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超コスパ正統派リバーブサウンドを手に入れろ――Fender Hammertone Reverbレビュー

私としては珍しく、正統派リバーブを一台入手しました。

Fender Hammertone Reverbです。

公式ECサイトで11,000円、実売9,000円程度でしょうか。
破格の安さですがさすがのフェンダー。
かなり水準が高くて使いやすいリバーブを出してきました。


ちなみに、今回の購入の動機は、妻のEWI Soloで音の広がりを作り、ライブルーピング等々でサウンドをなじませよう、というものでした。

Dark Starとか、私が大好きな変態系はそういう使い方ができませんから……。

定番品になりそうな予感がするほどいい響きなHammertone Reverbですが、意外と詳細なレビューがないのでここに残しておこうと思います。


リバーブタイプは3種類

リバーブタイプは3種類で、

ホール(ホールの残響を模したもの)

ルーム(部屋の残響を模したもの。ホールより少しだけ複雑な響き、と私は感じます)

プレート(古き良きリバーブ、でっかい鉄板を使うプレートリバーブを模したもの。バーンって響き)

の3つです。

Fender公式には、

Hammertone™ Reverbは、Hall、RoomとMod という3つのクラシカルなリバーブエフェクトをもたらします。

https://www.fender.com/ja-JP/effects-pedals/time-based/hammertone-reverb/0234573000.html

ホール、ルーム、プレートの3つのリバーブサウンドを収録。

https://www.fender.com/ja-JP/effects-pedals/time-based/hammertone-reverb/0234573000.html

とあったりしますが、まぁー……

プレートですね。
揺れません。

個人的にはプレートがお気に入り。

しかし、こういうペダルのリバーブって、ホール、ルーム、スプリング、ってパターンが多いような気がするので、プレートリバーブを採用しているのは意外。

スプリングリバーブはアンプについてるでしょ?
欲しいならうちのアンプ買えば?

っていうフェンダーのメッセージかしら。


コントロール

上記タイプを変えるセレクターのほか、コントロールは、

リバーブの音量を変化させるLevel

残響の長さをコントロールするTime

高域の吸収率を上げるDamp(ing)

の3つのつまみと、

Dampに効き、減衰の仕方が変化するToneのセレクター

計3つまみ2セレクター。


ちなみにDampについては、リバーブ音の高域の減衰していく量を決められます。
ややこしいですが、残響音にだけ効くトーンと思っていただければ問題ないかと。
数字を上げれば音がこもる方に動くので、動作は逆ですが……。

あと、こもる方に動くとしましたが、モッコモコで使えない、というところまではいきません。

また、Toneセレクターの役割は非常にわかりにくいものになっています。

Dampのつまみ、最大・最小は、Toneセレクターがどちらになっていてもほとんど変わりないと感じます。

一方で、その中間地点では多少、違うかなぁー、って感じでなんともいえません。

ま、私の耳が悪いだけですけどね、きっと。

ちなみに、Level最大でもキルドライ(残響音だけ)にはなりません。
Time最大でも発振しません。


Hammertone Reverbの個性

Hammertone Reverbについて、ここまで「正統派」として記述してきましたが、まったくの無個性というわけではありません。

ポイントとなるのはDampのつまみで、最小にしておく(つまり、高域をカットしない設定)にするとかなりキラッとした成分が聞こえてきます。

しかし、これは人工的にオクターブ上の音を足していく「シマー」とは異なり、自然な倍音がそのままリバーブに乗っかっていく感じになります。

これは(特に低価格帯の中では)異色といってよいのではないでしょうか。

シマーっぽいけどそうじゃないキラキラ感が出せるので、うまく使うとシマーよりも帯域を埋め過ぎないちょうどいい塩梅のシューゲイズ・サウンドができるかな、と思いました。


DTM的にHammertone Reverbをみたら……

さて、最後にDTM的にこのリバーブをみたら、を書いておこうと思います。
あ、細かい話なんで、
リバーブなんて踏んだらバーンって広がればいいんだよ!
的な諸兄は読み飛ばしていただいて結構です。

私自身、どちらかといえば、ペダルのリバーブは個性的で存在感のあるエフェクティブなものが好きってタイプです……。

以下の細かいところはDAW等々でミックスの時に弄ればいいやっていうか。

重要になってくるのは、
①プリディレイ
②ローダンピング
の2つ
だと思います。

まず①プリディレイについて。

率直に言って、正確に何秒だ、とは言えません。
ともあれ、どこかの変態リバーブみたいにあからさまにわかるほど、残響が遅れて始まるというわけではもちろんありません。

また、プリディレイがゼロで原音にくっついてしまっていて原音が引っ込んでしまう、ということもありませんでした。

プリディレイはどんなBPMでも使いやすいように設定されていて、巧みだと思いますね。
さすがフェンダー、自分のとこのアンプに○○リバーブってつけてるだけある。

次に②ローダンピングについて。

これも公式には何の発表もないので正確なことは言えませんが、ある程度ローダンピングはされていると思います。

Dampのつまみ、すなわちハイダンピングをしっかり効かせても、モコモコとよくわからんリバーブにはなりません。

ベース(BASS VI)で使ってもいい塩梅の響きが広がります。

さすがフェンダー。


おわりに――ベースでもOKな超優等生低価格リバーブ

というわけでまとめると、ベースでもOKな超優等生低価格リバーブだといってよいかと思います。

少々分かりにくいコントロールがありますが(Toneセレクターとか)、それでも細かいことは気にせず思いっきり響かせられるリバーブですね。
それでいて、きちっと個性(シマーとは違うキラキラ感)をも主張しているので、うまくできています。

StrymonのBlue Skyとか、ああいうややこしいコントロールがいっぱい並んでいるわけではないのでリバーブ初心者も安心です。

ちなみに、EWI Soloをバッキングになじませたいという使い方は十分にこなせていて個人的にも大満足です。

そういう使い方をした動画も貼っておきますね、一応。


https://www.instagram.com/secondarybeatsandguitar/

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