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蒼穹の見聞録15


エノクです

此処から
先は
私と蒼穹だけ

回廊から
輪廻中枢司令部へと
向かい
転移した

輝きは
最高潮に
達していた

眩しい
中枢司令部

私が立つ床は
ガラス張りだ

あれが
女神

ママ

遥華
「エノク!」


エノク
「 」
遥華
「此処まで、本当に大変でした」


エノク
「 」

私に
駆け寄ると

ぎゅっと
抱きしめる

何故

涙が
溢れるの

突き放す
心さえ
流れる

エノク
「どうして‥初めてじゃない気がするの」


遥華
「忘れてしまうものです」
エノク
「ごめんなさい。後の事、考えずにあんな‥」
遥華
「あの決断が無ければ、侵食者の侵攻を止める事は叶わなかったでしょう。自信を持ちなさい」



エノク
「ママ‥」
遥華
「私には愛しかありません」

そう

この感じ

一度は思う
理想の親
精神性

遥華
「エノク、姿を変えたのですか?」
エノク
「ブロッサム様に会いました」
ラドゥ
「何と。あの男に会うとは」

滅多に
姿を見せない
方だとか

エノク
「此処では皆、創造主だと教えてくれました」


遥華
「 」
エノク
「生前の姿だと、その‥」
ラドゥ
「気を利かせるとはな」
エノク
「先生、参謀総長だと知らず。御無礼をお許し下さい」
ラドゥ
「それは良い」

周りを見渡す
輪廻の全域が
表示された
モニターが
見える

なんて
巨大‥

被害は
甚大だ

損傷箇所の
警告が
無限に
表示されている

エノク
「最後の砦‥⁈」
遥華
「はい」
エノク
「昔はもっとあった‥?」
遥華
「ええ‥」

ママが
寂しそうに
遠くを
見つめる

遥華
「もう、悪鬼には指一本触れさせません」


エノク
「私も悪鬼に負けない様、対策を考えてます」


遥華
「対策ですか?」
エノク
「ママ。私‥まだ弱いの」
「低いわ」


遥華
「悪鬼にすら‥その強さは」
ラドゥ
「必要でしょうな」


遥華
「ラドゥ⁈」

‥おそらく

私は
分かっていた

簡単じゃない

きっと
これからも

それともう一つ
気になる事

エノク
「私を姫君と呼んでました」
「私‥一体」
ラドゥ
「知りたいのか?」


遥華
「 」
エノク
「自分の事‥何も分かっていない」
「悔しい」


蒼穹
「エノク‥」

握る拳

聖釘の
改良も
考えなきゃ
ならない

強度
ベクトル
速さ

全て
演算
改修する
必要がある

エノク
「私の固有結界もそう。何も無いし」
「空間の一つも創造したいわ」


ラドゥ
「ブロッサムに言われたのだろう」


エノク
「はい。創造主と‥そうだわ!」

遥華
「創造主‥エノク。やはり目覚めの時が必要でしょうね」
「私達にも、見せてくれますか?」


エノク
「え?」

私の
思い描く
自分の世界

まだ見ぬ
ラグラ計画の
ヴィジョン

ラグラの世界

天地創造が
此処から
始まった

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