしました。アートディレクターやエージェントに作品を印刷したカードも送りました。初めての本格的な仕事を受けたのが「ELLE」の渋谷が2020年に再開発されるという記事で「渋谷はこんな街になる」という様子のイラストを手掛けました。

ソーシャルメディアに作品を出していったことも大事でした。ただ作品を掲載するだけじゃなくて、仕事を獲得する為にアートディレクターに仕事にした際のイメージを持たせなくてはいけない。このイラストレーターはこんなことができるんだと思わせるために、ポスターの仕事がしたければポスターにしたプロジェクト、建築系の仕事がしたければそれに纏わるプロジェクトを、パッケージならパッケージを作ってみる。など、自分のプロジェクトにも力を入れました。
「ELLE」の仕事をきっかけに世界の名建築をイラストにする「100の名建築プロジェクト」を始めました。建築系のお仕事がしたいとアピールするためでもありますね。それから、父と一緒にフリーペーパー「Quarantine-time(クアランタイム)」のプロジェクトやって、実際にグラフィックデザインの中でイラストを使ってもらいました。「Quarantine-time」は父(細山田デザイン事務所代表・アートディレクター)が富ヶ谷のためのコロナの情報を発信したいと言ったのがきっかけです。父と細山田デザインの米倉さんと私とでイラストを使って何か出来ないかということで始めたものです。
自主プロジェクトに取り組むことでそういうものを掲載していって徐々に仕事の場が広がっていきましたね。

「100の名建築プロジェクト」
「Quarantine-time」
https://www.yo-hoso.com/quarantime


手掛けた中で一番印象的だった仕事は「WIRED WORLD ANNUAL 2022(UK)」です。WIREDが毎年発行している、運輸・ヘルスケア・環境などについての来年の予測を綴った特集で、トピックごとに一人のイラストレーターを起用する企画になっています。すごくやりたい仕事でもありました。
WIREDと初めて仕事した時に指示があまりなく、もらった記事を読んで自分からイラストを提案するというのが印象的でした。具体的にこれを描いてほしい、というのは言われないんです。だから自分でアイデアを生み出して、「どうやったらこの記事の内容をいちばん上手く表現できるか」というのをすごく考えました。初めてのことで頭が痛くなるぐらい記事を読み込みましたけど、そこが面白いところでもありましたね。
私は運輸についてのイラストを手掛けましたので、聞いたことのない新しいテクノロジーの名前など、専門用語も多かったので難しい部分もありました。言語の難しさもあるし、テクノロジーについてもきちんとリサーチしなければいけない。その上でイラスト化するのは、大変だけどやっぱり面白かったです。色んなことを学べました。

小さい頃から見ていた雑誌のMONOCLE(モノクル)でのお仕事も印象的でした。イスタンブールにあるギリシャ系の建築の記事のイラストを担当しました。イギリスの新聞(デイリー・テレグラフ、サンデー・タイムズなど)の仕事も面白かったですね。家族関係の悩みの記事にイラストをつけたんですが、絵にしにくいものを描くのがいつもと違って楽しかったです。マッキンゼー・アンド・カンパニーから依頼されたクラウド・コンピューティングやAIについてのお仕事も面白かったです。テクノロジーについて学ぶことができました。
仕事のジャンルはテクノロジー、建築系、医療関係、ライフスタイルを描くことが多いです。私のイラストで難しいトピックを和らげることができるのかなと思います。難しいテクノロジーについての事柄などを日常生活につなげて描くことができるのは強みだと感じていますので、色んなジャンルでスキルを豊富にしてやっていきたいと思っています。

- イギリスと日本のイラストの仕事の違い

イギリスと日本のイラストレーションの仕事を比較して、依頼のされ方などには違いがあるのでしょうか。

イギリスはイラストレーター側にアイデア委ねる部分が多いのと日本は制作する内容がある程度決まって依頼される仕事の違いを感じますが、ただ、エディトリアルと広告という場合の違いもありますね。特にイギリスのエディトリアルは早くて軽いプロジェクトなのでイラストレーター任せやすいのかもしれません。うまく行かなくてある意味責任が軽いと思います(笑)。
イギリスとアメリカは、実は有名な新聞や雑誌ほど、スケジュールがタイトで料金も安いです。父が私の仕事のスケジュールを知って「日本ではそれはイラストレーターに怒られるスケジュールだよ」と(笑)。1週間の中で最初にラフ複数案を出してフィードバックをもらい、着彩ラフ、それから仕上げまでを行いました。確かに新聞などですとジャーナリストがいてライターがいて、リサーチしてという作業があるのでイラストレーターに依頼するまでに時間がかかるのはわかります。だからこちらも腹を括ります、やるしかないなと。初めてやった時は脳が1週間フル稼働していました。

一方、広告はブランド、マーケティングなどのクライアントのガイドラインやメッセージをどう伝えるかなど大事になってくる。その場合はしっかり制作内容を伝えてもらった方が逆にやりやすいです。自由度の高いエディトリアルの仕事だけでも疲れますし、それぞれのプロジェクトでそれぞれの面白さはありますね。

WIRED WORLD ANNUAL 2022
MONOCLE MAGAZINE 2022


- 両親の影響

品質の良いクリエイティブに触れてきた環境があったと思いますが、その影響はありますでしょうか。

小さい頃は父の仕事場は離れたところにあったので、あまり父の仕事は見えていませんでした。ただ、家にデザイン関連の本がたくさんあったり、家具デザイナーのイームズのハウス・オブ・カードという玩具があったりして、デザインのいい影響があったのかなと思います。家族で旅行する時は建築を見たり、美術館に行ったりするのが習慣になっていて、自然とデザインやアートに触れていました。
父の尊敬しているところは、グラフィックやデザインについて常に深く考えているところです。父がグラフィックデザインの世界に入った動機は、「日本のグラフィックデザインを良くしたい」という思いからだったそうです。父が20代前半にイギリスに行ったときに、街中のサイネージやタイポグラフィなどの日常生活のデザインがすごく素敵で感銘を受けたといっていました。だから日本のグラフィックデザインを良くするために闘うという想いがあるんでしょうね。そういう信念を持っているところを尊敬しています。すごく熱心に仕事をしていますし、仕事に対する姿勢がきちんとしているから、自分も頑張らないと思うんです。

イラストレーターとしてグラフィックデザイナーの父との仕事はとてもやりやすいです。イラストレーションとグラフィックは割と近い存在だけど、イラストレーションとグラフィックデザイナーは必要なスキルが全然違うんですね。グラフィックデザインの方がすごく緻密な見る目がないとできない仕事で、イラストレーターとはキャリアの積み方や事業の起こし方も全然違います。グラフィックデザインにもイラストレーションにもそれぞれ良いところがあって、それを自分なりに活かせたらとは思っています。でもやっぱり、身近に大きなデザイン事務所をかまえている父がいることは勉強になりますね。父がグラフィックデザインに携わっていることは、自分にとってプラスになっていると感じています。

両親はふたりともガシガシ歩んでいくタイプですね。仕事も大変だけど楽しく情熱を持ってやっています。その影響を受けて、自分も情熱を持てる好きな仕事を毎日したいなと感じています。家族はそれぞれの領域を確立していて、良い距離感の関係だと思いますね。


ご両親は「細山田デザイン事務所」代表・アートディレクターの細山田光宣さん(右)
活版印刷スタジオ・カフェ「Letterpress Letters/Canteen」店主の細山田亜弥さん(左)


- 環境とインスピレーション

イラストレーターとして、どのような働き方をしていますか。インスピレーションの受け方、アイデアの出し方などを教えてください。

一日のルーティンは、朝8時くらいに起きて、9時くらいにスタジオに行きます。スタジオに着いたらメール返信などの作業から始めます。ただ、気分的に今日は始めから絵が描きたいという時もあるので、その時は先に絵を描いたりもします。お腹が減った時にランチを食べて、そのあとは特に何をするでもなく必死に絵を描いてるんですけどね(笑)。18時になったら家に帰って何もなければそこで仕事は終わりですが、家で仕事をする時もあります。できるだけ18時に終わらせようと心がけていますが、日本の仕事では時差があるので寝る前にメールを送ることもあります。そうすると日本では朝なので進行がスムーズなんです。

スタジオはロンドンのダルストンという地区にあります。スタジオにはイラストレーター、グラフィックデザイナー、アートディレクター、建築家、それからソーシャルメディア関係の仕事をしている人もいます。ひとつの大きなスペースにそれぞれのデスクがあって、オープンな環境で仕事をしています。スタジオの人たちとはフリーランスの悩みから税金関係の話まで、色んなことを共有しあっていますね。何十年もイラストレーターをやっている人もいれば始めて1ヶ月の人もいるので面白いです。とてもポジティブにお互いを支え合っている雰囲気があります。
スタジオに行き始めてガラッと生活も変わりました。スタジオの人と一緒にイベントに行ったり、みんなでランチをしたり、オフィスの同僚のような感覚で毎日スタジオに行くのが楽しみです。やっぱりずっと家にいると辛くなってきますよね。電車に乗るということだけでインスピレーションが湧いてくるので、そういう小さな行動が大事なんだなと。ロンドンは犬を電車に乗せてOKなんですけど、その犬を見たり、ランチを食べに行ったりするだけでも違いますね。

メインの制作ツールはPhotoshop。スケッチを鉛筆で描いて構図や大まかな要素を作り、それをスキャンしてPhotoshopで描き込んでいきます。色んなフィルタなどを入れられるので、その中で良いテクスチャ感が出るのでモノプリントのテクスチャなどを使ったりします。

イラストのアイデアの出し方は、毎日の散歩だったり、旅で見た風景などを写真に撮っておいてそれを見てインスピレーションを受ける時があります。仕事の依頼をもらってどう描いていこうか考えている時は、家にある他のアーティストの作品を見たり、建築やインテリアの写真を見るとインスピレーションが湧きます。そのコンビネーションで絵を描いている感じです。
元々コンセプトアートも面白いと感じていて、日頃からコンセプトアーティストのスケッチも良く見ます。ピクサーの作品の最初の段階のスケッチとか。映画のセットをデザインするケン・アダム(Ken Adam)のスケッチは面白いと思いますね。
それから、ベルギー人の漫画家フランソワ・スクイテン(François Schuiten)も好きです。パリの絵をよく描いていますね。あとは、やっぱり元々建築を志していたので、ペーパーアーキテクト(紙でつくる建築を模したアート作品)を作る人もよく見ます。ザハ・ハディッド(Zaha Hadid)アーキグラム(Archigram)などがそうです。
大学時代に見て感銘を受けたのはセドリック・プライス(Cedric Price)のファン・パレスというプロジェクトです。ポンピドゥーセンターが元になっているプロジェクトで、手描きのスケッチに感動したことは今の活動に生きている気がします。
仕事している中でよく見るのはレトロフューチャリズムですね。アーサー・レイドボー(Arthur Radebaugh)の絵などは面白いと思っています。建築の大学に行って、空間をイメージしてそれを描き出すというのはすごく鍛えられたと思うので、こういったものに興味があるのかなと感じています。

イラストレーターとしては何人か「こんな感じになりたい」という人もいて、フランスのイラストレーター、ヴィンセント・マヘ(Vincent Mahe)や、イギリスのイラストレーター、アニメーションディレクターのスティーヴ・スコット(Steve Scott)などがそうです。やっぱり空間的に絵を描くのが魅力的ですね。あとはルイス・メンド(Luis Mendo)も好きです。元々スペインで長くアートディレクターをしていて、その後に日本に来てイラストレーターになったんですが、エディトリアル、ブランディング、広告まで幅広く手がけていて素敵だなと思っています。バラエティ豊かなお仕事をしている人たちは憧れますね。
最近のお気に入りはフランスのイラストレーターのアンドレ・ドゥヴァンベ(Andre Devambez)です。プラハの大使館の中に「これからの未来のテクノロジーについて」描いた絵があって、それがすごく面白いんです。

地域は関係なく面白い人がいたらInstagramでフォローしていますね。フォローしているのはイギリスやアメリカ、ヨーロッパ圏の人が多いかもしれません。日本人もいます。
Instagramは見始めてしまうとその世界に入り込んでしまって目線が狭くなってしまうので、今はできるだけ見る時間を限定し、自分の作品をシェアする方に専念しています。Instagramっ今アクティブな人たちがたくさんいるところで、その中でも同じものが回っている気がしていて。それだけだと目線が狭くなる気がして、だから、Instagram外や昔のアーティストの展覧会に行くことも心がけています。

実家の同じビル内にある活版印刷スタジオ「Letterpress Letters」
オリジナルの作品は活版印刷で制作することも


- バゲットみたいに置いておくと固くなってしまうもの

ご自身のイラストレーションのストロングポイント(強み)やこだわっていることなど教えてください。

イラストの技術的に得意なことは、やはり空間が描けることです。それから、複雑で難しいトピックを分かりやすく表現できることですね。イラストの仕事をしていて「その見え方良いね」とか「描き方面白いね」と言われるのが嬉しいです。最近、お仕事でラフ案を出した時に、クライアントが「その記事のイラストの表し方面白いね」と言ったもらい、描き方にこだわったかいがあったなと喜びを感じました。
光の表し方や奥行き感にもこだわって描いています。最近は色使いを色々試していて、使ったことのない色を使ってみたりもしていますね。

大事にしていることは、常に新しい要素を入れ込むことは心がけています。仕事でも、自分の作品でも一回一回、少しでも次のステップを踏むことを意識しているんです。違うことを試してみて、同じものがリピートされないようにしています。自分が楽しくお仕事していくためにも、新しい要素や違う見方を考えながらやることが大事だなと思います。そうするとフレッシュな作品も出てくるので。作品って「バゲットみたいに置いておくと固くなってしまうもの」だと思います。同じバゲットは何日間も食べられない。フレッシュなバケットにしないと(笑)
描いてみたことのないパースに挑戦したりして、本当に小さなことでも自分の脳をいつもと違った感じに動かすようにしています。


- 今後について

ヴィジョントラックへの所属をきっかけに、日本やアジアでチャンレンジしてみたいことなど教えてください。

日本で広告やブランディングに関わる仕事をもっとしたいです。屋外広告の看板など、サイズが大きく展開されるプロジェクトもやってみたいですね。日本以外でアジアのお仕事をあんまりしたことがないので、それも楽しみです。それから、アニメーターさんとコラボレーションしてアニメーションのお仕事もしてみたいです。3Dやインスタレーションのお仕事にも興味があります。今、ロンドンのセルフリッジでイラストレーションを使ったショーウィンドウや天井の装飾が展開されていて、とても素敵だなと思っています。そういったものも将来できたら嬉しいですね。やったことないフォーマットにチャレンジしていきたいと思います。

あとは今、自分の中でパリがインスピレーションの源になっているので、パリの風景・日常の風景を題材にしたシリーズを始めたいと考えています。お仕事の合間を縫って、自分の作品を作り続けたいと思います。
自身のプロジェクトとしては、今年も「100の名建築」プロジェクトをやり続けたいと思っています。道のりは遠いんですが、いったん50個までは描きたいですね。作品が揃ったら個展もやりたいですね。「100の名建築」の作品で、私の目からみた建築の探求というテーマで展示をしたら面白いかもしれません。
いろんな業界の仕事をできることにやり甲斐と面白さを感じます。新しい知識を得られることも楽しいし、広告やパッケージなど様々なプロジェクトに自分のイラストレーションが展開されるのが嬉しいです。

YO HOSOYAMADA

1997年生まれ。ロンドンを拠点に活動するイラストレーター。ロンドン大学バートレット(建築学部)とロンドン美術大学カンバーウェル校卒業後、フリーランスイラストレーターとして活躍中。独自の色使いで描く、細部までこだわった建築的な空間、都市風景を得意とする。

写真:きるけ。 https://kiruke.jp/
インタビュー:光冨章高(vision track)
テキスト:井手美沙音(vision track)


 

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