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発達の最近接領域

 大学の講義等で聞いた覚えはないでしょうか。ヴィゴッキーが提唱した考えです。インターネットで画像検索などをすれば、簡単に図などを見つけることができます。簡単に言いますと、①「一人で簡単にできるようなレベル」、②「一人ではできないが、誰かと協同でならうまくできるレベル」、③「どうやってもできないレベル」があり、発達の最近接領域は②にあたるものです。

 これを教育に当てはめて考えてみると、授業で課題を提示する場面において、この②に該当するような課題を提示するといいのではということになります。①ですと、個別で学習することで終えることができるので、協同で学ぶ意義がなくなります。③にすると、そもそも達成不可能ですので、授業として成立しなくなります。②にすることで、児童が一人では解決できないので、協同で学ぶように動機づけもうまくいくことにつながります。

 対話的な学びについても同じことが言えると思います。「話し合ってください」とお願いしても、話し合う動機や必然性が必要です。話し合うときに一人では解決できないような話題を考えさせるネタを提供しないと話し合いはできません。

 このヴィゴッキーの考えを知っているからと言って授業が劇的に改善するということはありませんが、考えるきっかけにはなると思います。授業を組み立てる際に、②の「一人ではできないが、誰かと協同でならうまくできるレベル」をうまく取り入れてるかを考えてみてください。

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