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16. 受けてきました。登録日本語教員試験(施行試験)

受けてきました。
登録日本語教員試験の施行試験とやらを。

読者の方で、受験なさった方いらっしゃいますか。
…えらく易しくなかったですか?いいのかな、あれで国家試験って。

現在日本語教師をしている者は、この試験を受けなくても、何か別の講習を受けることで登録日本語教員になれると小耳にはさんだことがあります。
ですが、もしその何か別の講習に数日の時間と費用がかかるなら、この試験を受けてしまうほうがよほど楽なのではないかと思いました。

さて、試験についてです。

試験は3部構成で、基礎試験100問を120分、応用試験1(聴解)が50問45分、応用試験2が60問120分だったと思います。
なにぶん試験問題は回収されてしまったので、既にうろ覚えです。
ですから以下は、完全な私の印象の記録です。
ついでにいうと、私が日本語教育能力検定試験を受けたのは10年以上も前のことなので、そのときの印象との対比となります。

まず正直な話、私には基本試験と応用試験2の違いがよく見えませんでした。

もちろん基本問題には応用問題2にはない日本語教育に関する最新のデータ、例えば国内外の日本語学習者数とか、CEFRのこととかを問うものがありました。個人的には教員が、海外・国内全体での学習者数なんか把握しておく必要があるのか疑問ですが、これは一応把握してくべきなのでしょう。
でもそれ以外の基本試験と応用試験2の違いって…?

試験当日、試験会場で、応用試験2の試験時間が120分と知ったとき (すみません、試験直前に時間割を見て気づきました)、「うへえ、これって記述問題なんだろうなあ」と思ったのです。過去に受けた教育能力検定試験では記述問題がありましたから。
この記述問題とは、限られた時間で日本語教育事情とか、言語事象とか授業の現場での問題とかに関する問いに対し、自分の考えを論理的に述べるものです。
あれはきつかった。特に授業現場の問題なんて、はっきりした正解はないですしね。それでも自分の考えを簡潔に論理的に述べ、読み手を納得させなければならない。
ただ、あれがあるなら、「登録日本語教員試験」が全国的に日本語《教員》の質を保証できるものだと堂々と言えるな…と思いました。

ところが、試験開始直前に配布された答案用紙はマークシート用紙でした。目が点になりました。試験開始後、さらに目が点になりました。応用問題は長めの文章を読んでから問いに答える形式ではありましたが、午前中に受けた基本試験と中身が大して違いが無いように思えたからです。
また、問題によっては選択肢をよく読めば知識が無くても解答を絞り込めたり、解答が見えてきたりするものがあったようにも思います。つまり、読解力さえあれば、かなりイケるんじゃない?と思わせるような問題です。頭を使う必要をほとんど感じず、45分でやり終えてしまいました。
試験をやり終えても途中退席ができないので、他にすることもありません。残り時間は寝ていました。終了直前に目を覚まし、前方の席の人たちを見てみても、鉛筆を動かしている人は見受けられなかったので、問題が簡単だと感じたのは私だけではないのではと思います。
まあ、施行試験の注意書きには、この試験は開発中だから、信頼性・妥当性はまだ無い…みたいなことが書いてあったので、仕方がないのかもしれません。
今回の応用試験2の内容は基礎試験に組み込んでしまって、新しい応用試験2として記述式の試験をしてもよいのではないでしょうか。

解いていて楽しいと思ったのは、応用試験1(聴解)でした。
音声を聞いて、その話者(学習者)の日本語の何に問題があるのかを判断するもの。これは現場で必須のスキルの1つですから、試験問題にはぴったりだと感じました。

ただ、問題は基本的に選択肢のみが書かれているだけだったので、何を答えればよいのか判断に迷うようなものがあったのにはちょっと困りました。
例:口腔断面図のみが書かれているだけで、聞こえてくる音声と同じ口腔断面図を選ぶべきなのか、そうではなくて本来発話されるべき口腔断面図を選ぶべきなのかとか。

他には…午後の応用試験2つの間に挟まっていた休憩時間が長いなあ…と思ったくらいかな。
ああ、あと、試験申込はWeb上で完結できるようになっていて、受験票の発行も試験申込システム上のマイページになされるようになっていたのですが、その受験票を「プリントアウトして持ってこい」なんていうのはやめてほしかったですね。皆がみんな、プリンターを持っているわけじゃないですし。
そのうえ、試験当日の自分の机には、その受験票に加え別の身分証明書も置いておかなければならないなんて。
もうちょっと何とかなると嬉しいです。

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