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くもりぼん、リボンはなに色?☘️🏵️創作童話です。ごゆるりと。

くもりぼん、リボンはなに色?
           
 「さてさてきょうから、リボンさがし。どこの国にいこうかな」
くもりぼんは、空色のリボンをからだに巻きつけている雲のこどもです。


でも、リボンはお空の色とおんなじで目立たない空色。だから、5歳の誕生日に決心したのです。『目立つようになる!なるぞ!』と。今、身支度を整えて、雲ハウスを出ようとしています。



「ママ、パパ、行ってきま〜す!」
「いってらっしゃい!気をつけて」


 どこへ行こうか、体を空に任せながらくもりぼんは考えました。
「ん〜・・・かっこいい国。あっそうだ、えじぷと!」


くもりぼんは、お尻のしっぽをえじぷとに向けました。
「しゅっぱーつ!いざ、えじぷと!」
ピュー、ピュルピュー。


 えじぷとの天気は、晴れ。まぁ、くもはちょっとあるし、いいかとくもりぼんは思いました。そこにはくもりぼんが百個集まっても敵わなそうな、すふぃんくすがいました。とっても、こわそうです。


おっかなびっくり、くもりぼんは近づいていきます。
「あのう、リボンの呪文を・・・」
すふぃんくすは、ギロ、ギロリとにらんで低い声で言いました。
「変えればいいんだろう?『りぼんよりぼん、変われや変われ』、そいっ!」



びっくりしたくもりぼんはバチバチ光って、リボンが赤になりました。
「おれがいつも照らされている、太陽のレッドだ。目立っていい」
「あ、ありがとう」


太陽の赤いリボンを得意げに空へと飛ぶくもりぼん。すふぃんくすがニヤリと見上げていたことを知りません。残念。
「くもをてらす、赤。いいなぁ。お次は〜・・・にっぽん!」
ピュー、ピュッピュー。


 にっぽんの天気は雨のようです。ぬれてボワボワになっちゃう、と、くもりぼんはため息。でも、下にはタンクトップとショートパンツ姿の少年がいました。その少年が赤いりぼんをみつけて楽しそうなので、くもりぼんは少年にすいつきました。


「く、くすぐったいよう。へぇ、おまえ、くもりぼんっていうの?おれはユウシ。えっ?じゅもん?よし、『りぼんよりぼん、変われや変われ』、とりゃーっ」
ほんわかと光って、リボンは青色になりました。


「おれが憧れてる、サッカーの侍ブルー!なんかおまえに似合ってるよ」
「さむらい、ブルー?」
「そう、さむらいみたいにかっこいい特別な人の色さ」


くもりぼんは、うれしさと、こまった気持ち。
「でも、さいしょ、そらいろで・・・」


「そっか、最初は、空のそらいろだったのかぁ」
ユウシはシシシと笑い、こう言いました。
「それ、『個性』っていうんだぜ?色が濃くなった、それが『コセイ』。おまえがちょっと大人になったしるし。よかったな、くもりぼん!」


「コセイ?おとな・・・ありがとう、ユウシ!」
「おれのしょうらいも期待してくれよな!」
「うん、ユウシもさむらい、がんばって!」


そらいろが濃くなった、侍ブルーを身につけた誇らしげなくもりぼんが空に飛ぶと、ユウシはガッツポーズ。そうですね、コセイで目立つって、そういうことかもしれません。


まだ旅は続くのでしょうか?それは、くもりぼんのココロのお天気次第。



ブログ、ねころびパンケーキより。少しホッと出来たら幸いです。ナッツカナッペでしたm(_ _)m🍵✨




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