見出し画像

書くことが好きだ!

今回のエッセイは、2002年から2019年にかけて勤め先の観光施設で書いていたメルマガの最終号に載せたものだ。
最終号といっても自分が担当する最終という意味で、2019/12/31をもって退職したため、その5日前に配信したこの号が最終となったもの。
18年にわたって毎週書いて、ついに714号となったメルマガを離れるにあたり、本当にありがたいことに、多くの読者からまたどこかで読みたいとのメッセージをいただいた。
そのリクエストに応えるべく、退職から2か月ほど経った昨年2月、noteデビューを果たし、18年分のエッセイを毎日コツコツ上げてきたが、それもついに今日で最後となる。


書くということ。
それはつまり心を文字にして外に表すということ。

何のため?
それは人に読んでもらうため。

東京で編集者をやっていた頃、編集部のトップがそう言った。
だから、読まれることを意識して書かなくてはダメだと。

その頃はそんなことはないと思った。
書きたいから書く、という書き方もあるのではないかと。

いや、それなら日記やメモに書いておけばいい。
人目につくところに書く以上、読み手の顔をまったく想像しないわけにはいかない。
書くということはやっぱり、誰かに読んでもらうためだ。

この小さなコーナーに心をギュッと詰め込んで伝えるのは今日が最後。
読んでもらうためという、書く目的は果たしてこれただろうか。

わずかばかりでも心を伝えることができていたなら、そして、共感であっても違和感であってもどちらでもいい、読み手の心の中に何か生み出せていたならよかったのだけれど。

書くことが好きだ!

画像1

***

かねてお知らせしておりましたように、今号をもちましてこのメルマガの担当を離れ、大晦日で退職いたします。
東京から移住で飛び込んで20年、実にいろんなことがありましたが、共通して言えるのは多くの方々に支えていただいたということ。
20年間お世話になり、心より感謝申し上げます。
今後は故郷・神戸を拠点にがんばってまいりたいと思います。
年末を締めくくる高槻、丸の内、梅田での出張販売が最後のお務め、読者の皆様とはできるだけお時間を取ってお話しできればと思いますので、ご来店いただける際はぜひお声がけください。
お世話になった皆様と打ち上げしたい気分です、ホントに。
このメルマガ、ずっと書いてきたのが書けなくなるのはとても淋しく、どこか場所を変えて何か書き続けられたらと思いますし、そうなればまた皆様とネット上でお会いできるかもしれないとも思います。
今まで本当にありがとうございました。
では皆様、どうぞよいお年をお迎えください。
またいつかきっとどこかでお会いしましょう。

(2019/12/26記)

こんなふうにして、僕のメルマガ人生は幕を閉じた。
とても長く、そしてとても短い18年間だった。
企業メルマガらしからぬ奔放な書きように、いただくのはよい反響ばかりではなく、辛辣なものもかなり多かった。
でも、だからこそ読者と、人と繋がっているという実感は常にあった。

メルマガを離れて空虚な時間をしばらく送ったが、最終号末に書いた「どこか場所を変えて何か書き続けられたら」という思いがこのnoteの場で実現し、700号ものエッセイはまた息を吹き返して新たな読者にかわいがってもらうことができた。
昨年2月よりほぼ1年、長らくおつきあいいただいた読者の皆様には本当に感謝の気持ちしかない。

さて明日からこのnote、何を書こう。
何回かは、ここまで上げてきた多くのエッセイからこれはと思うものを振り返ってみたいと思っている。
その後、いよいよリアル書き下ろしの世界へ行こうか。

(2021/2/7記)

サポートなどいただけるとは思っていませんが、万一したくてたまらなくなった場合は遠慮なさらずぜひどうぞ!