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Sacred Nail of Exeveria


Prologue


その兵器

強襲にして
圧倒的な
質量を誇る釘

「聖釘」

全長にして
20kmはある
純白の強襲兵器が
防衛省の
巨大な施設の
襲撃を受ける

それは突如現れた
進行を塞ぐ様に
防衛網の巨大な壁は
強襲を拒む

つっかえた
強襲兵器は
先端から
真っ直ぐ放つ
黄金の
閃光を放ち
真っ直ぐ抉る様に
防衛網を粉砕して
更に前進した

あっては
ならない強襲

何故‥

破壊の限りを
尽くした
純白の強襲兵器は
甚大な損害
死傷者を
物ともせず
進軍した



空中を飛行する
エグゼヴェリアの
テトラ遊撃部隊が
編隊を組み
訓練を終え帰還する

突然の強襲を
受けた
国家防衛システム

甚大な被害を
受けた一報に
遊撃部隊の
出動要請を受け
訓練は実戦へと
変わる

飛行する
遊撃部隊長が
後続飛行する
部下に通達した

隊長機のユング

新米パイロット

部下のクナイ
同じく
コダチとニール
現場に急行する
僅か4機‥

ユング
「国家防衛
システムを破壊⁈」
「何処のテロリストだ?」

本部からの
緊急連絡を受け
出動要請に
切り替わる
隊長機が
指示を出した

隊長
「‥出番だ。行くぞ!」

コダチ
「クナイ、防衛省の
巨大なあの壁って」
クナイ
「強襲出来る兵器なんて‥」
「被害状況は?」
隊長
「甚大な被害が
出てるから
出動要請が
かかってる
お喋りは終了だぜ」
クナイ
「了解です」

深緑の
森の上空を
高速飛行する
全高20mの
高機動汎用戦機

彼らは飛ぶ

やがて見える
問題の情景

目前に広がる
防衛網の
変わり果てた姿に
驚愕する

クナイ
「これは‥!」
コダチ
「酷いわ」
ニール
「うわあ‥」

粉砕された壁
抉る様に
真っ直ぐに
伸びる
瓦礫の山

被災者の
生存の有無
復旧の
目処など
想像したくも
無い

ユング
「こちらは
テトラ遊撃部隊
ユング。
被害状況は
見ての通り」
クナイ
「隊長、対象は
姿もありません」
ユング
「一足遅かったな」

全て事後

なす術なく
テトラ遊撃部隊は
基地へと帰還した

敵の正体は

依然不明

機動音を立て
彼らは
上空の彼方に
消えた




何も出来なかった

僕はクナイ

彼女はコダチ
同期のニール

どちらも
新米パイロット

片田舎で育った
体力自慢の体で
この部隊に入隊した。

軍隊じゃない
防衛省直轄の
遊撃部隊

その本部である
巨大な壁は
跡形もなく
その原型を
止める事なく
やられていた

いずれ調査隊が
情報を掴み
こちらに届く筈だ

基地に帰還した
僕達は
高機動汎用戦機を
ドックへと帰還
ハンガーへ
収容する

ユング
「新調した最新鋭だ
戦闘で傷物にせず
済んだな、新米共」
クナイ
「しかし‥敵は
証拠も残さず」
ユング
「調査隊の要請が
結果を出す。寝て待て」
ユング
「お疲れ様です」

小さな小隊である
歴戦の部隊長
ユング隊長は
冷静で
その口調も
ユニークだ。

ハンガーに収容を
済ませて
コクピットの
ハッチが開く
独自の
コンプレッサーの音が
ドックに響く

コクピットの
足場から
隣接した
デッキを伝い
装着した
ヘルメットを取る

前髪
少し伸びたか‥

訓練の成果は
いまいち伸びない

これで
パイロット
務まるのかと

隊長には惨敗だ

三人がかりでも
歯が立たない

隊長も降りて来た

ユング
「戦術は戦闘時にも
よく考えて行え」
クナイ
「ありがとうございます」
ユング
「フン、色男め」

隊長はニヤッと笑うと
ハンガーを後にした

整備班の
迅速な対応が
見て取れる
此処は長居無用

遅れてコダチと
ニールが来た

コダチ
「さっすが歴戦。
敵わないわ」
ニール
「瞬殺されたよ」
クナイ
「追い詰められた時」
コダチ
「え?」
クナイ
「その時どうするか、だね」
コダチ
「 」
クナイ
「宿題だな‥」
ニール
「勉強熱心だね
クナイは」

高機動汎用戦機を
見つめる

起動時に発光する



部位の輝きは
今は無い

最新鋭に
振り回される
日々‥

仲間と談笑
しながら


僕達はハンガーを
後にした

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