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【ぐるっとパス日記】 出光美術館と泉屋博古館。


ぐるっとパスとは、

東京を中心に101の美術館・博物館の入場券や割引券がセットになったお得なQRコードチケットです。(ガイドブックより)

ただし最初の利用日から【2か月間】で使い切らねばならない。夏に購入し秋から周ろうとのんびりしてたら、最終期限2023年3月が迫ってきた。

慌ててスタートを切る。

まず、出光美術館。

館長出光佐千子氏のごあいさつ

当館は、私の祖父・出光佐三(出光興産株式会社創業者、1885-1981)が自ら蒐集したコレクションを後世の人々の教学の助けとなるようにと、1966(昭和41)年に開館いたしました。佐三は、仙厓や唐津などの芸術を愛する中で、「人間尊重」の理念を確信し、芸術を自らの事業の戒めとしてきました。(公式サイトより)


当時の創業者たちには蒐集家が多い。
数寄者たちって長生きした人が多い気がする。益田鈍翁90歳。松永安左エ門95歳。畠山一清90歳。細川護立87歳。15代三井八郎右衞門91歳。少し世代下るが松下幸之助94歳。

カテキン効果?と、ふとググッてみたら、茶人は長生きとの論文を書いている教授もいた。やっぱりか。お茶は大切、納得。


『惹かれあう美と創造-陶磁の東西交流』
(12月18日まで)

行くと図録が欲しくなる。ぐるっとパス。    これ危険かも


出光美術館は前から気になっていたので、いちばんに選んだ。

古代〜近現代そしてアジアからヨーロッパまでぶあーっと網羅されてる名品たちを堪能。

ほ、欲しい……。

何度も唾を呑み込む。


だが展示以外でも感動ポイントがあった。

ひとつは
贅沢な人員配備と丁寧な対応だ。
美術館は帝劇ビルの9階で、専用エレベーターがある。

一階エレベーター前に2名。
扉が開くとお出迎えの方が1名。
チケット受付に2名。
展示室前に1名。

ビルに入るワンフロアの美術館で、この対応人数に少し驚いた。きちんと制服を着こなしていて物腰が丁寧だ。皆さん、出光の社員さんなのか?と感じ入った。

ふたつめは景色。
展示室を出ると自然と足が吸い寄せられた。皇居側にスコンと抜けたパノラマが広がる。

ミッドタウン日比谷のTOHOシネマズから見える公園の景色も四季折々に美しい。

帝劇ビルは、そこから交差点を渡った皇居側だけど、またぜんぜん違った。新鮮だった。

ぐるっとパス効果→企画展割引200円

続けて訪れたのは泉屋博古館。

さきの出光美術館でも少し展示されていた陶芸家、板谷波山生誕150年記念展だ。

『板谷波山の陶芸』
(12月18日まで)

端正



こちらは住友コレクションが中心の美術館。

京都左京区に本館?こちらは昨年11月頃に訪ねた。落ち着いた佇まいで庭と建物の調和が美しい。

寝そべって空をあおぎたかった。

板谷波山は、明治生まれの陶芸家。愛らしくそれでいてプライドある作品はいまの20代でも好みそう。可愛い。映える。葆光彩磁(ほこうさいじ)という独創的な方法で繊細な色合いを編み出したと説明されていた。

ここでも

「ほ、ほ、欲しい……さ、触りたい」

何度も心の中で唸った。

完璧主義の波山は、小さな失敗も許さず叩き割っていたそうだ。展示では、それら陶片も多く見ることが出来る。

いやぁぁぁなんで割ったのこれ。めっちゃ綺麗な色じゃないすかっ。

ひ、ひとかけら。売ってほしい

この大きさなら私でも買える値かな?
こっちの小さいので。あ、あれも良いな。

いじましい夢想をしながら
長いこと陶片たちを凝視した。

展示以外の特筆すべきポイントは、館を出て泉ガーデンへと抜ける庭でひと知れず開催されてる、光と音楽のプチマリアージュだ。

平日だからか人が通らない。博古館のカフェから見えるようにされてるのか。だとすると、これまた贅沢な。

音も控えめ。侘び寂びイルミ


晩年の波山を撮った短かいフィルム上映もあった。作品と同じ柔らかな笑顔。1872年生まれ。91歳。波山さんも長生きチーム。

ぐるっとパス効果→入場券1,200円無料

まだまだ、ぐるっとしなきゃならん。
急がねば。




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