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ZC33Sスイフトスポーツで多発する、ある日突然ステアリングがブルブル震える現象。その可視化と原因追求!

初期型のZC33Sスイフトスポーツに乗っているオーナーから
こんな質問が届きました。
「昨日の夜の車庫入れまで全く正常だったのですが
今朝一番のエンジン始動でチョークが効いた1000回転を超えると
ハンドルにかなりな振動が出ました。
水温が上がっても1000~2500あたりまでずっと出ます。
エンジンルームを覗いても異常な振動はしていないようです。
サブディーラーに見せても、わからないと言われました。
多くのスイスポを見てきた社長の扱いで
そのような事象はなかったでしょうか? 
エンジンの揺れ具合を見るとマウントではないように思うにのですが。」

ん~、なんなんでしょうね・・・。

ハンドルに伝わる振動。

ZN6やZC6だとステアリングシャフトのアレが砕けたりしますが
ZC33Sだと、まだそう言った事例は見受けられていません。

まずはどれくらいの振動なのか診て見ない事には・・・。
という事で、石川県金沢市より入庫!

他県からの入庫は我々ビークルフィールドにとっては日常茶飯事です。

エンジンを掛けて診ると確かにハンドルに振動があります・・・。

ん~・・・見えませんよね。

こうして診ました。

https://www.vehiclefield.com/cwp/wp-content/uploads/2024/05/Hamon.mp4

クリアなペットボトルに緑のLLCを入れてハンドルに当て
その波紋の発症具合を見て行きます。

常に内部から波紋が発生し
外周に向って流れてくるのが見て取れると思います。
手で握ると結構な勢いの振動ですね。

昨日まで正常だったのが、次の日、急に発症したという事で
いきなりマウント類がぶっ千切れることもないだろうと
エンジンマウント側では無いと思うと言うオーナーの意見に同意し
点火関連からチェックを始めました。

ダイレクトイグニッションコイルのanalyzerを使い
1番から順にチェックしますと

ん?1番、おかしい・・・?

2次コイル側でも1番だけ数値が立ってます。

ノイズも1番だけ大きいです。
ただ、ドエル時間とかは、結構そろってまして

電圧のオシロも

まあ、普通かな・・・。

プラグとコイルの1番と2番を入れ替えて診ました。

結果はやはり1番がおかしい・・・。

1番シリンダー、逝ってる?

プラグ外して圧縮測定をして診ましたが
数値は1~4番まで綺麗に揃ってます。

プラグの焼け具合を見ても
1番だけ逝ってるって感じは見受けられません。

コイルカプラーの接触不良?

端子を新品に入れ替えてテストしましたが

変化無し。

直噴インジェクターのバラつきで
燃焼具合が1番だけ濃いの薄いのか・・・。

インジェクター交換するとなると少々敷居があがるので
ちょっと別方向からのアプローチも検討しつつ
もう一度エンジンルームを眺めます。

ん?

あれ??

これって・・・。

その部品を交換しますと

https://www.vehiclefield.com/cwp/wp-content/uploads/2024/05/NonHAMON.mp4

波紋が消えてる!

思い込みと言うのは良くありませんね。

トラブルシューティングをする際は
常に頭の中をフラットにしておかないといけない・・・
と再認識です。

その交換した部品とは?

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