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SUIT

『SUITS/スーツ』(原題:Suits)は、アメリカ・USAネットワークで2011年から2019年まで放送されていたテレビドラマ。シーズン9をもってシリーズが完結した。

wikipediaより

※ほぼすべてネタバレです

SUITを全9シーズン見て他の海外ドラマを物色したがSUITを超えるシリーズがなく またSUITを1シーズンから見直している

弁護士資格がないマイクをハービーが雇うはずがないという感覚は最初の一巡ではずっとつきまとっていたが、2周目の1話目を見て何か感じるものがあった

You want to do this job so much,Why did'nt you go to law school?

という問いかけをハーヴィーは投げかけます

それに対してマイクはトレヴァーに勧められて試験問題を暗記して、それを売った相手が学部長の娘で僕は退学になったと正直に話します

そして戻れるものなら戻りたいと

I have been wishing for a way back everything.

ここでハーヴィーが沈黙に沈みます

最初にこのシーンを見たときは感じなかったけど、この後のシーズンを見た後なら感じますが、ハーヴィーも複雑な家庭環境で育っています。

そして、本当に信頼できる仲間というものもたぶん居ないであろうこともわかります。

ハーヴィーは自分の性格の難しさもわかっているので

マイクとならやっていけるかもしれない

という直感が働いたのでは?と想像します。

そりゃ、ここでマイクを採用しないとドラマが始まらないと言ってしまえばそれまでですが、この一瞬でこれから待ち受けるであろう苦難をすべて引き受けようと覚悟したのでは?

と今は感じます

だから、このシーンを改めて見るとぐっとくるものがあります。



第2話ではマイクが証人の過去の犯罪歴を確認しなかったことで証言録取に失敗。証人の出廷の説得にも失敗して事務所を辞める決意をして会社を出て行こうとします。

ここで普通ならハーヴィーはそのまま退職させる選択肢も取り得ますが、マイクを追ってきて厳しいことを言い伝えます。

You wanna quit.Go ahead.But this is not because of Rewis,and this isn't because of me,and it's because of  your afraid ××・・・(以下不明)

辞めたいなら辞めろ だけどそれはルイスのせいじゃない オレのせいでもない お前が自分の力不足を知ることが怖いからだ と言い放ちます

明日来なければ辞めたものとみなす

と 言い放って去るハーヴィー

それを受けてやはり今まで不遇の人生を送ってきたマイクの心に響きます

祖母に育てられたマイクはここまで強く言ってくれる人はたぶんいなかった

だから厳しいと思うとともに嬉しかったんだと思う

ハーヴィーかっこいい


第8話の「模擬裁判」では相手方の証人となったレイチェルを本気で追い込みます

しかし、完全に追い込んでレイチェルを傷つけることを避けるために裁判を負けで降りてしまいます。

これを見た事務所のトップであるジェシカはマイクに失望します

それを見たハーヴィーはスコッティが買収に導こうとしたホテルの合併案件で敵対していた両者をうまく合併の和解に導きます。

これは模擬裁判で見せたマイクの判断が影響したということ

しかし、事務所に戻ったハーヴィーはマイクに厳しくあたります

一度は帰りかけたマイクですが今一度自分の考えを主張します

ハーヴィーはその青くさい主張を受け入れながらもやはり否定します

この主張はこのシーズン1の何気ない一コマですが、最終のシーズン9に意味を持ってきます。

今の日本のドラマだとこのあたりのやりとりは馬鹿っぽいほど(失礼すぎるかもしれんけど)、これでもかというほどわかりやすくどんでん返し的にハッピーエンドにしますが、表のやりとりと裏の感情の動きを視聴者に見せて善とも悪とも視聴者に断定させない海外ドラマの作りは安直ではありません。

ここで大事なのはマイクが取った判断が良いか悪いかではなく、自分の考え方を貫き通すマイクと成長を願いながらもあえて厳しく接するハーヴィーのぶつかり合いこそが大事なのです。

自分にとって譲れないものが何なのか、それは見ている視聴者にも共感できる部分がとても大きく、熱狂して見てしまう要因じゃないかと思います。

追記

ハーヴィーが上司としての考えを再度説明して、マイクが立ち去った後、マイクの考えに心を揺り動かされるハーヴィー。こういう芝居ができる役者力というのもすごいんじゃないかなぁと思います。


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