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蒼穹の見聞録9

悪鬼は
笑う

救いの無い
人類に

こっちは
笑えない

エノク
「だから壊すの?」
「貴方、表情無いから読み取れないわ」


悪鬼
「どうした?仲間の居ねえ農村で16年‥俺と調和取ろうってか?」
「書物で神殺しを果たす。宣戦布告もした」


蒼穹
「‥興味無いっスね」


悪鬼
「嗚呼、俺もお前に興味無ぇ」
「用があるのはエノクだからな」
蒼穹
「さっきみたいに‥笑いながらエノクを引き裂いたんスか?」



エノク
「‥蒼穹⁈」
悪鬼
「華奢な小娘ともっと遊びたかったがな」
「時間もねえからよ」


納屋を
真っ赤にしたと
証言しかけた
悪鬼に

蒼穹が
ブレードで
悪鬼に
斬りかかる

笑いながら
鋭い爪で
受け止めた

悪鬼
「お前こそどうする気だ?」
「取引に応じればお前の半分は返してやる」
エノク
「 」
蒼穹
「エノク、戻れなくなるっスよ!」
エノク
「ええ」

聖釘

1.5mの
極小サイズで
悪鬼を捉える

閃光が
伸びる

避けた⁈

10本に
増やすも

悪鬼の
動きは
俊敏に
かわされる

悪鬼
「聖釘とは驚きだ」
「エノク。お前のその身体と言い、小一時間問い詰めてえな」

蒼穹
「くっ!早いっス!」
「⁈」

まずい
蒼穹が
頭を掴まれる

式を
破壊されたら


迅速に
交代した

悪鬼
「 」
蒼穹
「な‥⁈」
「え、エノク⁈」


悪鬼
「‥おお⁈」
「おいおいおい‥」


痛みで
もがく

歯を
食い縛る

掴まれた
圧が
どんどん
増していく

義体に
爪の先端が
刺さる

エノク
「んああ‼︎」

悪鬼
「面白い身体してるなエノク」
「尋問してみるか?」


エノク
「う‥っぷ」

たまらず
吐き気
手で
押さえつけ
無理矢理
飲み込んだ

悪鬼
「傑作だ。インターロックまでついてやがる」
「まぁ良い。で、どうなんだエノク?」
蒼穹
「エノク!交代を!」


悪鬼
「この身体で満足か?お前の半分はまだ輝きを失ってはいねえ」
エノク
「 」
悪鬼
「返してやっても良い」


蒼穹
「蒼穹が守る!」
「エノク!」


エノク
「 」
悪鬼
「最初で最後だ。選択しろ」

‥私に?

選択の
余地など
無いくせに

答えは
決まってる

私の
本質は
変わらない

エノク
「ソムドエンゲラの項目をプラス」

私の魂を
悪鬼が
握りしめた

義体が
握り潰され

私の
意識が
飛んだ

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