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「怖さ」を乗り越えて、次なる目標の「法人の右腕」へー【#fellows Vol.1】3期生:青山晃広

「この体験をした自分が想像できなかったから飛び込んだ」。

そう自身の経験を振り返るのは、今年VENTURE FOR JAPAN(以下VFJ)を3期生として卒業し、株式会社クリエスタを創業した青山晃広(あおやまあきひろ)さんです。

#fellows第1回は、数ある選択肢の中から最も未知であったVFJに飛び込んだ青山さん。VFJ時代には就職先で別会社の社長を務めるなど、一際濃密な経験をした彼は、VFJでの日々をどのように振り返るのかー

インタビュアーはVFJ4期生のFunaが担当いたします。

どうなるか想像できない、だから面白いと感じた

ーはじめにVFJは、どのようなきっかけで知ったのでしょうか。
僕の場合はおそらくめっちゃレアケースで、検索して見つけました。

ー検索して見つけるって、当時だと珍しいですよね。
確かにそうかもしれないです。僕の場合、「地域 起業」のようなワードで調べていて。そこでVFJを見つけて、面白そうだったので連絡をしてみました。その後、事務局の方にお話を聞かせていただき色々な会社さんの説明を受けました。

ーやっぱり珍しいルートですね
多分、自分で調べることが好きなんですよね(笑)
VFJの同期は、誰かから紹介されたり、東北にゆかりがある人が多かったので、僕の場合は少し特殊なルートでした。

ー3期生としてVFJに加入される上で、迷いはなかったのでしょうか。
迷いは正直すごくありました。実は大学、大学院時代を合わせて3回就活をしていて、さまざまな選択肢を考えていました。大学院では、必ずしもベンチャーに飛び込む人ばかりではなくて。大手企業に入る方もいて、僕自身もそうしたルートも視野に入れていました。

他にも、地域おこし協力隊でも短期体験をしたことがあり、大学院を休学していた時はすでに個人事業主としての活動もしていたので、合わせると4つくらいの選択肢がありました。

九州工業大学大学院を卒業後、VENTURE FOR JAPAN(VFJ)に3期生として参画。VFJにて福島県に本社を構える株式会社トラストワンに入社。新規事業立ち上げや別会社の代表を担当した後、VFJ卒業後は株式会社クリエスタを創業し、代表取締役を務める。

ーそれでも、最終的にはVFJを選ばれましたね。
一番未来が見えなかったので(笑)

僕は学生時代に旅をしていたことがあるのですが、その時とてもワクワクしていたんですよね。それで「自分は何に対して自分がワクワクしているのだろう」と考えた時、体験した自分がどうなったか、この体験をした自分がどうなっているのか分からない時にワクワクするということに気づきました。

その意味では、大手の会社さんや地域おこし協力隊にも知り合いやOBがいて、自分がどうなるかは大体想像ができました。ですが、VFJはまだ1期生も卒業していませんでしたし、VFJに参画してどうなるかが見えなかったので「面白そうだな」と。

ーまさに好奇心の赴くままに、という感じがします。
VFJに限らず、元々やったことがないことに興味がありました。旅をしたり、フルマラソンに挑戦したり、コワーキングスペースでインターンをしたり、バケットリストのような「やってみたいこと」をやるのが好きなんですよね。そのなかでVFJに入って「どのような体験ができるのか」が想像できなかったので飛び込むことにしました。

ー実際にVFJに加入してみて、加入前後のギャップはありましたか?
ギャップは特になかったです。強いて言えば、やっぱり未知で、きちんと想定外のことしか起きなかったですね(笑)

良いギャップでいうと、事務局のメンバーのサポートが予想以上に手厚かったです。メンターの方にもお世話になりましたし、それからVFJの研修では錚々たるメンバーに来ていただいたり、改めて振り返ると想定外に贅沢なことが起こっていました。それから、別法人の代表になったこともありましたね。

ー別会社、きちんと想定外ですね。入社した会社ではどのようなことをやっていたのでしょうか。
株式会社トラストワンという、飲食店や商業施設の内装や家具、飲食店のテーブルやキッチンなどを作ったりしている会社に入社しました。そこでは、既存の事業の見積もりから営業資料の作成など、事業を推進していくために必要なあらゆることをやっていました。

それから、入社前から新規事業として「空気清浄機付きのテーブル」の立ち上げにもジョインしていて、入社後も営業やLP・PR動画作り、仕様書の作成などを半年間やっていました。気がついたらプロダクトについては一番詳しくなり、いつの間にか事業責任者のようになっていましたね。

株式会社トラストワン在籍時の様子

ーいつの間にか、ですか?
僕でもその辺りが曖昧で(笑)
打ち合わせでは議事録をとりながら話を進めていくのですが、そこを僕が担当していて。そこから毎回打ち合わせ終わりに、決まったことを共有したり、メンバーにタスクを振る側にまわっていました。そして気がついたらタスクを管理する側になって、責任者のような立場になっていったという…

ー「責任者だ」と言われたから責任者の仕事をするのではなく、その事業で一番詳しい人になっていると自然とリーダーのようになっていくということですね。そこから別法人の代表になった、と。
はい。先ほどお話しした事業の他にも、会社として社長と新しいビジネスを考えていて、その時はto C向けのDIYの動画配信事業を立ち上げることになりました。その責任者として、1年目から事業の立ち上げを行っていたのですが、タイミングをみて2年目の6月に法人の登記をし、以降社長として事業推進をしていました。

7月か8月くらいに体調を崩してしまって。法人設立から半年ほどで代表を退きましたが、構想期間を踏まえると1年目の11月から挑戦した事業の代表を結果的に退くことになったという感じです。

挑戦は、細分化すると意外と怖くない

ー2年目で代表の経験…相当な苦労もあったのかと思います。そこから得られたものを教えていただけませんか?
色々なことに動じなくなりましたね(笑)
自分の浮き沈みも含めて、酸いも甘いも経験をさせていただきました。だからこそ、今こうして起業という選択肢を取れているとも思います。この経験というのが、本当に大切なのではないかなと。

ーどのような経験だったのでしょうか。
別法人を立ち上げるにしても、どこから手をつければ良いのか、事業を成功させるために今やるべきことは何か、本当にわからないことだらけです。
そんな時に、怖さを最小単位まで分解していけば怖くないことに気づきました。

一つひとつの行動レベルまでやるべきことを最小化すれば、実はそんなに難しいことではないですし、それだったら自分でもできるな、と。こうした経験は、現在法人を設立する時にもかなり役に立っています。

ー「やったことがあるから出来る」というのは、重要な視点ですね。ちなみに、VFJ生として会社に入社して、心に残ったこと・テンションが上がったことはありますか?
やはり「代表をやってみない?」とお話をいただいたことですね。
責任を持たないといけないというプレッシャーはありましたが、ある意味信用されていたからではないかと思っていて、率直にそれは嬉しかったです。それから、自分で営業資料を作って、案件を獲得できたり、商品が売れたりした時も同じようにテンションが上がりました。

ー任されるということは、責任というプレッシャーも伴いますよね。
そうですね。VFJに参画してよかったこととしては、まさにそういう経験をさせてもらえたことです。自分の浮き沈みを含めて、今、僕は起業の道を選ぶことができたのだと思います。

ーまさにVFJならではの経験だと思います。
別法人をやっている時も、正直「会社を立てる」ってどういうことなんだろう、と、右も左も分からないわけです。その都度色々な人に聞いていて。社長からは、細かいところですが法人登記日も、縁起を担ぐために最強開運日にするとか、神社でご祈祷をしてもらうとかを教えてもらいました。

だからこそ、自分が法人を立ち上げる時には「何をすれば良いか」が全部分かりました。それはVFJで得た経験として、とても大きいなと思います。

ー今のお話、めっちゃ刺さりました。プロセスを知っているのとそうでないのでは一歩目を踏み出せるかに大きく響いていると感じます。
一回目に失敗したからこそ、今に活きていることはたくさんありますね。怖さにどう対処すれば良いかが分かってきた、というか。

ー経験したからこその言葉ですね!少し話題が変わるかもしれませんが、そんな青山さんが仕事をする上で心がけていることが気になります。
「定量的に目標値を設ける」「それに対して大きい期日と小さい期日を設ける」「誰かしらに言う」などでしょうか。

会議をしていると、「次回までにOOを考えましょう」という終わり方がありますよね。次のミーティングまでにやることを共有したり。それ自体は良いことだと思います。ですが、どの粒度で考えてくれば良いのかを決めておかないと、次のミーティングで結果を共有する際に、それぞれが考えてきた粒度がバラバラで話が混乱してしまいます。

なるべく定量的に、誰にでもわかるようなタスクにすることを心がけていました。「OOを考えてくる」ではなく、第三者がみてもわかるように「何個」とか「どのくらい」など、定量的に明確にした上で考えられるようにしていました。全体的なスケジュールを決めて、個別のタスクをいつまでに終わらせるかも、メンバーとの共通認識を持つ上で気をつけていました。

ーその上で、「誰かしらに言う」と。
僕は結構怠け者なので(笑)
自分のやるべきことから逃げられなくするために伝えていました。人に「ここまで達成します!」と伝えることで、達成していないと信頼を失ってしまうというプレッシャーを自分に与えて、やるべきことをきちんと達成できるようにしています。

ーなるほど、僕も面倒くさがりで怠け者なので気持ちわかります(笑)
それをしないと、その人の信用を全て失うことにつながってしまいますし、きちんとやり切るためにも、今も当時も周りに公言するようにしていました。

ー定量的に目標を立て、スケジュールを引いて、やり切るために公言する。僕も改めて肝に銘じます…。

新規事業には、クリエイティブが必要だ

ーここまで色々とお伺いしてきましたが、VFJを卒業された青山さんの今後のキャリアについて教えてください。
株式会社クリエスタという会社を立ち上げ、これから新規事業を展開していこうと思っています。
クリエスタは、動画制作やWebページ制作、SNSマーケティングなどクリエイティブを中心とした分野に精通しているメンバーが集まった組織で、僕らの強みであるクリエイティブを活かして、新規事業を考えている企業さんのクリエイティブ面でのサポートをしていきます。
僕自身VFJに入って、新規事業を立ち上げたいと思った時に、プロダクトをつくるためのクリエイティブが必要だと思いました。そこで、アイディアはあるけど実装に移せない、そういう方々の事業のアイディアを実装していくためのクリエイティブパートナーをやっていきたいと思っています。

株式会社クリエスタ代表の青山さんは写真中央

ー「クリエイティブパートナー」とは、アイディアを形にするためのサポートということでしょうか
営業資料や会社説明資料、銀行さんに持っていく提案資料なども、クリエイティブの一つだと考えています。デザインが入っていない状態で作るより、視覚的にも作り込むことで受け取り手にも与える影響が変わってくると思います。

僕は、新規事業にはクリエイティブが必要だと思っているのですが、ワクワクするアイディアを形にしていく上で、実装に移すことの難しさを自身で起業したり、周りの方々を見ていて実感しました。だからこそ、企業がクリエイティブで抱えている課題を、僕らが伴走する形で事業創りのサポートをしていきたいと考えています。

ーまさに「法人の右腕」のような存在ですね
そうですね。本当にそれに近いと思います。僕も0→1のフェーズが好きで、その時の社長さんの頭にしかないものを形にして出していく。ニーズの検証をして、そのアイディアを実装していくためにどうすれば良いかを考えられる存在になりたいです。

例えば、先日地場企業の経営者と"ワンチーム"で事業を推進するクリエイティブパートナーとして、「ワンチーム」と言うサービスを立ち上げました。「ワンチーム」では、新規事業立ち上げの伴走支援サービスとして、上流工程から下流工程まで事業全体を推し進めるお手伝いをしていきます。

新規事業の立ち上げは、計画通りにいくことは稀です。そのため、制作会社に依頼した後で計画が変わってしまうと、その分のコストが膨らんでしまいます。だからこそ、変化を前提として、単にスポットでノウハウを提供するのではなく、事業チームの一員としてWEBやSNSに詳しいプロが知識と経験を活かし、経営者が直面する課題や悩みに伴走する「法人の右腕」として、共に解決策を探していきたいと思っています。

VFJに飛び込むか迷っている方へ

ー最後に、VFJに飛び込むかどうか迷っている方にメッセージをお願いします。
そうですね。まずは、僕はVFJに入って後悔はないということをお伝えしたいです。本当に入って良かったし、確実にこの二年がなかったら今の僕はなかったと思います。ただ一方で苦しいこともたくさんありました。新卒で経営者の近くで働くということは、当然ですが苦しい経験もたくさんあります。

ですが、それでも僕は、自分の人生をより良くしたいならVFJに挑戦する選択肢もありだと思います。

インタビュアー・執筆:VFJ4期生 Funa


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