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20. ミッションがなくてイモーションだけ

ぐっさり胸に刺さった話があります。

今朝のレッスンのことです。
クライエント:Tは、非常に国際的な外資系企業でのアジア圏統括をしている方です。つい最近までは日本で働いていました。
そのTが、日本は人材が少ない…とこぼしたのです。

どんな人材が欲しいのかと聞くと、英語ができて、考え方がオープンで、ポジティブ・マインド・セットな人と答えます。
え?それくらいいるだろう、そんなにいないのかと聞くと、自社の専門フィールドでの経験があって、国際的な会社で働いたことがある人が欲しいのだと言います。
ああ、なるほど。御社のフィールドでは確かに経験者が少なそうだと応えると、一応候補者はいるのだけれど、これから1・2年かけて育てなければならなくて、即戦力にはならないのだと言うのです。

そして、80年代生まれのTは、今の日本の90年代から2020年代の世代を「若い人たち」と呼んで、以下のような話を始めたのです。

今の若い人たちは、80年代生まれの私とは考え方が違います。
自分の気持ちが大切なんです。仕事が生きがいじゃありません。
毎日仕事はしていますが、生活の生きがいがない。
仕事も生きがいじゃないですから、そのクオリティーも良くない。
今はミッションがなくて、イモーションだけですね。

今、日本の経済は何をしてもお金が少ない。
だから、若い人たちは無理をしたがらない。
日々生きているだけです。
昔は人は、将来のプランを立てて生きていました。
今は将来が見えないんだと思います。
若い人たちの50%は将来を諦めていると思う。

日本での人事管理は難しい。
私は、人には優しいけれど、仕事にはとても厳しいです。
だから部下が締め切りを守らないと、よろしくないとパフォーマンス評価をする。
でも日本人は、上司が厳しすぎるのが嫌いです。
話を聞こうとしなくなる。
メンタリティーが弱いです。
この間も、仕事は進んではいるものの、締め切りが守れていないので、厳しく注意したところです。

Tが日本に滞在していたのはコロナ禍の3年ほどです。滞在中に彼が目の当たりにしたのは、「50%は将来を諦めている」日本の若者だったのですね。
一方で、私が抱える外国人クライエント達は、日本語が話せない日本国籍者も含め、若い人も中年もいますが、皆それぞれに自分のミッションを掲げ、それを達成するために日本や海外で日々がむしゃらに活動しています。

その格差をはっきりと表したTの言葉は、日本の未来をも暗示しているようで、ぐっさりと胸に刺さったのです。


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