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蒼穹の見聞録12



エノクです

こっちは
片割れの
蒼穹

救護班の
おまるの
おかげで
頭部が
修復された

沢山の
群青の怪物が
攻防神の
ワイヤーに

搬送される

光る赤い
眼光が消え

真っ黒に
だらりと静止
している

エノク
「あんなに暴れた怪物が‥」
「フィー、あれって」


フィー
「情報、知識を支配する」
「侵食系捕食主義者」

人類が
悪魔と
呼称する
者達だと
説明した

搬送された
侵食者に
刺さる
アンカーが
外され
湖に
投棄される


エノク
「奈落の蒼穹ならそのまま投棄すれば良い筈よね?何故ここに?」
フィー
「禊だ」
エノク
「禊‥?」
「清めるの?」

侵食者には
三種の
形態が
存在する

第二形態は
シャンデリアとして
輪廻の
最下部で
眠って
いると言う

禊の後
結合する
習性が
あるとか

その間沈黙
すると言う

エノク
「第三形態は?」
フィー
「アンカーで搬送しているだろう」


エノク
「 」
「白銀の船体‥⁈」
蒼穹
「サイボーグ⁈」
「エグい‥」
フィー
「禊で清められている」
「全くの別物だ」
エノク
「凄い‥私達を守ってくれる存在なのね!」
「私、彼らが好きになったわ!」


フィー
「良い答えだな」
「そちらはどうか?」


蒼穹
「興味無いス」

さっきから
私の横で
睨む蒼穹

フェイスガードの
無い素顔で

蒼穹
「エノク!蒼穹が守ると約束したのに」
「何故、悪鬼を前に交代したんスか?」


エノク
「貴女に勝ち目は無かったわ」
蒼穹
「それでも!」
エノク
「私も貴女の存亡にも関わるの」
蒼穹
「それでも‥‼︎」
エノク
「貴女ね‥私を引きちぎる奴の餌食になってほしくなかったからよ」
蒼穹
「どっち向いて言っとるか‼︎」
「このすっとこ‼︎この顔見てまだヘラヘラしてると?」

蒼穹に
ベクトルは
向けない

だから
そっぽ向いて
答える

向き直り
笑顔で答える

エノク
「現状では悪鬼の強襲に対応出来なかった。書物あっても惨敗だわ‥」
「聖釘。少し改良点が必要ね。でないと、私達、二の舞だわ‥」
蒼穹
「 」


都市部
上空から更に
高度を
上げる

フィー
「遥華様の元に案内する」
「無事を報告しなければな」


エノク
「誰‥?」
フィー
「死んでも母は居る」
エノク
「ママ‥?」

侵食者を
禊に向け
投棄した
攻防神が
放牧
されている様に
散開する

損傷しながらも
煙を上げ
何処かへと
飛んで行く

エノク
「あれは直るの?」
フィー
「問題無い」

都市部を離れ
丸い造形をした
中央区

一際高い
場所へと
高度を
上げる筈が

エノク
「最上部には行かないの?」


フィー
「そこではない」

よく見ると
丸い造形をした
中央区は
回っている

自転している様だ

滝の様に
膨大な水が
流れている


この膨大な水
何処から
湧いてるの
かしら?

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