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「変わりたいのに変われないあなたへ」~人と繋がる温かい世界~【後半】

~前半の振り返り~
様々な問題を抱えた生徒が次々とやって来る保健室で、誰からのサポートも得られず、孤独とたたかいながら仕事をしていたむつ子さん。
「この人生を変えたい!」と決めて自分と向き合い始めると、子供のころからずっと孤独感を抱えていたことや、「自分は愛されていないし、愛される価値がない」という間違った自己イメージを持っていたことが見えてきました。そして、それらを受け止め、手放していったところから、自分を取り巻く環境が激変していきます。いったい何が起こったのでしょうか?
後半をご覧ください!
<インタビュアー: 大谷香織 研究員 / ライター: 小田朱里 研究員>

◆後半◆
■理想の家族という形
■怒りの正体
■ひとりじゃない
■あっちもこっちも再生整備!
■人生を変えたい!と思っている人たちへ

■~編集後記~

前半はこちらから
URL:https://note.com/vast_eagle460/n/n130ef2df95b7

~後半~
■理想の家族という形

絡み合った糸が少しずつほぐれていき、緩み始めた私は、目の前が何を映し出しているのか?をミロステクノロジーによって知っていったのです。

“怒り”しか感じなかった父への感情も変わりました。
ただの暴言にしか思えなかった父の言葉も、実はその裏には「家族を守りたい」という強い思いがあり、それ故に、「分かってもらえない」という悲しさが暴力になっていた、ということを理解したのです。
私がそうであったように、父もまた「理想の家族」を作りたかったのです。

ある時父が私にこんなことを言いました。
「お父さんとお母さんがケンカした時、いつもお母さんの見方についてくれてありがとうな…。」
この言葉から私は、父が理想の家族を求めながらそれを手にできない不甲斐ない自分を責めていたことを理解しました。それほど父は家族を大切に思っていたのです。
まったく同じ思いを持った父と私。同じ者同士が激しくたたかっていたということです。

昔から体を壊しがちだったのも、家族のために自分の体を犠牲にしてまで頑張っていたからでした。
父は今でも体調を崩すことがありますが、「一日でも長く生きて欲しい」という感謝と愛おしさしかありません。
あれほど憎み、復讐だけを考えていた父との関係は、気がつけばすっかり変わってしまいました。

■怒りの正体
保健室に来る生徒に対しての、得体の知れない怒りの正体もわかりました。
生徒たちは依存的で甘えた存在に見えていましたが、実はそれが“まさか”の自分の姿だと分かったときは心底驚きました。

幼い頃の両親を見て、“依存”を悪とし、“自立”を良しとして生きてきた私は、自分の中の“依存”を強烈に嫌っていました。
しかし、自分が無意識に嫌ったものが反転して眼の前に現れる、という人間を取り巻く現象の仕組みを知った私は、ただ生徒が私の嫌っていたものを映し出してくれていたのだ、ということを理解したのです。

つまり私は、甘えを自分に禁じながら、それと同じくらい、本当は人に甘えたかったのです。
良い、悪いというジャッジを外し、自分に「甘えても良い、依存しても良い」という、“ありのまま”の自分を受け止めることが出来ました。
このしくみが分からなかったことが、私の怒りや苦しみの原因だったのです。

さらに気づいたことがあります。
それは、そんな苦しい毎日であっても、決して生徒を見捨てまいと懸命になっていた自分もいた、ということ。
「自分のやっていることなんてたいしたことがない。」そう思っていましたが、私は自分の役割において、そのつとめを全うしていたことも受け取りました。

ぼろ雑巾のようにしか感じられなかった自分に、光沢のある絹織物のようなもう一方の側面もあった。その両方が自分なんだと発見した瞬間でもありました。

■ひとりじゃない
こうして自分と目の前がつながり、それらを客観的に見られるようになると、ガチガチにこだわっていた自分が緩みだし
「ひとりで抱え込まずに声を上げてもいい」
と思えるようになりました。

「誰にも分かってもらえない」という孤独感でいっぱいだった私。でもそんな自分こそ、目の前のことなど何も見えていなかったし、分かっていなかった。
目の前に感じていた冷たさと同時に、もう一方の温かさを感じた時、自分の世界に血が通ったように、温かいものが流れ込んでくるのを感じました。

■あっちもこっちも再生整備!
こうして自分の内面が整っていく中、保健室の整理も着々と進んでいきました。
転勤初日から約 2 年に渡り、淡々と処分し続けたゴミは、トラック何台分になったでしょうか。

ちょうど同じ頃、以前一緒に仕事をしていた校長が私の中学校に異動してきました。
その新校長の働きかけで、開催されなくなっていた会議が復活し、保健室の来室者記録を提出することになったので、保健室の実態やそれに対する意見、改善提案などを伝えられる機会が増えていきました。
さらに、教職員の支援体制が整備され、優秀なスタッフが新しく入ったことで、私の仕事はますますやりやすくなり、辛かった仕事の量も、ぐんと減っています。

さらに驚くことが起こりました。なんと《再生整備》ということで校舎が新しく建て替えられることになったのです!
引っ越し作業は一人でやる覚悟でしたが、思いもよらないサポートも入って、昨年無事に新しく快適な保健室に移ることができました。

最近は、保健室に生徒がいると別の教員がフォローに来てくれるし、校長は
「いつもありがとう」
といった声がけや保健室の様子を聞くなど、折に触れコミュニケーションを求めてくれる機会が増えています。このように、学校全体で生徒への支援体制が変化していることをあらゆる場面で感じています。

気づけば、保健室にやってくる生徒の数も激減。
あれほど孤独で苦しかった職場が、まるっきり変わってしまったのでした。

「私は愛される価値がない」
振り返ってみると、この間違った思い込みと、そこから甘えと依存を嫌ったことが、私の苦しい人生の始まりでした。

しかし、ミロステクノロジーによって心のバランスが整い、本当の自分を知っていく中で自分が癒されていくと、まるでそれに呼応するかのように、目の前の状況がどんどん変わっていきました。
新校舎への建て替えという《再生整備》は、私自身の「人生を変えたい!」という《再生》に対するOKサインだったと感じています。

■人生を変えたい!と思っている人たちへ
もし、かつての私のようにどうしようもない孤独や苦しさを抱えている人がいても、視点を持って本当の自分を知っていくことができれば、自分を取り巻く状況は確実に変わる!ということを私は断言できます。

ミロステクノロジーによって、間違った思い込みとジャッジを外し、心のバランスを整えることが出来た時、それを待っていたかのように私をサポートする人が次々と現れ、目の前の状況は面白いように変わりました。
自分を取り巻く世界は、自分が「どう見ているか」の世界。
「変わりたいけど変われない」なんてあきらめなくていいのです。
「どんな人生だって必ず変えられる!」
私自身が体験したからこそ、このことをはっきりとみなさんにお伝えしたいと思います。
私のこの体験が、誰かの救いになることを願って…。

【編集後記】
インタビューをさせていただき、むつ子さんの幼少期から抱えていた孤独が、職場でも影響があり、ミロステクノロジーを使って、変容していく様子を、深いところまで知る事ができました。むつ子さんとのインタビューの空間は楽しいものでした。
彼女の嬉しい変容の報告は今もなお続いています。
かつて不登校気味だった卒業生(男子生徒)「将来は保健室の先生になりたい」と、元担任に話していたそうです。今やむつ子さんは生徒の憧れの存在なのです。
誰もが通うであろう中学校が、ミロステクノロジーを使う事により、楽しい学校生活、通いたい学校になるのではと思いました。貴重な時間をありがとうございました。
(インタビュアー: 大谷香織 研究員)

<インタビュアー:大谷 香織/研究員>

甘えや依存を自分に許さなかったために、すべてをひとりで抱え込む状況をつくり、それが孤独感や生きづらさになっていたむつ子さん。そんな彼女が選んだ仕事は、傷つき依存する生徒を受け入れる保健室の先生でした。
一見矛盾しているようですが、人は何かを嫌っていても、実は同じだけそれを欲しているもの。むつ子さんは、自分が嫌ったものを生徒に映し見ることができたからこそ、「本当は甘えたかった」という自分の思いに気付くことができました。そうして自分に向けていた冷たさを温かいまなざしに変えることができたことで癒しが起こり、その結果として、人間関係を含めたあらゆる環境が再生されたのだと感じています。

人生にある苦しみは、そこを越えて“本来の自分らしい在り方”を知る大きなヒント。むしろ、超えるために体験した苦しみであるともいえます。むつ子さんの体験は、このことをとても分かりやすく伝えてくれるものではないかと思います。

この記事が、読者の人生を変えるきっかけになるとしたら、この上ない喜びです。
(ライター: 小田朱里 研究員)

(株)ミロス・インスティチュート
https://www.mirossinstitute.co.jp/

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