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代理店パートナー制度の始め方、描き方

さて、前回代理店パートナーとの付き合い方についてNoteを書いてみました。

もう少しネタあるんだから出せよ。と脅されましたので最初の3か月~とかどういう立ちまわりがあったのかを記したいと思います。

短期的な考え方

まず、代理店グループとして

①総合系グループ A社、B社、(C社)

②デジタルグループ D社、E社、F社、G社、H社、I 社

③ツール系グループ J社、K社、F社

と分類してみます。(順番は思いつき順で僕のなかで特定しているので、他意はありません。)

まず①総合系のA-C社は当たり方が分かりませんでした。(ちーん)

A社がI社にデジタル案件を流したり、B社はH社に流したりして、その間にさらに2-4社がいて、彼らの持つ案件のMTGにいくとフルハウスみたいな名刺をもらえます。

どういうプロダクトか、にもよりますが、我々のリターゲティング広告に限れば、②デジタルグループの代理店の方々にご理解いただき、拡販いただくことがなによりのゴールです。

しかし、前回の記事にも書きましたが、そのプロダクトが果たして利用価値があるかどうか、その利用価値という言葉のなかには

代理店としてうまみがあるか

うまみの定義:売り上げのScalability、利益率、市場規模

につきると思います。

短期的にみたときにおそらく、

-売り上げとして1,000万円/月のアカウントが多く出るか

-市場規模としてDynamic領域であれば2,000-3,000社に拡販できるか

がひとつのmeasurementだと思ってます。


D社、E社、F社、H社はお互いの売り上げ、拡販具合をすごく意識されてるので、進めるなら同時に進めるといいかもしれません。

どうしても彼ら社内での体制上や経営戦略上、一歩が遅くなってしまうところが少なからず出てきます。契約書の支払いサイトだったり、組織構造上の問題なんかにも阻まれることがあります。普通は30日支払いサイトが主ですが、ほとんどの代理店は45-60日サイトが多いです。それを本社に説明するのが一苦労でした。

そういう少し時間がかかるときに見捨てずにフォローできるか、ちゃんとフォローできる体制や制度を用意できてるか、が浮上するきっかけになります。また、もちろんですが諦めらめられて、振り向いてもらえないところも出てきます。うちでいうとG社とかH社とか。

そういう場合は粛々と直顧客に営業をしていき、「あ、それG社でやってるので、営業さん紹介します」といわれて、その営業やコンサルの方と仲良くなり、内側から攻める、というやり方もあります。ただ、これは営業リソースがかかるのと、時間もかかったりするので、やはり正攻法で攻めたいですね。

③のツール系のグループの方々は本当に神様のような優しい方々ぞろいです。

新しいプロダクトに関して、既存企業に紹介してくださることが非常に多く、そのツールとのSyncが高ければ高いほど、彼らのツールを使う(お金が発生する)理由にもなるし、離れづらくなる(解約率が下がる)ことがわかります。セミナーにも招待してくれますし、ちゃんと対応することでそれ以上のものをお返ししてくださる印象があるのがこのグループの方々です。もちろん代理店機能もお持ちだったりするので、そこから彼ら自身としての売り上げにも貢献できます。

この3社には初期も現在もとてもお世話になっているので、引き続きセミナーなどは誘われたら是非参加したいです。


中長期的な考え方

ここまでは最初の半年くらいで着手すべきことを述べました。(まだまだたくさんあると思いますが)しかし売り上げは常にあげていかねばならず、売る仕組みを作ることでより強い組織を作ることができます。

短期的な売り上げの仕組みと同じように中長期的な視点からやったこととして10の事例を挙げていきます。ここではそのなかでも初期・中期・長期という分類でご紹介していきたいと思います。

-Integrationの簡略化(初期)

 →IO(申込書)をもらってから何日でLaunchできるのか。”Integration days”なんて呼んだりもしてますがこの日数を10日速めるだけで、売り上げのRev積み上げスピードは5-7%上がります。ヒアリング項目や各Integrationに必要な入稿物、説明文章を用意しておくことで実装先での理解度が早まるのがポイントです。Google Spread sheetで共有にしておき、フォルダ管理すると運用チームや技術チームとの引き継ぎに便利です。(代理店によってはスプシNGのところもあるため要注意)また技術チームとの連携も必須になります。

-日本語媒体資料の作成(初期~)

 →毎Qアップデートが必要になります。最悪6か月に1回はアップデートするようにしています。エンジンの理解や、構成も大きく代わり2018年のVer1からすでに20回変更しています。構成としては会社概要、エンジン概要、機能概要、実装概要、事例概要、新プロダクト概要、Appendixみたいな構成がほとんどになります。拡散用にPPTも用意しておくと代理店に喜ばれます。

-業界事例の作成(中期~)

 →顧客が求めることが多くあり、シミュレーションのためにも作成しておくと便利です。特にEC、人材、旅行、不動産は最初に準備しておくと横展が速いです。各業界の平均CTR、CVRは常にアップデートしておくと社内も助かったりします。さらにマーケチームと連携してPRをしたり、というのもここから出てきます。

-営業向け/コンサル向け勉強会の実施(中期~)

 →経営陣とのQBR(Qごとのレビュー)をキックオフした2か月以内に実施すると案件獲得率があがります。号令をかけるタイミングで一気にやるといいかもです。このときまでの該当社内での実績を作り上げておいて、その場で紹介できるのが一番理想です。(あの人のあの案件が~、ということで”あの人”の評価も高まるはずですし)

-毎週のMTGの定例化(中期~)

→代理店インセンティブプランとセットでやることで意味が増します。アジェンダとしては数値進捗、新規案件のステータス、既存での確認事項、提案企業の共有、それぞれからのアップデートで40-60分かかります。QBRが基本としてありますが、我々の場合は毎週のMTGを定例化するようにしています。

-代理店インセンティブプランの構築(長期~)

→日本特有のプランのため、プラン策定から実施、施行まで6か月以上かかりました。本社の経営チーム、財務チームへの説明、さらにそれを行うことでどのくらいRev potentialがあるか?なんでそれをやるか?などの一通りの説明が3か年、5か年の売り上げプランと一緒に提出必須です。しかもMargin率なども加味して会社としての簡単なP/L、B/Sなども把握しないといけないため、若干数値に強くなります。視点が現場から経営視点にあがる瞬間です。

-販路の拡大(長期~)

→①グループをどのようにおとしたらいいか、他に販売パートナーがいないか、などを模索するときがきます。弊社の場合は例えばGMO makeshopやBASEなどと組んだり、外資のShopifyと組んだり、Yappliさんと組んでも面白いと思います。そういう可能性をどのくらい考えついて実行に移せるか、が5年後のRevにつながってきます。

-提案Verticalの拡充(長期~)

→上記4業界のほかに、日本でいえば金融、化粧品、電子書籍、携帯キャリア、あとはアルコールやタバコなど。Globalでできないといわれてるものを日本の法律や各プラットフォームと確認してすすめることになります。だいたい1年くらいかかります。

-プロダクトの拡充

→リターゲティング広告に限らず、App広告、CPI広告、Brand広告、動画広告、クリエイティブの拡大。本社の新規プロダクトチームとのかかわりが非常に大事です。

ざーっと述べましたが、社内でかかわる仕事が増えるのが、この中長期的プランですね。

このあげたプランだけでも、技術チーム、マーケチーム、経営陣、財務チーム、新規プロダクトチームとの連携が非常に大事になります。

なにか参考になれば。幸いです。


おしまい!


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