マナリ

小説を書いてます。良ければ読んでみてください。

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最近の記事

【4回連載小説】通じる その後(2)

■ 11月になった。 結局、10月は理美さんとも直海ちゃんとも直接会えないまま過ぎた。 11月は、直海ちゃんの誕生月だという。 理美さんの強い要望で、直海ちゃんの誕生日は、浦安の夢の国で過ごす事にしているのだが、まだ、休めるのか、どうか、正直、ハッキリしていない。 仕事は、どんどん最悪の結果を招く事が現実的になってきている。 うちの営業局には、5部あるのだが、年末年始の特別企画の売上が、僕のいる三部がダントツでビリなのだ。 これには、佐伯部長も流石に機嫌が悪く、いつも朝早

    • 【4回連載小説】通じる その後(1)

      ■ 僕は、三沢さんと娘さんの直海ちゃんと、約束通りに映画を観に行った。 僕らの街には映画館がないので、僕が利用しているカーシェアの車で、近くのショッピングモールの映画館へ行き、ジブリ映画を観た。 朝イチの回で映画を観たので、映画館を出たら、お昼時だった。 僕らは、巨大なショッピングモールのフードコートで食事をする事にした。 たくさんの席は、どれも埋まっていたので、三沢さんとベビーカーの直海ちゃん、そして僕で、手分けして席を探した。 僕は、もうじき席を立ちそうな家族連れ

      • マナリです。いつもありがとうございます。今日から4回に分けて、「通じる」の続編「通じる その後」をアップしていきます。「通じる」をお読みいただいた方は勿論、そうでない方にもお楽しみいただければと存じます。何卒宜しくお願い致します。

        • 【10回連載小説】タケルとスミカ最終話(10)

          【電車で多摩川を越える】 「こんな午後早い時間に、帰る方の電車に乗るの、あんまないから、ビックリだね、空いてて。」 「でも、これ、各停だぜ。空いててもいいんじゃねえか?」 「別に、急いで帰る必要ないじゃん。」 「まあ、そうだけど。」 「もう、多摩川越えるよ。」 「意外に早えよな。多摩川まで。」 「だよねえ。多摩川越えたら、もううちらの駅だもんね。」 「座って、ゆっくり多摩川越えんの、スゲエ、久し振りな感じがする。」 「そうだねえ。いつもなら、川越える時、大体つり革もって、スマ

        【4回連載小説】通じる その後(2)

        • 【4回連載小説】通じる その後(1)

        • マナリです。いつもありがとうございます。今日から4回に分けて、「通じる」の続編「通じる その後」をアップしていきます。「通じる」をお読みいただいた方は勿論、そうでない方にもお楽しみいただければと存じます。何卒宜しくお願い致します。

        • 【10回連載小説】タケルとスミカ最終話(10)

          【10回連載小説】タケルとスミカ(9)

          「タケル、食べながらでいいんだけど、ちょっと、聞いて欲しい事がある。」 「何だよ?聞くだけ?」 「そう、聞くだけでいい。あのね、私のカテキョーのバイト先で一緒で、この大学の子が二人いるって、前に話したじゃん。」 「ああ、聞いた事あるな。二人とも文系だろう?」 「そう、ユミちゃんとミクちゃんって言うんだけど。二人がね、タケルがカッコいいって言ってんだよ。」 「カッコいいって?ヤバいじゃん。二人とも、可愛いんかなあ?」 「ユミちゃんは、美人だけどケバい。ミクちゃんは、どこにでもい

          【10回連載小説】タケルとスミカ(9)

          【10回連載小説】タケルとスミカ(8)

          【タケルとスミカ①】 「遅いよお。どんだけ、人を待たせるのよ!」 「ええ、だって、スミカ、第一って言ってたぜ。だから、第一で待ってたんだよ。」 「第一?私が第一って言ったって?そんな訳ないじゃん。私、第二のスーラータン麵が食べたかったんだもん。それに、私、口頭では言ってないよ。メールで言ったじゃん。」 「だから、そのメールで!第一って、言ってるよお。」 「ええ?見てみる。あっ、ホントだ。でもねえ、その後に、スーラータン麺食べたいって、書いてるじゃん。第一は、中華、やってないよ

          【10回連載小説】タケルとスミカ(8)

          【10回連載小説】タケルとスミカ(7)

          【それでもまだ続くスミカの6ターン目。タケルはどうなってしまうのか?】 ええ?それでも、ミクは、どうしても、タケルに告白りたいの? 困ったなあ。ええ、私?やっぱり、私がアンタの気持ちを伝えるの?タケルに? 荷が重いなあ… ホント、止めといた方がいいよ。 まあ、確かに、私だけがいつも、タケルのそばで、一緒だからねえ。 ミクも、ユミも、学部も違うし… まあ、いいわ、分かった。私が訊いてあげるよ、タケルに。 でもさあ、うまくいかなかったら、ごめんだよ。先に謝っとく。 ア

          【10回連載小説】タケルとスミカ(7)

          【10回連載小説】タケルとスミカ(6)

          【大方の期待を裏切るように、スミカの5ターン目:やはり女子トークは盛り上がりがちなのか…】 ええーーー‼ミクも、タケルの事、気になってんのお? 私に間に入れって? それ、困る。絶対にイヤだから。何でって、訊かれても… イヤなもんは、イヤなんだよ。 ホント、タケルは、止めた方がいいよ。絶対に後悔するから。それはマジで私が保証する。 何でって?さっきも言ったけど、ホント、アイツ、いい加減だし、ルーズだし、あっ、それって一緒の事か? カッコよくないって、マジで。近くにいてごら

          【10回連載小説】タケルとスミカ(6)

          【10回連載小説】タケルとスミカ(5)

          【やっとタケルの番だ!タケルの3ターン目】 止めてくれよ、マジで! ホントさ、ホント。ホントに俺とスミカは、何でもないのー! 確かにさあ、学校に来る時も一緒だし、授業も一緒だから、いっつも、一緒にいるイメージになっちゃうんだけどさあ。違うんだよ、違うの。 ホント、俺ら、何もないんだから。 スミカ、幼稚園の時から一緒だぜえ。どうして、俺がアイツ、口説くの? コンパでさあ、酔っ払っちゃってとか? ラブホに行くような雰囲気にするとか? そんなのできねえよ。第一、そんなん、ス

          【10回連載小説】タケルとスミカ(5)

          【10回連載小説】タケルとスミカ(4)

          【スミカの2ターン目】 ええ?羨ましいって? そんなん言われても、私ら、ずっとだからねえ、幼馴染みなの。 だから、スゴイ仲がいいとか、言われても、全然、ピンと来ないんだよねえ。 いいよ、代わってあげるよ。幼馴染みの役。 いや、代わってくれたら、私、楽なんだけどなあ、実際のとこ。 アイツ、スゴイウザいよ。ホントに。バカだし、単純だし、無神経だし。 イケメン? そうかなあ?私は、あんまり、そんな風に思わないけど… 確かに、背は高いよね。182㎝、あるんだ。体重はね

          【10回連載小説】タケルとスミカ(4)

          【10回連載小説】タケルとスミカ(3)

          【タケルの2ターン目】 スミカはさあ、もうちょっとちゃんと化粧とかすれば、いい女だと思うんだけどなあ。 惜しいよ、惜しい。いい線、いってるんだけどなあ。なんか、気にしなさすぎなんだよ。 勉強、ばっかりでさあ。遊ぼうともしないんだぜ。 アオハルの無駄遣いだと思うんだよ。もっと、楽しい事、すればいいのにって、いつも思う。 アイツはね、さっきも言ったように、幼稚園の年少の時から知ってるんだよ。 幼稚園ではさあ、モテモテだったんだぜ。同じ組のユウキってヤツと、チューリップ組のサト

          【10回連載小説】タケルとスミカ(3)

          【10回連載小説】タケルとスミカ(2)

          【スミカのターン①】 私さあ、なんかイヤなんだよねえ。腑に落ちないって言うか、納得できないって言うか… 何で、タケルが一緒の大学なんだよって、思っちゃう。 アイツ、勉強、まるでダメだったんだよ。ホントにバカで。 去年の夏から冬まで、ずっとアイツの勉強に付き合わされたんだよ。ホント、いい迷惑。 でもさあ、不思議と通っちゃったんだよねえ。私と同じ大学。しかも、同じ医学部。 アイツ、チャラ男だからイヤなんだよ。 野球部の時はさあ、1年下のマネージャーと付き合ってたとか、付き合っ

          【10回連載小説】タケルとスミカ(2)

          【10回連載小説】タケルとスミカ(1)

          【タケルのターン①】 俺さあ、我ながらよく頑張ったと思うんだよ。 何しろ、数学が赤点だらけだったのにさあ、受験の時には、読みが当たりまくったんだよなあ。 お陰で、難関の国立大学の医学部に晴れて合格! 今年の春から1年生だ。 いや、奇跡だよねえ。 俺、高校3年の夏前までは、野球一筋だったんだ。 ピッチャーでさあ、一応、エースだったんだよ。打つ方はダメだったから、ずっと9番だったけどね。 俺、左利きなんだ。 背も高いから、上から投げ下ろすと、俺のそんなに速くない球でも、振

          【10回連載小説】タケルとスミカ(1)

          マナリです。いつもありがとうございます。前に上げた「通じる」「プールの水は…」「海に風が吹くから」の三作が、実は自分でお気に入りなので、よろしければそれらも読んでいただけると嬉しいです。宜しくお願い致します。

          マナリです。いつもありがとうございます。前に上げた「通じる」「プールの水は…」「海に風が吹くから」の三作が、実は自分でお気に入りなので、よろしければそれらも読んでいただけると嬉しいです。宜しくお願い致します。

          【短編小説】夕涼み

          ■ 父の葬式の2週間後、僕は実家に帰った。 帰ったと言っても、帰省ではない。 会社を辞め、都会の暮らしを引き払ってきた。 新幹線を降りてからが長かった。 地下鉄や私鉄を乗り継ぎ、1時間近くかけて、やっと実家の最寄り駅に着いた。 そして、駅前で1時間に1本のバスを待った。 バスでまた、30分は走った。 バスを降りると、うちまでは歩いて15分だ。 今日の昼頃、引き払った武蔵小山のマンションを出た。 しかし、今はもう夜だ。 如何に夏至の頃と言っても、8時が近くなると、辺りは

          【短編小説】夕涼み

          【短編小説】寄り添う気持ち(後編)

          有料
          100

          【短編小説】寄り添う気持ち(後編)