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私とうまく付き合うために

4年に1度の特別な日を何事もなく(やや慌ただしく)終え、無事に3月を迎えることができそうだ。毎年のことながら、この時期の駆け抜けるようなスピード感に、心も体も少々お疲れモード。

こういう慌ただしい時期になると、いつもお腹の調子が悪くなり、加えて不眠もひょっこり顔を出すからたまらない。気分としてはそんなに浮き沈みがないのに、体だけどんどん不健康になるというジレンマである。
どうしてもの時だけ駆け込むクリニックの主治医からは「体質だから仕方ないですね」とそよ風のようなトーンで言われた。

私の主治医はいつもそよ風のように喋る。
今回は好きな食べ物を聞かれて「豆腐が好きです」と答えたら「あぁそれは良い。健康ですね」と褒められた。
病院で、健康ですねと褒められる違和感といったら。

そんな優しくて温かい主治医なのだけど、何かと胃カメラを飲ませようとするのでそこだけは気が抜けない。今回は無事に免れてホッと一息。
大量にもらった胃薬や整腸剤を小脇に抱えて帰ってきた。
腸が元気になると、よく眠れて心も元気になるらしい。
そして私の場合は、大きな病気ではなく体質的なものとのこと。

この『体質的なもの』というのがなかなか厄介だなと思う。
持って生まれた体質、といえばその通りなのだけど、自分の中での当たり前すぎて、他の人とは違うなんて考えたこともなかった。

例えば末端冷え性にしても、私の場合ちょっと寒い所に行くと爪が紫色になって、どんどん体から熱が奪われていく。けれど、手の温かい祖母や恋人は冷水で手を洗っても、手の芯は温かいままなのだ。
触って初めて違いに気づき、お互いに驚いた。
私が寒い寒いと震えるのをオーバーだと感じていた祖母にとっては、相当の衝撃だったのか、以降は何かにつけて寒くないかと気遣ってくれるようになった。

私にとってはそれが当たり前で、我慢しなければならないことという認識だった。そして胃腸の不調についても同じ認識で、すぐに調子が悪くなるものと思い込んでいた。こうやって、時々メンテナンスを行うとか、薬に頼るとか、そういう選択肢を選んでいいと気づけたのは随分後になってからのことだ。

鈍くて気づけないけれど、体質的に弱い所がある。
そしてそれは、今みたいな季節の変わり目やストレスの多い時期に現れて、諸々が落ち着くと、嘘みたいに消えてしまう。
少々厄介な体だけどこの体にうまれた以上、上手に付き合っていこうと思う。しばらくは主治医に褒められたお豆腐中心の生活もいいかもしれない。

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