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「Bard」4つのアップデートと、未実装の「Bard Extensions」

9月19日、Googleが提供するチャットベースのAI「Bard」がアップデートされました。

やっかいなのことに、まだ米国でしか使えない機能がある上に、公式サイトの内容が読みにくく、結局なにができるようになったのかよくわかりません。

そこで株式会社VERSAROCがお送りするAI関連情報マガジンでは、9月19日のアップデートのあと「Bard」でできるようになったことをざっくり解説します。

わかりやすさ重視で解説しますので、初心者の方こそ読んでいただければと思います。


そもそも「Bard」ってなに?

「Bard」はGoogleが開発したチャットベースのAIです。Google版 ChatGPTだと理解すればおおよそ間違いではありません。そもそも「AI」と言っても実はいろんな種類があり、そのなかのチャットベースのAIにもまた種類があるんです。

チャットベースAIの中で今最も注目を集めている暫定王者がChatGPT。Microsoftが出資して OpenAIが開発した話題の中心AIですね。そして今回のテーマである「Bard」はGoogleで開発されており、ChatGPTのライバル的存在だと思って良いでしょう。

ほかにもMetaが開発したLlamaや、ELYZA、StableLMなどいくつも種類があり、頭の良さや得意な話題が違ったりします。

Googleの「Bard」は「ChatGPT」に比べるとちょっと性能が低いよね。なんて言われているのですが、なんだかんだみんなGoogleならやってくれるはずだと期待しているのが現状です。

まだ使ったことがない人は、下記のリンク『https://bard.google.com/』からぜひ試してみてください。

Bardのアップデートざっくり解説

Googleの公式情報『試験運用版の最新情報』によれば、日本でのアップデートの内容はざっくり次の4つです。

  1. Googleレンズ機能が使えるようになった

  2. Bardの頭がよくなった

  3. ボタンひとつで検索し直せる機能が追加

  4. 会話を共有できるしさらに続けられる

要点だけさらっと解説していきます。

1. Googleレンズ機能が使えるようになった

ライオンの画像

Googleレンズの機能はみなさまご存知でしょうか。通常のGoogle検索ではテキストでキーワードを入れますが、画像だけで検索する機能がGoogleレンズです。

今回の「Bard」のアップデートによって、AIとの会話中に画像も使えるようになりました。これは現在のChatGPTには実装されていない機能です。

試しに、ライオンの画像と「これはなんですか」というテキストで会話を始めてみました。

ライオンの画像と「これはなんですか」

>これはなんですか

あなたが送った画像は、ライオンの舌です。ライオンは肉食動物なので、獲物の肉を食べるときに舌を使います。舌には小さなトゲがついていて、それを使って骨についた肉をそぎ落とします。また、ライオンは舌を使って自分の毛づくろいをしたり、仲間の毛づくろいをしたりすることもできます。

画像を見ると、ライオンは舌を出して獲物を狙っているように見えます。また、舌の表面には小さなトゲが確認できます。これらのことから、この画像はライオンが獲物を捕食する瞬間を捉えたものであると考えられます。

なお、画像にはライオンの種類は明確にわかりませんが、アフリカに生息するライオンである可能性が高いと考えられます。

以下に、画像の詳細を説明します。ライオンの舌は、長くて柔らかい。
舌の表面には小さなトゲが密集している。
トゲは骨についた肉をそぎ落とすのに役立つ。
ライオンは舌を使って獲物を捕食したり、毛づくろいをしたりする。


この画像は、ライオンの舌の特徴や役割を理解するのに役立ちます。

Bardの回答

ライオンを認識しているだけじゃなく、その舌までわかっているのがすごいですね。アフリカのライオンっぽいという情報もなんか専門家っぽい補足情報でかっこいいです。

「Bard」はチャットベースなのが特徴なので、ここからさらに踏み込んだ質問ができます。試しにこのライオンに会いにいきたいと言ってみました。

>こんな感じのライオンに会いにいくとしたら、どこに行ったらいい?

画像のようなライオンに会うには、アフリカのサファリに行くのがおすすめです。アフリカのサファリでは、ライオンが自然の中で暮らす姿を見ることができます。

具体的には、ケニア、タンザニア、南アフリカなどの国々でライオンを見ることができます。これらの国々では、サファリツアーに参加してライオンを観察することができます。

サファリツアーでは、専用の車に乗ってライオンの群れや単独のライオンを探しに行きます。ライオンは草原や森林などに生息しているので、様々な場所で出会うことができます。

また、ライオンを間近で見ることができるサファリパークもあります。サファリパークでは、車を降りてライオンに餌やりしたり、記念撮影をしたりすることもできます。

日本では、ライオンを間近で見ることができる動物園やサファリパークがあります。しかし、アフリカのサファリやサファリパークでは、より自然に近い状態でライオンを見ることができます。

以下に、ライオンに会うことができるおすすめのスポットをご紹介します。アフリカのサファリ
ケニア:マサイマラ国立保護区、セレンゲティ国立公園、ナクル湖国立公園
タンザニア:セレンゲティ国立公園、ンゴロンゴロ保全区、アルーシャ国立公園
南アフリカ:クルーガー国立公園、サビ・サンデュス国立公園、マプマプ国立公園
日本の動物園やサファリパーク
旭山動物園(北海道)
よこはま動物園ズーラシア(神奈川県)
上野動物園(東京都)
多摩動物公園(東京都)
東武動物公園(埼玉県)
富士サファリパーク(静岡県)
伊豆アニマルキングダム(静岡県)


ご自身の興味や予算に合わせて、最適なスポットを選んでみてください。

Bardの回答

前半はアフリカに行くことをおすすめされましたが、後半はちゃんと日本国内の動物園を紹介しています。これはGoogleが位置情報を取得しているからこそできる技ですね。

2. Bardの頭がよくなった

AIでいろいろ試す人の間では「BardってChatGPTに比べるとアホだよね」という感想が多かったのですが、今回のアップデートでは頭を良くしたらしいです。

実際さきほどのライオンの舌を認識するところや、アフリカのライオンに会うために日本国内の動物園をおすすめするところなどもかなり頭いいですし「近くでラーメンが食べたい」などAIがウソをつきやすい質問をしても、しっかり実在する店舗を教えてくれます。

また、会話できるというチャットベースAIの特徴もちゃんと活きており、ラーメン屋の一覧を見せてもらった後「とんこつがいいな」などと注文をつけるととんこつラーメンの店だけをピックアップしてくれます。
(ガチで近所のラーメン屋が出たのでスクショ無しです!)

音声入力もできるわけですから「頭いい!」と言っていいですよね。チャットベースAIに慣れていないユーザーでも、これだけ検索に近い体験ができるならとっつきやすそうです。

また「Bard」の出力に要望をつける機能も追加されました。次の5つの要望ならマウス操作だけでぽちぽちっと指示できます。

文章を書き換える
  1. 短くする

  2. 長くする

  3. シンプルにする

  4. カジュアルな表現にする

  5. 専門的な表現にする

Bardにはシェア機能があり、これまたクリック操作だけでドキュメントやメールを作成できるため、もう少し頭が良くなってくれればメールや文書の内容は一撃で作ってくれるかもしれませんね。

3. ボタンひとつで検索し直せる機能が追加

「Bard」の頭がよくなったとはいえ、まだまだAIはナチュラルにウソをつく存在なので解答を100%信じることはできません。概要はAIに聞いて、細かいことはGoogleで調べるという工程はしばらくなくならないでしょう。

そうした状況をGoogleも知っているのでしょう「Bard」の回答の下には「G」のボタンがついており、ボタンを押すと「Bard」とのやりとりを一旦終了して通常のGoogle検索を始めることができます。

これもやはり、ボタンがあるというのが地味に便利です。

4. 会話履歴を共有できるしさらに続けられる

「Bard」での会話の内容を共有できるようになりました。日常生活ではあまり利用シーンは思いつきませんが「Bard」を使うのが上手い人の会話履歴を送ってもらって使い方の研究をしたい際は便利そうです。

また、ChatGPTと違って、共有した会話の続きを生成できるようにもなりました。AIとの会話を途中から共有するとなにが便利なのかまだ想像がつきませんが、面白い使い方ができるといいなと期待しています。

日本で未実装の新機能Bard Extensions

Bard Extensions

日本ではまだ実装されていませんが、GメールやGoogleドライブと「Bard」が連携する「Bard Extensions」の機能も話題になっています。

かんたんにいうと、GメールやGoogleドキュメント上で「Bard」が使えるようになり、さらにそれぞれのデータにアクセスすることも可能になるというものです。

たとえば、Gメールの作成中に「Bard」を呼び出し、「ドライブから議事録を探してその要約を載せて」などと指示するとAIがメールを書いてくれるというのです。これまでのアップデートの傾向的に、2ヶ月後くらいに使えるようになるんじゃないかなーと勝手に思っています。

ちなみに、19日の「Bard」のアップデートの影響か、ChatGPTとMicrosoftにも動きがありました。

ChatGPTを提供するOpenAIからは、会話型の画像生成AI Dall-E3の情報が。

それを支援するMicrosoftからは、Microsoft OfficeのCopilot機能の情報が出ました。

いちユーザーとしては、早くどちらも公開されて使ってみて、便利な方に使い慣れておきたいです。

弊社では、ChatGPTを事業に活かしたい、使い方を相談したいなどのご相談を受け付けております。下記メールアドレスまでお気軽にご相談ください。

株式会社VERSAROC
ライター/プロンプトエンジニア
小橋川 遥(コバシガワ ハルカ)
haruka_kobashigawa@versaroc.co.jp

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