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Sacred Nail of Exeveria10

そこが何処か
特定出来ない
施設

一機の
高機動汎用戦機が
確認出来る

男が青と白の
機体の
前に立つ

もう1人が
ハンガーに
姿を現した
二人は瓜二つ

「フラウ、話が
あるって?」

「来たかユング。お前の
元部下が来てた」
ユング
「ほう、会ったら
抱きしめてくれや」
フラウ
「悪いな、突き
飛ばしちまったよ」
ユング
「嫌われるぜ」
フラウ
「お前もな」

低い声で笑う

ユング
「何も言わずに
出ちまったからな」
「今頃腹も立ってる
だろうさ」
フラウ
「あれからどうだ?」
「この機体」
ユング
「伏せらせた機体だ」
「調べようが無い」
フラウ
「消極的だな。
本部に渡せば
終わる任務だが」


機体を眺めるフラウ
機体から視線を
逸らすユング

ユング
「気味が悪いぜ」
「愛着も湧かねえ」
フラウ
「スペックの半数が
no dataと報告を受けた」
「どうなってる?」

ユングが知る筈も
無く、フラウでさえ
解明出来ないスペック

隊長機でありながら
地下施設の製造工程や
設計さえ伏せられて
しまっている
正体不明機

フラウ
「確かに気味が悪いな」
ユング
「何故か製造工程に
関わった全てが
抹消されてた。」


そもそも

元はアクロギス
防衛省にも二極化に
分けられた防衛対策

色分けされた
その具体策

敵を知る側
敵に関わらず
防衛対策とする側

互いが知り得る事なく
計画は進められていた

そして予期せぬ
強襲
伏せられる様に
施設は消えた
設計データさえ

謎は深まる

残された機体

フラウ
「パイロットは
お前しか託せない」
ユング
「分かってる」
「渡せば終わりだ」

機体は沈黙する
見下ろす
事なく

長居はしたくない

二人は
その場を離れた




高機動汎用戦機
可変形態

整備のノルマを
翌日に回して
サキが
ディスプレイ越しに
作業する

コダチの
機体整備に
サキが集中
している

コダチ
「それで?」
サキ
「はい?」
コダチ
「クナイに伝えたの?」
サキ
「何をです?」
コダチ
「好きだって」

サキが
前のめりに
転倒


サキ
「こ、コダチ⁈」
コダチ
「正直よねアンタ」

笑うコダチ
サキが黙り込む
作業の手が進まない

サキ
「いいい‥いつから?」
コダチ
「司令が言ってなかった?」

サキが
司令の最後の
セリフをうろ覚えで
思い出す

彼女は君を
指名しての同意を
得ているが?

その言葉の意味を
冷静に考え分析した
サキの顔はますます
赤くなる

コダチ
「クナイも気付い
てんじゃないかしら」


複座に改良までした
自分がさも
ゾッコンだと
思われても仕方ない

サキ
「‥どうしよう」
コダチ
「うん?」
サキ
「クナイに何
話せば良いか
わかんない‥」
コダチ
「アンタってさ」
サキ
「?」
コダチ
「可愛いとこあるわ」
サキ
「か、からかわないで」
コダチ
「良いじゃない」
「ほら、ちゃっちゃと
済ませる」


休んだ手がようやく
動き出した

サキ
「コダチはどうなの?」
コダチ
「普通に付き合ってるわよ」
サキ
「 」
コダチ
「言ってなかった?
ニールと」
サキ
「えええ⁈」

恋路に言及は
しないと
クナイは
目を瞑って
いたらしい


しかし任務では
分からなかった
サキにとっては
衝撃だったのだろう

赤面するサキの
目が丸くなる

サキ
「ぜ、全然気付かなかった」

コダチ
「アンタ見てると表裏
無いから楽しいわ」
サキ
「う、うう」


コダチの笑いに
不思議と嫌な顔を
しないサキの姿を

惑星ラグラは
見下ろしていた

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