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バリ島は死にかけている

どうも、ベロニカです(@verodesu)。

去年の5月に、5〜6年ぶりに久々にバリ島を訪れた。忘れられた3年と言われるコロナ禍もあったため、数年訪問出来なかったバリ島をとても楽しみにしていた。

初めてこの島に来た時、タクシーに乗り、ドライバーとの会話が楽しすぎて彼の笑顔をいまだに忘れそうにない。この人だけかと思っていたら、島の全ての人たちが同じような、愉快で親切な人たちばかり。みんなの笑顔が私にとって最高の癒しになった。特にラマダン(断食)が始まったばかりのジャカルタのピリピリした雰囲気を味わった後、このさりげない親切さが嵐の後の晴天のように気持ちよかった。


バビグリンつまり豚の丸焼きのローカルなお店


バリ島のローカルB級グルメであるバビグリン。
この島を訪れるときに、必ず食べる最高に美味しい逸品で、みんなにすごい推しているw


最も有名なクタビーチに着いて、チェックインして、友達とローカルフードを食べたあと、飲みに出かけて、どこへ行ってもこの気持ちは変わらぬままだった。

バリ島の人たちを初め、バリ島の自然やご飯や全体的な雰囲気が最高すぎた。



もしも地上にパラダイスがあるなら、このバリ島に違いない。

と思わせるほどだった。


バリ島はサーフィンの聖地として有名。
そしてこの島の夕日が神々しい。


クタビーチが賑やかすぎたから、東岸のビーチも、ウブドの寺院たちも、そして在住の友達が住んでいる中心地からちょっと離れたローカルな場所もとても満喫した。

そんな中で出国の日が近づいた。そして私の心の中では、この島をまた訪れるのがすでに決まっていた。


棚田で有名なウブド


そして、2023年がやってきた。

この最後の2年間ぐらいは、コロナの規制が国によって違っていたのに関わらず、ずっと旅をしていた私がいる。2023年に入って、ケニア→日本→タイというコースを旅していた。東南アジアでやられたpm2.5から逃げるために、次はまだ行ったことのないネパールに行こうと考えていたけれど、ネパールの空気よりバリ島のは遥かに綺麗だったので、迷わず久々にバリ島に行くことにした。

バリ島がどれだけ変わってきたかは当時は思ったりもしなかったが。


曇っていても夕日が最高に美しい。


説明しづらいけど、なんだか違うように感じた。

そして気づいた。

とにかく人が多い。オーストラリア人とロシア人が最も多かったけど、人数が半端なかった。ロシア戦争もそうだけど、長年鎖国していたオーストラリアがやっと国境をオープンしたため、ずっと旅行に行けなかった人たちが一気に、近くにあるみんなの大好きなバリ島にやってきた。マジで、オーストラリアの人口の半分ぐらいがバリ島を訪れているかと思わせられるほどだった。特にビーチを訪れると、人混みを実感する。

仕方がないので、しょうがないか、となる。
しかし、それより驚いたのは別のことだった・・・


ラフティングがすっごく楽しかった


地域にもよるけど、ローカルなお店や屋台を探すのが大変だった上、レストランまたはカフェに入ってみたら、インドネシア人の接客が妙に変わっていた。東南アジアらしくなく、どっちかというと、アメリカとかオーストラリアっぽい。ご飯が届いて食べ始めると、再びスタッフがやってきて「お味はいかがですか」と尋ねてくる。は?食べている最中なんですけど・・・と思いながら、マナーがいいからちゃんと答えたが・・・

あまりにも、こういうお店が多すぎて、他の国に行っても、オーストラリア人がやっているお店だとお皿を見て秒速でわかるようになった。

量がえげつないけど、味的にはまあまあ。


ナシゴレン
バリ島はローカルフードが一番!


しかも、追加で何か頼もうとしていたら、スタッフ一人もいないし、お会計をしたくてもスタッフを捕まらない。要らない時に一々くるのに、必要としている時は兎に角待つしかない、という不思議が起きていた。オーストラリアの接客の仕方が押し付けられている感じが半端ない。


海辺での焼きとうもろこしが素晴らしいスナックだ。


次、食べ物の量。

それはまた新しいストーリー。

欧米人が食う(この場合は食べるとは言えない)量が半端ない。一人じゃ食べきれる量ではない。絶対に。なのに、何人前かと思わせられるほどの一品で出てくるの。

ある夜、日本人男性二人と飲みに出かけた。最初足を運んだのは、子連れや年配の方が大好きなレギアンビーチ沿いにあるスポーツバーだった。喋って飲んでいたら、隣のテーブルにシーフード盛り合わせの超どでかいお皿が届いた。「これ何人ぐらいで食べるかな?」とふっと思ったら、まさか更に同じお皿何枚かが出てきて、え?一人で食うの?と3人共は驚いた。

別の日、コメダ珈琲ができたと知り、この大好きなチェイン展に足を運んだ。日本にあるコメダとの違いは、メニューが少ないけど、料理の量はやばい。一人じゃ食べきれなかった・・・勿体無い。

食いしん坊が喜ぶ量


それから、チャングービーチ。

コロナ前は棚田だらけの地域だったのに、現在は若者に人気である栄えているエリアになっている。こちらは、サーフィンが大好きな欧米人に、健康志向の人たちが集まり、カフェに行ってもクラブ音楽みたいなのが流れる。若者に人気な理由がお分かりのはずだ。


お茶テイスティングも楽しい


しかし、チャングービーチの上のエリアが現地の名義を借りてオーストラリア人に買い占めされ、棚田が消えるのは時間だけの問題だ。豊かなバリ島の自然がどんどん消えてゆくなんて、想像するだけで悲しい気持ちになる。現地の人も、ベロも。
コロナ前のバリ島と現在のバリ島は、あまりにも変わりすぎていて、人が増えすぎてる。


チャングビーチのおきにお気に入りのお店。
インド人が経営している小さなお店なんだけど、チキンロールなどがオカワリしたくなるほど美味い。オーナーもすごくいい人だ。


政府は、オーバーツーリズム問題で悩んでおり、バリ島以外の島に観光客を誘導するように努めようとしているそうだ。しかし、インドネシアには17,500以上の島で構成されている。なのに、ほとんどの人たちはバリ島しか訪れない。

あんなに小さな島なのにあの人数でよく沈んでないと当時思った。来客制限になるというニュースが報道されるほどだった。その半年後は、他の島への誘導となると報道されたが、政府にとってバリ島オーバーツーリズム問題は、解決しないと行けないことに直面しているのは事実。


レギアンビーチで見つけた屋台街が心に沁みた。


ベロニカは、以上のことで久々に訪れたバリ島で違和感を感じたから、仲良くなったインドネシア人とバリ島在住者に、この違和感について話してみたら、全員揃ってベロと同感していた。オーストラリア人とロシア人への思いや、オーバーツーリズム問題や、目の前で消えてゆく大自然などでね。

バリ島人の自然への熱い思いが未だに大好きで尊敬しているので、部外者の私なら余計なお世話かもしれないが、バリ島の良さになくなってほしくない。


観光地じゃない棚田が消える前に訪れたい気持ちと、また行ったら観光客が行かないような地域だけに行くか、オーストラリアのプチ植民地になる前に行くか、敢えてバリ島ではなくて他の島へ行くか、と今悩み混乱しているのは事実。

好きだから行きたいけど、オーバーツーリズムを考えると・・・


だから、どうしてもではない限り、バリ島以外の素敵なインドネシアの島に行ってみるのを検討してもらえませんか?



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