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Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#CenterOfMassShift

"ROIボリューム(3 DなROI オブジェクト)の重心"と"信号強度によって重み付けされた ROI ボリュームの重心"との距離は、ROI 内の低/高信号強度領域の空間分布を抽象化した特徴量として解釈されます。

$${N_{v,m}}$$ をモルフォロジカルマスクのボクセル数とすると、ROIボリューム重心は、モルフォロジカルなボクセル位置のセット$${X_c}$$から以下のように計算されます。

$$
\overrightarrow{CoM}_{geometry} = {\frac 1 {N_{v,m}}}\displaystyle\sum_{k=1}^{N_{v,m}} \overrightarrow{X}_{c,k}
$$

ここで、$${\overrightarrow{X}_{c,k}}$$は、マスクのボクセルのx, y, zそれぞれの座標ベクトルを意味します。つまり、そのボクセルの座標を3軸それぞれで総和して、それぞれをボクセル数で割ったものが$${\overrightarrow{CoM}_{geometry} }$$です。

次に、信号強度に基づき重み付けされた ROI ボリュームの重心は次の式で表されます。

$$
\overrightarrow{CoM}_{gl} = {\frac {\sum_{k=1}^{N_{v,gl}} X_{gl,k} \overrightarrow X_{c,gl,k}} {\sum_{k=1}^{N_{v,gl}}X_{gl,k}}}
$$

$${\overrightarrow{CoM}_{geometry} }$$ではモルフォロジカルマスクを使って計算されましたが、$${\overrightarrow{CoM}_{gl} }$$は、信号強度マスクのボクセルセット(モルフォロジカルマスク位置にあるボクセル)が計算の対象になっています。

式の通り、マスクボクセルの位置にある信号強度$${X_{c,gl}}$$を座標の重みとして使って求めます。各マスク内のボクセル位置$${(x,y,z)}$$は、その位置にある信号強度$${X_{gl}}$$で重み付けされます。$${N_{v,g}}$$ は、信号強度マスク内のボクセル数です(特別な操作をしない限り、モルフォロジカルマスクのボクセル数と同じです)。最終的に、信号強度で重み付けられた$${x,y,z}$$座標の総和は、信号強度の総和によって除されます。これは、$${x,y,z}$$それぞれで求められます。

上記の計算の結果、$${x,y,z}$$それぞれの$${\overrightarrow{CoM}_{geom} }$$と、$${\overrightarrow{CoM}_{gl} }$$が得られますから、あとは、それぞれを差分して、3次元の距離(ノルム)を求めます。

$$
F_{morph.com} = \| \overrightarrow{CoM}_{geom} - \overrightarrow{CoM}_{gl} \|_2
$$

より具体的には、このように書けます。

$$
F_{morph.com} = \sqrt { {(\overrightarrow{CoM}_{geom.x} - \overrightarrow{CoM}_{gl.x})^2} + {(\overrightarrow{CoM}_{geom.y} - \overrightarrow{CoM}_{gl.y})^2} + {(\overrightarrow{CoM}_{geom.z} - \overrightarrow{CoM}_{gl.z})^2} }
$$

これが、Center Of Mass Shiftです。

実践

ImagePlus[] imgAndMask = TestDataLoader.digital_phantom1();
MorphologicalFeatures molph = new MorphologicalFeatures(imgAndMask[0], imgAndMask[1], 1);
		
Double com = molph.calculate(MorphologicalFeatureType.CentreOfMassShift.id());
System.out.println("CenterOfMassShift:" + com);
//出力
CenterOfMassShift:0.6715449258791161//四捨五入して0.672

RadiomicsJの引用はこちら

Kobayashi, T. RadiomicsJ: a library to compute radiomic features. Radiol Phys Technol 15, 255–263 (2022). https://doi.org/10.1007/s12194-022-00664-4

RadiomicsJのリンク

https://github.com/tatsunidas/RadiomicsJ


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