ココロランプ🕯💖創作童話です❢ごゆるりと。
ぼくはココロランプ。なのにココロに灯がつかない。ココロが空っぽだから?
ココロランプはランプ型で丸く、ココロによって反応するランプを体の中心に持っている生き物。足はころんと二本あって、自由に世界を移動する。
そんなぼくは冷たい言葉しか言えない。だからランプが光らないのか?
泣いているうさぎねこを見つけました。気分がくさくさしていたけれど、ココロランプは話しかけました。
「どうしたの?」
うさぎねこは力無く首を横に振りました。うさぎねこの耳は片方がうさぎで片方がねこ。
尻尾はほとんどがねこで先がうさぎ。
「大切なうさぎねこの印を壊してしまったの」
「うさぎねこの印?」
「うさぎねこはうさぎであってねこでもあるというお守り」
「作られたものはいずれ壊れる。それが今かずっと先かということさ」
うさぎねこの大粒の涙がランプに落ちました。
ココロランプは震えました。
「君は悲しいの?ぼくもなんだか悲しい。なんだ?この目から溢れる水は」
ランプは泣きたくなるような深い青でひっそり光りました。
「分かったよ、悲しみって何か。泣いてもしょうがないとわかっていても少しも楽にならないこの気持ち」
うさぎねこは言いました。
「悲しみがとけるまで泣いているよ」
空を見上げると、ほほえみを浮かべているつきたいようがいました。ココロランプは聞きます。
「イイコトでもあったの?」
つきたいようは星をふりまきました。つきたいようは横半分が月で横半分がたいよう。
いつも星をおしゃれでつけている。
「月と太陽は出会えないと思ってた。でも、その月と太陽が巡り合ってできたのが自分なんだって」
「月と太陽が出会うわけないじゃないか。夜と昼、役が決まっててすれ違いなんだから」
つきたいようが下りて来て、ランプにつきたいようのくちびるが触れました。
ココロランプはため息をつきました。
「君は愛を知ったんだね。ぼくも愛を知った気がする。暖かい強さで誰かを守りたい・・・」
ランプは手をかざしたくなる暖炉の赤に力強く光りました。
「わかったよ、愛って何か。生まれて巡り会い確かにここにいる奇跡」
つきたいようは言いました。
「この幸せにたゆたっているよ」
しばらく歩くと甘い香りのする、さくらりんごがさくらをさわさわと揺らしていました。
ココロランプは尋ねました。
「今日は何か特別な日?」
さくらりんごは歯を見せて笑いました。さくらりんごは体がりんごで頭がさくら。りんごには大きな口がついていて、さくらは満開。お花見でも夜桜でもきれい。
「さくらりんごはね、必ず枯れるんだ。でも、土の中でさくらりんごの種ができて、また土の上に出るんだ」
「枯れたらあとは土に帰るだけだろ?きっともう二度とさくらりんごに戻れない」
さくらりんごがさくらを一振りすると、ひとひらのさくらがランプにつきました。そのさくらをかじると、甘いりんごの味がしました。
ココロランプの胸は高鳴りました。
「君は希望を持っているね。希望って負けたくなくなる」
ランプはまばゆい妖精の羽の純白に光りました。
「わかったよ、希望って何か。不安だって思う暗くなる心を照らすもの」
さくらりんごは言いました。
「こころゆくまで風に吹かれているよ」
ココロランプはしばらく歩きました。三回の出会いで、ぼくは変わったかな?ランプは光るようになったし、冷たい言葉はしまっておけるかな?
ぼくはココロであって、ランプでもある。
交わらない二つが出会ってできたもの。
一度消えてもまた生まれるもの。
悲しみと愛と希望か。
ココロランプが知った三色の光を重ねると、切ないココロ動かされる薄紫に光りました。
ココロランプはきっと誰のココロの中にもいるのです。
ぼくも灯がついて、もう立派なココロランプ。
薄紫は、ココロランプが見つけた運命の不思議の色。心が空っぽではなかった証拠なのでしょう。
Fin.
皆さまこんばんは😊🍦GW如何お過ごしでしょうか?
毎日仕事の方、家の仕事に休みは無いのよ~な方、GWは普段頑張っているご褒美だね〜な方。お疲れさまです✨
私はどっちでもない半端な感じですが😅🌟今日はのんびりYouTube観たり、ネットショッピングしたり、掃除したり。…THE、休日?🍻
皆さまの投稿を見て癒やされたり発見があったり感動したりしていました。ありがとうございます☕
この童話『ココロランプ』は、『空色の猫と特別サンド』と同時期ぐらいの作品なんですが…
なんか、青いなぁ🌸笑🥹
若さ爆発?今はこういうの多分書けないと思います笑
(『雨呼ぶ髪飾り』に似た文体だと前noteに書きましたがまた違う感じかな。)
皆さまのGWの端っこを少し面白く出来ていたら幸いですm(_ _)m🍵
仕事の方、休みの方、中間派の方、善いGWを❢🌼
ナッツカナッペでした〜♪
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?