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夏目漱石『こころ』の感想

このnoteで書いた詳細感想文です。

途中まではそのまま読めます。
5月末までは100ポイントにしているので、この前のキャンペーンでnoteポイントが当たって、まだ残っているという方は読んでいただけたら嬉しいです。


⚠️授業などで飛ばし飛ばし読んでるので序盤でもめちゃくちゃネタバレします。ご注意ください。

2月16日

先生と私は海で出会った。出会いが夏だったというのが意外で、こんなのだったっけと思いながら読んだ。

まず冒頭4ページにある“よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。”という言葉に、まだ出てきていない登場人物Kとの対比を感じた。

今日読んだ範囲の全体を通して、私の先生に対する気持ちの大きさがよくわかる。

“その時分の私は先生とよほど懇意になったつもりでいたので、先生からもう少し濃かな言葉を予期して掛ったのである。それでこの物足りない返事が少し私の自信を傷めた。”

18ページ


読んでいると眠くなってくるというか、海での場面が長く感じて、過去の私が途中で諦めた理由が少しわかった気がした。私の中でいうとずっと玉ねぎのみじん切りをしている感じかな。

2月17日

先生は月に一度友人(恐らくK)の墓参りをしている。ある程度話はわかってるから理解はしやすいかも。

度々出てくる「私は淋しい人間です」という言葉が印象深い。
過去に読んだ『人間失格』の主人公もだけど、どこか陰があって相手にだけ自分を見せてくれていると感じさせる人は、他人から見て魅力的にうつるんだなと思った。

2月18日

42ページのこの部分を読んでいると、いよわさんの『無辜のあなた』にめちゃくちゃ似てるなと思った。

“子供はいつまで経ったってできっこないよ」と先生がいった。
 奥さんは黙っていた。「なぜです」と私が代りに聞いた時先生は「天罰だからさ」といって高く笑った。”

どちらの投稿が先になるかわからないけれど、ちょうど今『無辜のあなた』の考察を書いているから余計にそう思うのかも。先生=俺、静(先生の奥さん)=ムコちゃん、K=マキリちゃんみたいに思えた。
(追記:『無辜のあなた』のnoteあります。よかったら。)


先生は別に浮気したわけではないけど、自罰的な態度からそう思わされる。

2月19日

61ページの「恋は罪悪ですよ」が特に印象に残った。
改めて『無辜のあなた』だなと思ったし、いよわさんっぽいなと思うところが多い。(恋、呪いetc.)
いよわさんって夏目漱石読んで影響受けたりしてないのかな。前に読んだ『夢十夜』でも似たようなことを思った。


昔ツイートで『1000年生きてる』の歌詞にあるオクシモロンはデレステから学んだって言ってたけど、あの人の文章センスがどこから来ているのか知りたい。

2月20日

先生が家を留守にすることになり、近頃泥棒が多いことから私が家の留守を任され、奥さんと2人で会話していた。
ようやくKらしき人物が奥さんの口から出てくる。
奥さんも先生の変わりようのはっきりした原因がわからず、涙を溜めて私に打ち明けていた。その姿が『無辜のあなた』と重なった。

“奥さんは私の頭脳に訴える代りに、私の心臓を動かし始めた。”

91ページ

「私、一番が良かった。」
涙と血がともに流れたような夜に 
かすかなささやき声が
俺の理性をけとばした ロマンの欠片もなくなったのに
君の顔は なんで 満ち足りてるんだろう

心臓にまた血がめぐった 2つ目は俺のすぐそばにあったよ
願う 騙す心で真に
今こそ最終回にしたい もうどこにも行けないから

『無辜のあなた』歌詞


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