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精神疾患の弟が社会復帰へ!~“受け取る”ことで起きたキセキ~【後半】

<前半の振り返り>
仕事も長続きせず、常識外と思える行動をする弟さんに、ご家族は不安な日々を送られていました。そして、GTOさんご自身も、母と弟との板挟みにあい、苦しい思いをしてきました。
後半では、ミロステクノロジーで、自分の内なる叫びとの関係性が理解できたことによる驚きのストーリーをお聴きしました。
どうぞ、ご覧ください!
《インタビュアー:宇崎明子 研究員 ライター:宇崎和雄 研究員》

~後半~
■弟の叫びは自分の叫びだった!
■苦痛から楽しみに変わる
■生活保護からの脱出!
■母と弟の関係性の変容
■同じ悩みを持つ方へメッセージ

前半はこちらから
https://note.com/vast_eagle460/n/n5f1abd44ba8d

■弟の叫びは自分の叫びだった!
ミロステクノロジーで視点を得たことで人や物の見方が変わり、夫婦の関係性はもちろん、私の見る世界も変わっていきました。
しかし、弟の状態だけはなかなか変わることはありませんでした。

そんなとき、ミロス カウンセリングという、講師と1対1のカリキュラムを受講するなかで
講師:「弟さんに何を感じますか?」
と聞かれた時に、思わず出た言葉が
私:「救われていない…」
でした。
講師:「救われていないのは、あなたなのでは?いまだ救われていないと感じている弟さんが、あなた自身なのですよ」
そう言ったのです。
私:「え!僕が救われていないって…どういうこと?今まで弟の話をさんざん聞いてきたし、アドバイスもしてきた。弟を救ってきたつもり…だったのか?」
私はどこかもやもやし、講師の言葉をなかなか受け入れることはできませんでしたが、妙にその言葉が強烈に印象に残っていました。

その日の夜、弟から連絡がありました。
彼はまた無茶苦茶な要望をしてきましたが、私はいつも通りに拒否しようとしたのですが、私の頭に過ぎったのは、講師のあの言葉でした。
不思議と、この日の弟に対して“なんとかしよう”という感覚はまったくなく、ただただ弟の話を聞き、ただただ受け取っていくことに徹しました。

「俺はこれまで弟の何を見てきたのだろう」
「自分の心のバランスが目の前の状況を創り出しているのなら、私の内なる“不安と恐怖”が、まさかあの弟を創り出していたのか!」
その気付きにハッとして、改めて自分を俯瞰して見た時、
「誰一人俺の味方になってくれる人はいない!」
そんな弟の叫びが、何の抵抗もなく初めてストレートに私の耳に入ってきたのです。
それは、弟の叫びと、私の内なる叫びが一致した瞬間でした。

幼い頃、いじめっ子から僕を守ってくれた優しい弟。
「今度は僕が弟を守ってあげよう!」
受け取る覚悟ができた私は、初めて弟を“受け入れ”、彼の要望に首を縦に振ったのでした。
受け入れたことで、その後考えられない展開で、その問題は解決してしまいました。
この受け取りは、視点がなければ絶対に無理でした。

■苦痛から楽しみに変わる
そこから弟はどんどん変容していき、ついに弟は理想の職場に就職しました。そして勤め始めてから、起こる葛藤や悩みの電話をほぼ毎日もらいました。
ミロステクノロジーを知る前は、弟から電話があると「またか…」といった感じで苦痛でしかなかったのですが、今は相手を通して自分を知っていくという感覚が身についているので「今度はどんな自分を知ることが出来るのだろうか?」と楽しくなっているのです。
《苦痛から楽しみに変わる》
この変化はとても大きいと感じています。

残念ながら、その職場は2週間と続きませんでしたが、次の職場で弟にさらなる変化が起きました!

その職場では、初日から施設長に叱られ、弟にとっては最悪のスタートとなり、「またか…」と私も一瞬思いました。
しかし弟は、そこから私のアドバイスも素直に受け取り、現場に馴染む努力を続け、2週間経った頃には、「実は僕、今辛いんです」と今の心の状態を施設長に打ち明けられるようにまでなったというのです。
今までだったら、その状況から逃げ出し、そのまま辞めてしまうというパターンでしたが、いつの間にか“表現する弟”に変わっていたのです。

その後、弟から「職場を良くしていくことが楽しみになった」と力強く話す電話をもらいました。電話を切った後、弟の変化を妻と一緒に喜び合ったのは言うまでもありません。

■生活保護からの脱出!
そしてその仕事は1ヶ月続き、弟は生活保護を手放す恐怖を越えて、なんと自分の意志で生活保護を脱出したのです!
そこからさらに3ヶ月続き、ついに正式に採用となりました。

以前の弟は、週末になると明日から仕事に行くのが嫌になるという、いわゆる“サザエさん症候群”に苛まれていたのですが、「今ではその症状がまったく出ないんだ!」と言っています。
精神障がい者がこのように社会復帰し、しかも生活保護から脱出したというのは、本当に稀なケースだそうです。

「明日は仕事か…と気が重くなる事がない。」という弟は、今では危なげなく仕事を続けています。
これまで私は、弟と話すときは、「いつ豹変してしまうのだろう」と、ビクビクしながら話していました。
しかし、今やそんな心配は全くなくなり、ゆったりとした安心感の中に身を委ね、解放されています。

最近では、弟にとってまるで天敵のような存在だった職場の人と仲良く話すようになったと喜びの電話がありました。

以前では考えられない、あり得ないことばかりが起こっています。

■母と弟の関係性の変容
今年に入り、一人暮らしをしている母の体調に異変が起こりました。
幸いにも早期発見、早期対応のおかげで「軽めの脳梗塞」と診断され、後遺症は軽くすみました。一時は落ち込んでいた母も、現在はリハビリに励んでいます。

今、私たち夫婦、弟と妹とで母のフォローをしています。
現在弟は介護施設で働いていることもあり、母の身の周りのことなど小まめに気を回し、母の気持ちに寄り添いながら支えてくれています。

ある時、母が「聞いてほしいことがある」と言って弟について話しだしました。

「まさし(弟の仮名)への見方が変わってしまった。こんな日が来るとは夢にも思わなかった!今までまさしを、いつどうなるかわからないという不安と恐怖でずっと避けていた。
だけど、今こんなにも私のことを考えてくれて、甲斐甲斐しくサポートし、とてもよく動いてくれて、話すことも以前とは比べ物にならないくらいしっかりしている。生きている間にこんな気持ちを味わえる日が来るなんて、まるで夢のようだ!」
と涙ながらに話してくれました。

母は入院する前とほぼ変わらない状態で戻って来ることができ、家族の絆も元通りに再生されたのでした。

そしてつい最近、弟は私たちにこんなことを言うのです。
「僕も結婚がしたい」と。
普通にコミュニケーションが取れるようになったことだけでも凄いことなのに、自分の幸せ、将来の夢まで語ってくれるようになったのです。こんなに嬉しいことはありません。
母と私達夫婦、妹夫婦、そして弟夫婦でいつか旅行ができたら良いなぁ…そんなことを考える今日この頃です。

■同じ悩みを持つ方へメッセージ
ご覧頂いたように、精神疾患を患い、精神病院に入院し、生活保護を受給していた弟が、今では見事に社会復帰を果たしました。

弟の人生を省みたときに、私自身も弟と同じように救われていなかった人生にようやく陽が当たり始めました。

もしも、私と同じような境遇の方がこの記事をご覧になっていたとしたら、その方に伝えたい。
どんな状況であっても、どんな人生であっても、諦める必要はないのです。

当時、弟を疎ましく思い、弟の存在そのものに蓋をしていた私でしたが、今では弟の存在が“誇り”へと変わっています。
あの、元気で活発だった頃の弟が還ってきたのです。

この体験が、今まさに辛い思いをされ、出口が見えないように感じている方への一筋の光となり、希望を持っていただけたら幸いです。

◆編集後記◆

今回の体験は、15年間、苦しんでこられた精神障がい者の方が生活保護を脱出しただけでなく社会復帰されたという驚きの体験です。

精神障がい者の方もそのご家族も、分かってもらえない思いを抱えながらも、受け入れることができずに苦しんでこられたと思いますが、ご家族の中の一人がミロステクノロジーを理解することで受け入れることができ、ご家族全体が再生された実証例です。

精神障がい者の方と、お互いの思いを分かち合えるというのは、ご本人はもちろんのこと、ご家族や周囲の方にとっても嬉しいことだと思います。

ミロステクノロジーは指一本触れず意識だけで変えていくことができる。

精神障がいで苦しむご本人も、そのご家族も出口の見えないトンネルの中で苦しんでこられたと思いますが、今回の人生のガイドブックが、そういった方々にとって、トンネルの出口を示す光になれば幸いです。
《インタビュアー:宇崎明子 研究員》


日本では生活保護を受けている人が約200万人に上る中で、生活保護から脱出できるのはわずか1%にも満たないと言われています。精神障がい者ともなれば一層高い壁なのではないでしょうか。

本記事は、ご家族の1人がミロステクノロジーを理解し、弟さんの叫びを自分の抑圧してきた想いだと受け入れたことで実際に起こった「想像すらできなかったストーリー」を、体験できた驚きと喜びとともに表現させていただきました。

それは、精神障がい者が生活保護から脱出し社会復帰しただけでなく、活き活きと人生をアップデートして生きる姿に変容し、ご家族もまた再び以前のように戻ってしまうのではないかという恐怖から解放され、家族全体が全く新しく再生された、世の中一般的にみても「あり得ないストーリー」です。

この体験が世の中に広まっていくことで、精神障がい者の生活保護からの脱出は稀ではなくなり。また、発達障がいなど、精神障がいに限らず常識外のように見える行動を取ってしまうご家族に苦しんでいる方にとっても希望の光になることを願ってやみません。
《ライター:宇崎和雄 研究員》

㈱ミロス・インスティチュート
https://www.mirossinstitute.co.jp/

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