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【ベトナム生活】Kinh Đô Hà Nội Café 252 Hàng Bôngで朝食を

初夏の日差しが気持ち良い朝。気が向いてKinh Đô Hà Nội Café 252 にコーヒーを飲みに来ました。

外観はごく普通のハノイの町カフェ

この一見、なんの変哲もない町カフェは、その昔、カトリーヌ・ドヌーブが映画『インドシン』('92)の撮影にベトナムを訪れた際、ここのコーヒーやパティスリーを、"昔 懐かしい味"と気に入り通ったという事で知られ、店内にはその時に撮られた写真や、映画完成後、プレミアで再度ベトナムを訪れたドヌーブから送られたポスターなどが飾られています。

だいぶ良い色合いになったポスター
カトリーヌ・ドヌーブからのメッセージも
隣に座るは今は亡き創業者のチーさん
私も可愛がってもらいました

チーさん家族はニュー・カレドニア出身ですが、ハノイにフランスの味を、とベトナムに移り、1986年にKinh Đô café 252を開きます。配給時代が終わったばかりの頃、チーさんのコーヒーや、パン、パティスリー、自家製プリンなどは当時のハノイの"ハイカラ"であった訳です。

一昔前はガイドブックにもよく取り上げられ、観光客や在住欧米人も多く訪れましたが、町が発展し、ほかに洒落たカフェが多くなるにつれ、紙面が割かれる事も少なくなっていき、また、近年はコロナという試練の時期もあり、厳しい状況に。

しかし、後を継ぐ娘さん達がfacebookで宣伝したり、ネット新聞で取り上げられたりもし、今は、Z世代の若者が、逆に新鮮と訪れたり、子供の頃に自分が食べた味を子供達にと訪れる家族連れなどで、また少しずつ賑わいを見せています。

個人的には1996年の秋にハイフォンで日本語を教え始めて数ヶ月経った冬、初めてハノイを訪れた際、真っ先に向かった場所で印象深く、ハノイに移った後もよく通った原点的カフェなので、今も時々、初心を思い出したい時などにコーヒーを飲みに来ます。

落ち着いた店内に聞こえる街の喧騒、行き交うバイクを眺めていると、ベトナムで暮らしてきた日々は決して平らな道ではなかったけど、今こうしていられるのは幸せな事だなとしみじみ思います。

今は他に洒落たカフェがたくさんありますが、ハノイに来られる際は、ぜひKinh Đo Hà Nôi café 252 Hàng Bôngを訪れて、オールドハノイの雰囲気を味わってもらえたら嬉しいです。

コロナ後、少しずつメニューも復活してきています。
素朴な味わいのクロワッサン🥐
ミルクの膜が張るカフェオレもどこか懐かしく

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