【ノベルゲーム感想】弟切草 70点
【魅力】
●音
サウンドノベルなだけあって音での表現がとても気に入りました
本作はBGMがない場面が結構あって一見手抜きに思われるけどそれが逆に音での表現を際立ててます
ドアを開ける音 車椅子の動く音 床がきしむ音などいろいろです
普段の何気ない状態で聞いても別に怖くないけど謎の屋敷に閉じ込められてさまざまな怪奇現象が起こってる状況なら話は別です
そういう些細な音でも怖さを表現することはできるのです
特に印象に残ったのが水の音ですね
ぴちょん ぴちょんと水の滴る音や水道から水の出る音やシャワーの音などです
水と恐怖は相性がよく主人公たちがシャワーを使うところも何か起こるんじゃないかって怖かったです
●雰囲気
古いノベルゲームとホラーは本当に相性いいなって思いました
SFCなので当然グラフィックはきれいではありません
でもその粗いグラフィックが逆に不気味な感じを表現できています
↑で書いた音とグラフィックそして地の文が合わさりとても怖い雰囲気を演出してます
次は一体どんな怪奇現象が起こるのか 一体どういうことなのか などプレイヤーの好奇心を刺激してくれます
そして先が気になってどんどん読み進めることができます
●グロ
動物や人間の生首 動物や人間の生肉などグロ描写が結構あります
イラストはなく地の文だけで描かれてるのでグロ耐性ない自分でも楽しめました
怪魚はイラストあるけど不気味でちょっと気持ち悪いだけで問題なかったです
【好きなシナリオ】
●テスト編
ぶっ飛んだ内容でグロ描写も合わさりかなり不気味な話でした
しかも普通のシナリオかと思ったらある仕掛けがあって笑いと驚きもありました
●シャドウ編
シャドウって影?って思ってたけど実際の心理学の用語にシャドウというのはあるみたいです
ゲームを通じてこういう知識を得るのは楽しいし忘れずに定着していいと思いました
【気になる点】
●マンネリ化する
10ものシナリオがあるけど変わるのは終盤の内容くらいで残りはあまり変わらないです
会話や過程がちょっと違うだけで一本道のシナリオなので5.6本目あたりになると流石に序盤から中盤の話が退屈に感じました
しかも古い作品なのでスキップ機能や早送り機能などなく手動でやらないとダメです
●ピンクの栞
ピンクの栞をゲットするには完全クリアする必要があります
エンディング画面が普通は「終」だけど完全クリアすると「完」に変わります
この「完」にするのがとても作業ゲーです
さっきも書いた通りスキップ機能や早送り機能もないし√も複雑なのでとても骨が折れます
それでラストのシナリオが苦労に見合う面白さなら多少は許せるけどあるシナリオの二番煎じ感があってちょっとがっかりしましたね
つまんなくはないしいい話ではあるけどわざわざ苦労してみるほどではないなとも思いました
【総合評価】
確かにいい作品ではあるけど自分がこれまでプレイしてきたノベルゲームに比べると見劣りします
でもそういう作品たちが本作を元にうまれたことを考えると功績は大きいと思います
功績補正抜きで本作の質だけを考えるならそこまでずば抜けてすごい作品ではないと思います
自分は功績云々よりもやっぱり作品そのものの質を評価したいのでこういう考えになりますね
決してつまんないわけではなくちゃんとホラー系ならではの良さもあるのでプレイするなら完全クリアを目指さないで普通にやるのをオススメします
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