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まるでスイミーじゃないか、泣けるじゃないか

一昨日の「良性」の診断に、心は少し平穏を取り戻した。
僕はようやく前へ向かって歩み始めることができる。
入院以来の闘病記は、今日で一つの区切りにしようと思う。

昨秋のことだった。
左目に違和感を感じ、めばちこ(=ものもらい)かなと。
目頭が腫れ、そして涙目だ。

この記事によると、それは10月のことだったらしい。

すぐ眼科に行ったが、めばちこはすでにない。
左目の異常は続き、1月に再受診してドライアイと診断された。
今思えば、めばちこでもドライアイでもなかったのだ。

上の記事の4日後には、鼻の痛みを訴える記事を書いている。

その後、耳鼻科で口の中が大きく腫れていると指摘された。
しかし町医者のレントゲンでは何も写らない。
地域の総合病院を紹介され、そこで受けたMRI、CTの結果に愕然とした。
ピンポン球ほどもある腫瘍が左鼻の横に鮮明に写っていた。
左の鼻が痛いのも、左目だけ涙が出るのもすべてそのせいだった。

ここから先は、このところ綴ってきた闘病記のとおりだ。
手術で口の中を欠損し、食に重大な支障を来している。
喋るのにも難渋し、絶望に打ちひしがれた。
しかし病理検査の結果は、医師の予想を覆し良性だった。
まだたくさん夢や希望を持っていいのだと、そう思えた。

がんばる。
食べる。

固形物が噛みづらいので、あらかじめ切り刻む、すりつぶす。
かみさんがほぐしてくれた焼き鮭に、思わず唸る。

なんと! フレークになっても鮭!
まるでスイミーじゃないか、泣けるじゃないか。

診断結果が出た晩は、僕が晩ごはん当番だった。
肉々しい料理で自ら祝いたかったのでトンテキにした。
もちろんトンテキなど噛めるはずもないので、フードプロセッサーで挽き、薄力粉をつなぎにして焼いたトンテキもどき。
これを箸で崩しながら、おちょぼ口にせっせと運ぶ。

添えたチンゲンサイも、ポテサラのニンジンもキュウリも、味噌汁のアサリもすべてみじんぎりだ。
すべてのメニューが、見た目それらしく、口に入れたら噛まずに食べられ、味はまさにそのもの。

ちなみに息子とかみさん用に作ったふつうの皿はこちら。

いいな、僕も早くこんなの食べたい。

長らく闘病記におつきあいいただき、ありがとうございます。
皆さまからの温かいメッセージが僕の心の支えでした。
ここまでたどり着けたのも皆さまのおかげです。
本当にありがとうございます。
感謝の思いを持って、これからがんばってまいります。

(2023/4/13記)

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