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4人 【のり23】

実は私には兄弟がいない。いわゆる一人っ子だ。一人っ子として生まれ、育った。

おかずを奪い合ったこともなければ、兄弟のおさがりを着たこともない。兄弟に相談すべきような重い悩みは相談できる人もおらず、悩みの多い中学時代は、自転車で20分走って甲子園球場の近くの鳴尾浜のテトラポットの上で海を見ながら自分を納得させた。(中学の2年間西宮に住んでいた)

兄弟がいないと言うことは、親の注目は自分に来るということになる。かといって可愛がられたかどうかは別問題で、母はともかくとして、父に可愛がられた記憶はなく、どちらかというとその逆だった気がする。

「ほんとかわいくねぇなぁ」

この言葉を何かの機会にぽつりと言われたときに「あぁ、そうなんだ」と思った。確かに私は小中学校で狂ったように荒れて、そのまま父を避け、大学に合格して、家を出た。家から大学に通えないこともなかったけど、親に懇願して家を出た。

私が家を出て後、会社の上の方にいた父は一人の若手の社員を取引先から引き抜いて、我が子のように可愛がった。正月に実家に帰って元日の昼ご飯を食べようと思ったら、食卓にその若手社員がいた。父は上機嫌だった。2人の話ははずんだ。私は居ても居なくても良い立場になっていた。

なるほど。これが「えこひいき」というやつか。とやっと理解した。

そして今現在、私には2人の子供がいる。二人とも絵や芸術を極めたいらしい。次男は考えられうる最高の道をたどって芸術の道を歩んでいる一方、長男は考えられうる最底辺の道をたどって絵を描いている。

でも、将来2人がどうなるかは分からない。結局たどった道が問題なのではなく、どこにたどりつくかが問題であって、その結論が出るのはまだ先であり、「結論」が出るかどうかもわからない。

私は2人への対応に極力差がでることなく、一定の距離をとって静観し、自分の部屋でひっそり麻雀を見て、noteを書いている。

そしてシンデレラファイトにはまり、44人の選手達の戦いを見届けた。その中でも決勝に残った4人にはそれぞれに感じるところがあり、不思議な話だが4人それぞれの視点で、それぞれの思いで決勝を見届けた。

決勝は終わり、優勝者が決まり、大会は終わった。そして、木下選手のnoteを書いて、長谷川選手のnoteを書いた。

だけどまだ2人いる。実は木下選手のnoteを書いた段階から、今回は4人ともnoteを書こうと決めていた。

4人を遠くで静観している私。将来この4人がどういった結論にたどりつくのか分からないけど、その通過点を書き留めることをお許し願いたい。

★最後まで読んでいただき ありがとうございました★

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