第321回、ゴジラ-1.0の国内外での各賞の受賞をお祝いしてみた
ゴジラ-1.0 (以降 マイゴジと記述) の各賞の受賞を記念して、グランドシネマサンシャイン池袋で、4日間限定で、IMAX GTでの上映が行われていたので、映画は既に三回観ているのですが、観に行って来てしまいました。
2700円の上映料に加えて、映画館までの交通費を考えると、決して安くない鑑賞料ではありますが、めったに視聴する事のできない、巨大スクリーンでの鑑賞体験を、マイゴジで味わえたのは、とてもよかったと思います。
上映後は、会場に拍手が鳴り響き、自分も初めて映画館で拍手をしましたがめったに感じる事のない、観客との一体感を得る事ができました。
自分は、マイゴジをあまり評価していない人達の意見も理解ができますし、VFXは、ハリウッドの技術を超えているのかと言えば、正直そんな事はないように思うのですが、※マイゴジのVFXをディスる気は、全くありません。
ではなぜマイゴジは、何度見ても面白いと思うのか?多くの人が内容やVFX技術の評価をしているのかと言うと、多分、多くの人が見たいと思っていたゴジラの姿を、今回ようやく見る事ができたからではないかと思うのです。
ジュラシックパークの様な、恐竜サイズの活発な動きのゴジラが見たい。
ジョーズの様な、海を泳いで追いかけて来るゴジラが見たい。
初代ゴジラの様な、戦後間もない東京の町並みを破壊するゴジラが見たい。
初代ゴジラの様な、電車を口にくわえるゴジラを見たい。
第二次世界大戦時の、戦艦や戦闘機と戦っているゴジラが見たい。
そんな誰もが心のどこかで思っていた、ゴジラの映像を観られたからこそ、「よくぞやってくれた、山崎貴監督」となったのではないでしょうか?
観客は別に、誰も考えた事のないゴジラを求めている訳ではないのです。
監督が独自に解釈をする、新たなゴジラを見たい訳ではないのです。
誰もが見たいと思いつつ、これまで誰も見せてはくれなかったゴジラの姿を見られた事に、こんなにも称賛の意見が出ているのだと思います。
そしてさらには、観客の誰も想像をしてなかった、ゴジラの背びれが段階的にせりあがるアトミックブレス(放射熱線)のギミックが、今回ゴジラに、新たな衝撃をもたらしたのです。
今回マイゴジを見て思ったのは、映画の満足度は、必ずしも重厚な脚本や、VFX技術の完成度の高さで決まる訳ではないという事です。
ある程度の観客の欲求に応えつつ、それを上回る衝撃が適度に含まれているバランスの良い、作品作りなのではないかと思うのです。
もちろんこれは、一般受けをしやすい映画とは?の話であり、全ての映画がそうである必要はないのだと思います。
ただ山崎貴監督は、スティーブン・スピルバークの事をとても敬愛しているので、その方向性の映画として、マイゴジは、ドラマ性がありながら、極めてよくできた、エンターテイメント作品になっているのだと思うのです。
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