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蒼穹の見聞録10

意識が
飛んだ

此処から
蒼穹の
証言を元に
再現する


蒼穹の
叫びは
私には
届かなかった

だらりと
力尽き

握り潰された
義体頭部の
欠片が
奈落に
落ちていく

掴まれた
魂となる

悪鬼
「残念だなぁ。エノク」
「ガッカリだ。生前と変わんねえ」



固有結界から
輪廻の
様子を見に
転移した
悪鬼

蒼穹の叫び
すら動じない

悪鬼
「お?」
「何だ、思ったより頑張ってるじゃねーか」

前衛の
攻防神
遊撃隊の
死闘が
展開される

群青の
怪物は
次々に
爆炎を上げ
落とされている

神々の
闘いは
どちらかに
軍配が
上がるわけでもなく
輪廻を死守
し続けていた

ドブ沼の
交戦が続く





炎上する
都市部

空襲の
地上部隊が
苦戦していた

群青の怪物

小型の
爆撃隊が
ゲラゲラ
笑いながら
霊弾を
撒き散らす



地上部隊
「高機動侵食者が都市領域内に侵入!攻撃を受けている!」
地上部隊2
「地上からでは迎撃に対応出来ない!」
「くっ‥!奴らやりたい放題だ」

地上部隊3
「せめてあの爆弾野郎だけでも!」
「糞っ!笑ってやがる!」

地上部隊
「このままでは‥ん?」

機影

キラッと
光る

それは
群青の
怪物目掛け

炸裂した

都市部の
上空を単機で
狩る

「第七ミカエル級分隊長のフィーだ」
「完全武装で着任する。遅れてすまない!」

歓声が
上がる

次々に
高機動
侵食者を
撃ち落とす

フィーは
通信を
開いた

フィー
「司令部、ラドゥ参謀。応答を」
ラドゥ
「おお!その声フィーか!」


フィー
「出遅れです。申し訳ありません」
ラドゥ
「構わん!遥華様」
遥華
「フィー⁈急務を要します」


フィー
「何なりと‥」

アラート

前方に
300m級が
真っ二つに
口を開く

警告

『残弾ゼロ』
フィー
「⁈」

式が
切れた

装填が
不十分の物を
選んで
しまった様だ

『捕捉されています』
フィー
「シールドは?」
『大破確定』

フィー
「お別れだ」


前方を照らす
閃光が
機体を貫く



300m級の
侵食者の周りを
周回する
高機動型

その上空で
脱出した
フィーが
身を翻し

300m級の
直上から
急降下した

群青の
巨体から
鋭利先端の
触手が強襲
伸びる

寸前で
かわし

勢いで
腰部の
ユニットを
取り外し
突き刺した

ピピッと
反応音

迅速に離脱
触手が
追撃するが
かわす

ユニットが
閃光に包まれ
300m級が
爆発する

爆炎を上げ
ズルズル
力尽き
轟沈した

フィー
「‥失礼しました」


遥華
「フィー。エノクの所在が不明です」
フィー
「何と‥⁈」
遥華
「片割れの蒼穹が失踪後、連絡が取れません」
「アザトース密度減少に応戦したものの、撃墜は考えにくいでしょうが‥」
フィー
「参謀‥⁈」
ラドゥ
「すまん。私のラボから上昇し、見失ってしまった」
フィー
「 」
ラドゥ
「万一に備え、救護班の霊獣を手配する」
「合流ポイントを送ろう。頼む!」


フィー
「了解!パンは取り返してみせます」

合流ポイントが
表示される

轟沈する
侵食者

攻防神を
縫う様に

加速した

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