アケビを食べるぞ!ただし実ではなく...

4月の中旬、アケビを取りに行ってきました。
アケビは一般的に秋ごろ熟す実を食べます。一説によると、熟すと実がパカッと割れる様から、開け実→アケビと呼ばれるようになったそうです。
しかしこのときは4月。春真っただ中で、当然実は成っていません。

アケビ フリー画像


じゃあ何しに行ったのかというと...…

これです!

これ!アケビの新芽です!


アケビは手のひらのように広がる5枚の楕円形の葉が特徴のツル植物で、河川敷から雑木林、さらには人里のフェンスにまで絡みついています。今回はまとまった数を確保したいので河川敷の群生地に来ました。
近い仲間に葉が3枚のミツバアケビ、アケビとミツバアケビの交雑種で5枚葉のゴヨウアケビがあり、全て食べられます。
アケビは成長するとツルが木質化して、カゴの素材になるくらい丈夫になるんですけど、春先の新芽は手で千切れるくらい柔らかいです。その柔らかい新芽を軽くつまんで、引っ張ったときに無理なく千切れる部分から摘み取っていきます。
1本1本はひょろひょろで長さも15㎝程度なので、根気よく数を集めていきましょう。結構な確率でアブラムシがついていますが、どうせよく洗うので気にしないでください。

アケビの花は、白に近い薄紫の花弁に濃い紫色の雄しべ。
ミツバアケビ、ゴヨウアケビは花全体が濃い紫色になるそうです。

こちらがアケビの花。アケビは自家受粉で実をつけることができないので、どこでも簡単に見つかるツルに対して、実を見る機会は少ないです。この辺は一面アケビだらけだったので期待大!また秋に来てみようと思います!

下処理

持ち帰ったらなるべく早く下処理をします。
と言ってもよく洗って、茹でて、水にさらしておくだけ。
茹で時間は1分も必要ないくらいだと思います。僕は2分くらい茹でたんですけど、はっきり言って失敗でした。
水にさらす時間は人によって1時間~半日と好みがあるようです。長くさらすほどえぐみが抜けて食べやすくなりますが、特有の風味も薄くなります。
僕は寝る前にさらしておいて翌朝に食べたので、これもさらしすぎだと思われます。
ちなみに茹でてる最中は緑茶の香りがしました。ちょっとテンションあがった。ゆで汁も濃い緑色。来年は乾燥させた新芽でお茶を作るのも面白いかもしれません。

調理

アケビの新芽は一般的に巣ごもりという食べ方をするそうです。鳥の巣に見立てた野菜の中央に卵黄を落とすというシンプルな料理です。粋な名前ですねぇ。
アケビの巣ごもりが好きな方はこれでご飯を何杯でもいけるそうです。

特に難しい工程もないのですんなりと完成。
めんつゆをかけていただきます!


実食

まずは新芽単体で食べてみます。外がふにゃっとしていますがこれはおそらく茹ですぎが原因。それでも中心にはコリっとした食感が残っていて、薄っすらと爽やかな苦みが来ます。これもさらす時間を短くすればもっと苦みを楽しめたんだろうなあ。
次に、卵黄を潰して新芽と絡めて食べてみます。
うん、卵とめんつゆの相性はバツグンやな!!!

正直な感想を言うとこれになってしまいます。それではあまり意味がないのでそれは一旦置いといて、確かにアケビのほろ苦さに卵黄のコクと甘さがよく合います。食感もいいアクセントになっていて、間違いなくご飯が進む味です。それでも卵黄とめんつゆのタッグが強すぎるので、やはりこの料理を楽しむなら、アケビの苦みはある程度残したほうが良さそうです。


総括すると…

秋になる実のイメージが強いアケビですが、その新芽も山菜として美味しくいただけることが分かりました。群生地を見つけると効率がいいです。
食感と風味を生かすなら茹ですぎ、さらしすぎには要注意。


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