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【#SaaSLovers DAY12】人たらしが考えるEQ営業理論

#SaaSLovers って何ですか。


SaaS 愛に溢れた人達が毎日(平日)何かしらノウハウを共有する、という素敵なリレーブログ企画が『SaaS Lovers』です!全部の記事がマジで知の宝庫なので、ぜひ Twitter で #SaaSLovers で検索して他のも読んでみてください。本記事の末尾にもリンクつけておきます。この記事や他の記事を読んでいただき、皆さんにも「自分だったらどうする?」と考えてもらったり、あわよくば note や SNS 上でコメントしてもらったりして、対話を通じてお互いに学びを深められたらいいなぁ、なんて思っています。

注)達夫さんの引用です。

有志で集まったSaaS企業で働く人たちの素晴らしいnoteコンテンツとなっています。是非みなさんTwitterのハッシュタグで検索していろんな記事を読んでみてください。たくさんの気づきが与えられると思います!

きみーってだれよ。

今32歳です。華の88世代出身。リクルートやらCriteoらを経て2018年からはRTB Houseというポーランド発のDSPを日本立ち上げをしてました。いろんな人にいじられてる昨年のForbesはこちら。2021年4末に卒業しまして、現在はCosmoseという小売企業向けの分析・配信プラットフォームのまたしても日本ビジネス立ち上げをやっています。少しだけCosmoseの紹介をするとこれもポーランド発でCEOのMironは昨年ForbesのUnder30に選ばれました。香港を中心とする中華圏でビジネスが先行していて、LVMHやCartier、Walmart、McDonald'sなどのブランドから支持されてます。日本でもかなり様々な企業からお声がけをいただいているので、もし一緒になにかしたいかも。という方は教えてください。

今日伝えたいこと

僕はアドテクにとても長くいました。2014年からCriteoなので、およそ7年くらいはパフォーマンス広告の営業でした。リクルートのリクナビをSaaSと捉えるかは別として、ほぼはじめましてのSaaSになります。

それでもこれまで社会人経験10年以上をすべて営業として身を捧げてきましたので、ある程度の成果をあげてきて、ある程度の自信があるわけでございます。

今回はSaaS営業に限らず、僕がよく言われてきた人たらしという形容詞とEQを紐づけて営業活動における活用シーンを考えてみようと思います。

僕の個人的見解が多分に含まれていますので、ご容赦ください。

人たらしとは

昨年のForbesでも言及されていますが、人たらしと形容されることが多いです。おそらくそれは遡ると保育園のときから言われていました。

しかし人たらしという言葉、大辞林で検索してみますと

ひとたらし【人誑し】
人をだますこと。また、その人。
「是ぞ都の―ぞかし/浮世草子・一代男1」

と、まあまあ悪い人の印象を受けていました。が、ビジネス界隈では『愛されキャラ』『応援したくなる人』『末っ子キャラ』などとして認識されているようです。自分自身末っ子であり、地元では10人くらいいた幼馴染集団のなかでも一番年下でした。

歴史でみると豊臣秀吉が生粋の人たらしとして有名だったようで、現代ではおそらく有吉さんとかがそうなのかなーとテレビを見ていると思います。

さてビジネスのシーンにおいて人たらしがなにを大事にしてきたか、を少しお伝えできればと思います。

✳︎お読みいただく前に注意いただきたいのは、これはテクニックの話ではないです。つまりこれを小手先でやろうとすれば必ず見抜かれ、あまりいい結果が見えません。あくまで僕自身の行動を振り返ったり、他者に言われたものを記載しておりますので、その点ご留意ください。

人たらしを構成するEQとは

本題に入る前におそらく現代では人たらしを構築する能力にEQというものがあると思っています。EQという言葉と出会ったのは社会人になってからですが、おそらくこの能力が現代版人たらしなんだろう、と思っています。

EQには4つの能力があるそうで、以下のようになっています。

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(出典:『EQトレーニング』(日経文庫)「EQで必要な4つのブランチ」)

さて、このEQを高めるにはどうしたらいいか、というのを個人的見解をもとに説明したいと思います。個人的にはEQはあくまでベースとなっていて、EQを高めていきながらビジネスシーンにどうやって活かしたらいいの、ということをお伝えします。

EQを高めるステップ⓪人のパーソナルスペースは千差万別であることを理解する

人それぞれに踏み込んでほしくない領域は異なります。

それはそれぞれの原体験が異なるからです。

例えばAさんは韓国が大好きだとします。Netfilxで『梨泰院クラス』にハマり、作中に出てくるチャミスル(焼酎)にハマった人も多いでしょう。そんなAさんは友達数人となにか食べようという話になり、韓国料理店を予約しました。Aさんは楽しみにしていたチャミスルを注文し、チヂミやサムギョプサル、チャンジャなどを注文します。Aさんはとても楽しい時間を友達と過ごし、帰路につきました。

しかし翌日友達と作っていたLINEグループがなぜか消滅していました。

『え!?』

と困惑するAさん。

さて、みなさん、ここでなにが起きたか想像してみてください。

実はその友達グループのリーダー的存在のBさん、彼女は最近韓国人の彼氏と別れたばかりでした。

その影響もありBさんは韓国関連のものを軒並み避けていました。しかしAさんはそんなことも露知らず韓国料理店を予約してしまったのです。Bさんの最も触れてはいけない部分に触れてしまったAさんはLINEグループを外されてしまいました。

『なんでこんなことで?』ということはここでは議論はしません。

しかしAさんは本当に気付く余地がなかったのでしょうか?

時を遡ると予約するときにAさんはみんなに『韓国料理で美味しいところあるんだけど、そこでいいかな?』とLINEしていました。

そのときBさんは

『え。韓国料理?』

とだけ返信がありました。

この行間でなにを読み取ることができるでしょうか。

『え!韓国料理??』

であれば喜んでる可能性が高いと思います。

しかし

『え。』という『。』に込められたBさんの韓国に対する嫌悪感はAさんは読み取れなかったのです。

さらには実際にBさんは韓国料理店に着くのが20分ほど遅れてしまっています。普段まったく遅刻したことのなかったBさんがです。最後まで葛藤したんでしょう。さらには普段お酒をよく飲むはずなのに、Bさんは終始ウーロン茶ばかりを注文していました。

ここまで挙げられると実はBさんはいろんなサインを出していたんですね。それは相手に気付いてもらえたらいいな、という意味が多分に込められています。おそらくそれ以外にもため息が多かったり、少しつまんなさそうな素振りもしていたことでしょう。もしそこで誰かが気づいてあげて、「韓国料理店に連れてきちゃってごめんね。」という会話があれば、まるく収まったかもしれません。

しかしAさんはまったくそこに気付くことができなったんですね。

(実話です)

EQを高めるステップ①ビジネスにおけるEQを理解する

この話をビジネスシーンにはめ込んでみます。

私『この商品は御社のこの部分を補完できると思います。』

担当者『・・・・そうですか。』

このシーンで想像できる担当者の頭のなかはなんでしょうか。

ここでどのくらい担当者の感情を枝わかれさせることができるか、がEQを高める訓練になります。

可能性1;あんまり説明が響いていない?わかりづらかった?

可能性2;この部分のPJもしかしてあんまり触れてはいけない話だったか?

可能性3:他の仕事のことで頭がいっぱい?

などのような可能性が出てきます。

これは表情や相槌、仕草で読み取れることができ、それを特に20代のうちから訓練しておくといいでしょう。

EQを高めるステップ②どうやって訓練するか

すごく簡単です。Zoomであれなんであれ、同僚や先輩にお願いして同席してもらうのです。

R時代にはこの訓練をかなりさせられました。同席して説明している最中に相手がどんな仕草をして、どんな表情をして、どんな相槌を打ったのか。

MTG終了後には先輩と答え合わせのように、「あの言葉のときの表情が気になりました。」とか「あのときの話はあんまり刺さってなかったですね。だってペンいじってましたもん。」とかそういう話をたくさんしてました。そこで答え合わせをするんですが、実はこれは指導する側もとても訓練が必要です。なんていったって誰よりもその会議に集中しないといけないですから。苦笑

もちろん最初からすべてに気づけるのは難しいですが、これを訓練するとかなり営業の幅が広がると思います。

それに今の時代はZoomなので、例えば上のシーンでいうと同席している人が相手の表情を真剣に読み取り、何分の話のときに気になってたなーと覚えておくことで、その資料の合間にでも

「今のところなにか気になりましたか?」

と差し込んでもいいし、「○ページ目のときになにか困っていらっしゃるように感じましたがわかりづらかったですか?」

などと後々聞くことができます。プライベートチャットで記録を取ることもできます。

Zoomで一人で資料を投影して、初めましての相手の場合とても困難です。

熟練の営業さんならなんとかなるかもしれませんが、新卒や若手の人だったら今でも苦労しているんじゃないでしょうか。

EQを高めるステップ③そうするとなにが起きるか

そうすると、もちろんすべてではないですが、担当者の気持ちがわかります。

さらに、次回の提案にいかせてもらえたり、受注率が上がったりします。

たとえば、商品説明のときにあんまり興味のない素振りをしています。

「ここなにかわかりづらかったでしょうか」

と聞くだけで

1.実はその話はこの前別の人から聞いたからもっと詳細を知りたい。なんて言えない

2.急いでるからもっと詳細の話をしてほしい

3.実は他部署から紹介で回ってきた話なのでなんの話なのかわかってないし、興味も湧いていない

などの回答が返ってくるでしょう。

営業がよく陥りやすい罠として

「かなり感触よかったです」

というキラーワードがあります、

これでマネジメント側は大混乱です。マネジメント側になるとわかるのですが、

「それは君(現場)がそう思っただけでは?」と疑えと学びます。

本当にお客様がそう言ったのか。

という確信がわからず、そしてこれが不思議なんですが、時間が経つと現場もお客様が言っていないのに、ヨミをあげたり、あそこはあとは稟議だけなんですけどね、などと言ってることが多いのでしょう。

話を戻します。

つまり、相手の表情を読み取りながら、その時の相手の感情を正確に判断する(=相手に言葉を発せさせる)とより正確にヨミもはかることができ、間違いのない提案ができます。

これを繰り返すと、相手を”握る”ことができます。

EQを高めるステップ④その先につなげるには

少し上級編になります。ここからは友達を失う危険性がありますので、ご注意ください。(実際に僕も失いかけました)

先ほどのステップ⓪のパーソナルスペースという話とステップ①以降の話は少し差異があります。それはつまりビジネスの問題かプライベートの問題かという話なんです。

距離で示すとパーソナルスペースは30センチ、ステップ②は60センチだとしましょう。つまり、より踏み込んでこられると琴線に触れたり、逆鱗に触れたり、という事件が発生します。

例えば仕事の失敗の話はできてもプライベートの失敗の話はできる人は限られますよね。

なにが言いたいかというと、

「一緒にやりませんか」という提案をするとき、人間はこの嫌われたくない範囲を計算しながら、かなり手前で制限してしまってます。

自分で気づいていないうちに言葉じりに出ています。断定できなかったり、語尾に不安が出てきます。

それは断られるのが怖かったり、その提案を通して頑張ってきた自分を否定するような気持ちになるから、あんまり真理に踏み込めないのでしょう。と思います。

しかし一歩、もしくは2歩踏み込んで言ってみてください。

もちろん相手を怒らせることもあるでしょう。

しかし線を超えてみないとその線がどこにあるのかわかりません。

もちろん相手に失礼なことを言え、というわけではありません。

それでもすべての遠慮してしまってはそれこそこれまで頑張ってきた自分に失礼だと思います。

これらのベースを支える行動理念・哲学

上の行動はあくまで、以下の行動や態度がベースになってる、というのを忘れないでください。

a. 即レス命

とても大事です。いいことでも悪いことでもどんな状況でも即レスできるようにしましょう。それだけ信頼関係が変わります。

b.会話はこまめに常に密に

どんな些細なことでも伝えましょう。この前息子さんお誕生日でしたね。サービスローンチおめでとうございます。etc

c.”ありがとう”と”ごめんなさい”

この2つをすぐに言える人はとても人として信頼されます。

d. 時間厳守

時間をなによりも守っていない人が多くなってきてるので、差別化ポイントです。特にアド界隈は。

e. Take<Give Give Give

なにか借りたいときは、貸しになってるのかな、と思うことを最低でも3倍はしましょう。

最後に

さて、とても拙い文章を最後までお付き合いいただきありがとうございました。

人たらしという言葉を個人的に現代版に言い直してみました。

もっと練る時間があればもっと出てきたと思いますが、今回はこれで勘弁してください苦笑

この#SaaSLoversは5月31日まで続きます!

次回は小島瑶兵さんの「業界特化型のマーケティング戦略」です!

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