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蒼穹のフリューゲル93

改修版



エノクです

タケの
仕事が
忙しく

精神考古学研究会の
社長が

有給休暇を
消化して
一週間は
休めと
言われた

タケは社長に
気に入られ

休みの初日を
キャンプで
過ごすと
計画した

子供達は
熱狂する

久しぶりの
家族の時間を
外で過ごすと
タケが
提案した

素敵じゃない

けど
我が家は

2台の
エアフライトのみ



どうする気?



翌日

朝から
タケが居ない

書き置きには
社長宅から
すぐ戻る

とだけ


エノク
「社長と飲み明かしたの?」



イーノ
「トイレにもいなかった!」


カズ
「誰か来たよ。パパ?」

インターホンの音

『おはようございます♪』

エノク
「フリュの声ね。アリサだわ」


アリサ
「おはようお姉ちゃん!」
「タケ来たよ」


エノク
「え?」


外に出る

でっかい
ワゴン車

ドアが開く

タケの姿

戻って来た

笑顔で
答える

エノク
「タケ!おかえり‥って」
「その車⁈」
タケ
「社長から借りてきたぞ」
「さて、支度するか!」



エノク
「あら、びっくり」
アリサ
「手伝います!」
タケ
「よ、アリサ。制服姿だな?」
アリサ
「うん。私服より可愛いから」
「変?」
タケ
「好きな格好で良いぜ」
「まず荷物運びだ」

はしゃぐ
子供達

荷物を
ガンガン
積み込んで
出発した





アリサと
向かう

家族と
賑わう

夢でも
見てる感じ

アリサ
「不思議」


エノク
「ん?」
アリサ
「三人もどうやって産めたのか」
エノク
「そうね‥きっと」
「その家庭に生まれたい命が
その家族の元にやって来るのよ」

偶然ではない
全て繋がり

そう

エノク
「アリサとの繋がりも」
アリサ
「 」
「お姉ちゃん‥嬉しい」
イーノ
「イーノが先!」
カズ
「次が僕」


ロカ
「お兄ちゃんお姉ちゃんもいる」
「ロカ幸せ者」


タケ
「家族に不幸者なんて要らん」


「オーラで吹っ飛ばすぜ笑」
エノク
「吹っ飛ばしても安全運転でね笑」




ようやく
街を抜け

車が揺れる

そこは
舗装されて無い
林道だった




キャンプ地に
着いた



草原が
靡く
絶景が
広がる

雲が草原を
横切る

水源が
奈落の滝
となって
流れる

緩い傾斜の
上には

水源から
供給され
土間打ちの
ベンチと
釜戸

キャンプには
充分な設備


タケ
「充分なスポットだろ?」
エノク
「ええ‥けどどうやって此処を?」
タケ
「調べた」
エノク
「 」
タケ
「家族に恩返ししなきゃな」
「真空BOX開けてみろ」

開けると
ご馳走の
食材が

エノク
「ず、随分奮発したわね!」
タケ
「野菜は社長の奥さんから」
「人徳ってやつかな」
エノク
「 」

驚いた

カズがタケに
ビールと
コップを渡す

エノク
「か、カズ」
タケ
「良いんだ。ビールはな」
「お酌より自分で注ぐ方が美味い」

カズにも
そう教えた
らしい

油を引いて
熱した鉄板

ありったけの
食材を
鉄板に
焼きながら
アリサも手伝う

タケが
ビール片手に
ぐいっと
飲み干した

タケ
「みんな、いつも有り難うな」
エノク
「 」
タケ
「俺を夢中にさせるものが」
「支えになるものがある」
エノク
「バスケやる暇もなかったわね」

他に
無かった

タケの
部屋

それが
今では
旦那さん

タケ
「カズ、バスケやるか?」
カズ
「バスケ?」


タケは
ベクターBOXから
バスケットボールを
取り出し
カズに渡す

カズ
「帰ったら教えてやるよ」
カズ
「う、うん!」


疲れ切った
タケは

しばらく
草原に座り

飲み干した
ビール缶を
持ったまま
大の字に
眠った



起きたら
タケの分を
焼いて
待っていよう

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