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うしお❌おとぼけ姉さん          #ヴァンパイアパーティー

○登場人物

ヴァイエヴォーデ ヴラディス ラウス ドルキュリエ (ドラキュラ伯爵)
※とある王室から爵位と紋章を賜わりし
  由緒正しい名門の吸血鬼 歳は約600歳

バランシェンヌ
※伯爵がつけねらう少女
  ここ最近夜な夜な夢に現れる
  伯爵に頭を悩まさせている

伯爵・ト書き…凪波 うしお
バランシェンヌ…おとぼけ姉さん

10月のスタエフイベント
ヴァンパイア月間の
シチュエーションボイス原稿です
R18 収録はイヤホン推奨
それでも良い方のみお読み下さいませ…✨


実に生暖かい夜風が寝ている
彼女の頬を撫でる

凪(バランシェンヌ…バランシェンヌ)

おぼろげながら しかし
はっきりと私の名前を呼ぶ者

おと(あぁ またあの人が私を呼んでいる)

凪(バランシェンヌ 目を覚ましておくれ
  私と一緒に…ワルツでもいかがかな)

おと(貴方は…一体誰)

うら若き乙女バランシェンヌは
ベッドの上で目を覚まし
枕元の水差しと蝋燭に目をやる

おと「またあの方の夢…あの人は
   会ったこともない知らない方
   だけれども、なぜ こうも
   胸がざわめくの…」

コップの水を飲み干すと
多少は落ち着いたのか また
眠りに就こうとする彼女を
窓の月明かりと蝋燭が照らす
まだ真夜中の部屋はひっそりとしている

おと「また夢で会えるかしら――…」

そういった刹那
急に枕元の蝋燭の火が消え
驚いた彼女はあたりを見回す
なぜ? 窓は開いていないはず?

バルコニーの窓へ目をやると
少女は息をのんだ 誰かが
立ち尽くしこちらをじっと見ている

おと「貴方は誰? 何をしにきたのです?」
凪「ご機嫌よう マドモアゼル…
  私が何者なのか…貴女はご承知だ」

ベッドから聞き覚えのある声へ
近づくバランシェンヌ
疑いはすぐ確信へ変わる

おと「…夢で会うおじ様?」
凪「いかにも 我輩はヴァイエヴォーデ
  ヴラディスラウス ドルキュリエ
  王室より爵位を賜わりし
  名門中の名門 今宵貴女へ
  ご挨拶したく参上つかまつった次第
  さぁ 我輩を迎え入れておくれ…」

手を差し伸べる男の眼は
鋭くもどことなく心地よく
バランシェンヌは伯爵の手を取り

おと「こんばんは おじ様
   わたくし ずっと貴方に
   お会いしたくて…」
凪「光栄だマドモアゼル 是非
  お近づきのしるしに
  ワルツを踊るのをお許し願いたい」
おと「もちろん よくってよ おじ様」

伯爵へ寄り添うバランシェンヌ
男の眼光に少女は目をトロンと
させながらその身を委ねていく
腰に手を回し引き寄せられる少女
意識がどんどん遠のいてゆく

おと「わたくし 夢のようですわ」
凪「うら若き乙女よ もっと
  その可愛らしい顔を
  よく見せておくれ」
おと「…はい」

少女は男の眼光から
あらがう術を知り得なかった
彼女は火照りを帯びた眼差しを
伯爵へ向け

おと「おじ様 わたくし…わたくし」
凪「あぁバランシェンヌよ
  その首筋を我輩に捧げよ」
おと「首筋…?」
凪「さすれば汝は永遠に我輩のものだ」

おと「…喜んでこの身体
   おじ様に捧げますわ…」

そう言うと伯爵は目をカッと見開き
バランシェンヌの薄緋色の首筋に
その鋭い二本の牙を付きたて
血を吸い始めた

(吸血音①)

おと「あぁ…ッ」

牙を付きたてられた痛みより
快楽がバランシェンヌを満たしていく
恍惚とした表情を浮かべ
男の背に手を回す少女

おと「おじ様…!! おじ様…ッ…」
(吸血音②)

口から一筋血が滴り
首筋をつたってシーツを染める

凪「ッハァ…良い顔をしているな
  バランシェンヌよ」
おと「おじ様ぁ おじ様…///」

吸血鬼は少女を抱き寄せ
頭を撫でる あどけない少女の眼は
紅く染まり 二本の犬歯は
伯爵のように長くなっている

凪「永遠に我輩のものだ
  バランシェンヌよ…」

fin.


※概要欄にはR18の表記 イヤホン推奨

○あとづけ
一番最後のおとぼけ姉さんの吐息は
アドリブなんです 実に良き
目で追いながらだとまた違う印象になるかと
ご視聴とここまで読んでくださり
ありがとうございます。

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