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Jリーガー・河野貴志選手インタビュー

ブラウブリッツ秋田所属Jリーガー・河野貴志選手(弊社アドバイザー)への取材が実現…!

九州出身・河野選手の進路選択時の様子や環境についてお話を伺いながら学生アスリートから募集した質問にもお答えいただきました。

是非最後までご覧ください↓

はじめに 

ー河野選手のご紹介として、今までの進路選択と当時の心情や様子を教えてください。

生まれ育った地元・人口1万人の町の少年団でサッカーを始めて、中学でのチーム選びが最初の進路選択でした。

その時は、地域の選抜で一緒にやっていた子と同じ中学校に行ったら、最初から良い関係性が作れるかなという気持ちもあってクラブチームではなく、地元の中学校を選びました。

今でも地元に帰ったら集まるくらい人生で1番の友達が出来たと思うので、中学校に上がるときは友達の存在が大きかったですね。

高校の進路選択の時は、中学時代県の選抜メンバーに選ばれた経験もあって、"やっぱり上に行きたい"と思っていました。

そして、決め手の一つになったのは中学2年生の時に観た県予選の決勝、鵬翔高校に行った先輩の高3の試合でした。鵬翔と日章の対戦で、結果0−1。鵬翔は選手権の出場権を掴めなかったんです。

その場の雰囲気だったり、悔しんでいる姿を目の当たりにしたとき、"チームに自分が入って勝ったら面白いな"という感覚になりました。

どちらかというと逆のことがしたいじゃないけど、“下剋上の方が面白いな”っていう気持ちが強くて最終的に鵬翔高校に決めましたね。

大学を選ぶときは、“高校の延長線上のような同じサッカースタイルのチームより、サッカーの色が違うチームでもっと上手くなりたい”という気持ちがありました。

その中で受けた関西大学のセレクションで、各地域から集められた選手と一緒に練習したとき、“こいつらともっとサッカーをやりたい”って思うくらい楽しさを感じたんです。

向上心のある選手が多かったし、ユースチームの選手はプロ意識がすごく強い。

だからこそ、もっと頑張っている選手が身近にいるっていう危機感があって、良い意味で成長できるんじゃないかと。そう思える選手と一緒に4年間頑張りたいなっていう気持ちで大学を決めました。

“立ち位置を知れる環境”に身を置く

ープロ選手として今、学生時代を振り返って、学校・チーム選びにおいて大切だと感じることはありますか?

高校の時、地元宮崎が結構キャンプ地になるので、Jリーグのチームとの練習試合があったんです。

マッチアップする選手にコテンパンにやられても、プロの基準じゃないですけど、“もっと頑張らないといけないな”と思わせてくれる1つの経験になっていました。

大学に入ってからもガンバ大阪と練習試合することが多くて、大学1年生の時にパトリック選手とマッチアップして吹っ飛ばされた経験もあります。

今まで吹っ飛ばされる経験があまりなかった自分が吹っ飛ばされた時に、やっぱりプロは違うんだなっていう気持ちにならせてくれた。

自分の立ち位置を見せてくれた経験が自分の向上心にも繋がりました。そういった環境下にあるチームとか学校を選ぶことも選択の1つだと思います。


人と繋がる大切さを学んだ学生時代

ー学生時代に学んで今役に立っていることはありますか?

学生は周りに誘惑が沢山あるからこそ、自分がサッカーにどれだけ100パーセントで打ち込めるかで、他の学生との差が出る。

チームスポーツは意識の差が裏目に出ることもあるし、みんなで全国に行くんだっていう気持ちを持って行くのが難しいんですよね。

その中で関西大学は部員が200人ぐらいいても、上から下のカテゴリーまでみんなが1つのカテゴリーを応援に行ったりと、団結力がありました。

最後のインカレもみんなで応援に来てくれるし、1番下のカテゴリーでも、大学で引退するって決めた選手も最後まで必死に頑張るし、人間的な部分をすごく成長させてくれるチームだと思います。

大学では週1回小学生、幼稚園生のスクールでお父さんお母さんたちとの交流があって、コミュニケーション能力が身につく活動もありました。

そこから仲良くなってプロになってからの試合も観に来てくれたり、人との繋がりを大切にしていた環境のおかげで今でも交流が続いています。

"とにかく腐らずに"励んだ時期

ー上手くいかない時期はどのように過ごされていましたか?

大学リーグで試合に出れていなかった時期に、どこで誰が見ているかわからないから、とにかくもう日頃から100パーセントでやること。見てくれる人もいるし、評価してくれる人も絶対いる。それはずっと思っていましたね。

それもやっぱり経験なんですけど、高3の時に宮崎県予選の決勝をプロのスカウトが見に来ていて、進路の選択肢にも繋がったんです。

その時に「県予選でも見てくれる人がいるんだ」と思いましたね。大学で試合に出れない時もとにかく腐らずに、最後までやり続けたら誰か見てくれると思い続けていました

高校時のスカウトの方と試合で会った時に「腐らずに頑張れよ」と、声を掛けてくれたこともすごく励みになっていました。


プロ選手になった今、心掛けていること

ー学生時代を経て、プロになってから6年。心掛けていることはありますか?

常に日々の積み重ねだと思っています。特別なことはしないというか、どんな時も普段通り、いつも通りのことをやるのが1番良いかなと自分の中で思っているんです。

何をするにもブレずに、いつもやっていることをやり続けること
を大事にしていますね。

そして、学生の時の気持ちを忘れないことも大切にしています。

プロを目指してきた時の努力する姿勢をプロになっても続けられる人が結局残っていくと思うし、プロになれたからいいやではなくて、プロになれたからこそ、そこでまた1段階も2段階も成長していく向上心を持つことが必要だと思っています。

ー選手や監督とのコミュニケーションにおいて学生へのアドバイスはありますか?

意見を言うときは、片道切符にするのではなくて、相手の意見も受け入れてあげた方がチームも良くなるし、その子との関係性も良くなる。

相手が受け入れやすい話し方をすることが大事だと思いますし、聴く時は素直に受け入れることができる人がやっぱり良い選手になっている気がします。

選手同士でもコミュニケーションを取って、先輩後輩の間の架け橋としてそれぞれの意見を自分なりにちょっと優しく伝えるような思い遣りの意識が大事だと思っています。

監督とのコミュニケーションでは、試合で上手くいかなかった点をビデオで確認し直して、色々案を出してから、「このシーンは僕は〇〇と思いました」っていうように話すと考えを受け入れてくれる。その上で「もう1つこの考え方もあるんですけど、どうですか」という提案を含めた話し合いをすることもあります。

中学生からの5つの質問

Q1.スタメンで選ばれたとき、どんな気持ちで試合に臨んでいますか。

1番は無失点、0で抑えること。そして、ディフィンスですけど、セットプレーはヘディングでゴールも狙う。もう試合出て勝つしかないでしょっていう気持ちで臨んでいますね。

Q2.ブーイングをされた時の対応はどうしているんですか。 

ブーイングされるってことは自分たちが結果を残せてないっていう証拠でもあると思っているので、自分たちに喝を入れてくれてるんだと感じています。

ブーイングしてくれてる人がいるからこそ、応援されてるんだっていう気持ちになるし、応援してくれる人がいるからこそ、ブーイングを受けれるというようにプラスに捉えた方がいいのかなと思っています。

Q3.PKを蹴るときは何をお考えですか?

試合中にセンターバックでPK蹴ることはほぼないけど、PK戦の時は結構キックに自信があるので、キーパーとの駆け引きというよりは、良いコースに良いボールをっていうイメージで。相手キーパーを見ちゃうと、かきひきされる可能性もあるから。しっかりちゃんとコース狙えば入ると自信を持って蹴りますね。

Q4.自主練のメニューは何がいいと思いますか?

人それぞれポジションとかにもよるけど、シーズン中にある自主練は自分の弱みを中心に。自分はステップの踏み替えのところやヘディングの強化、キックの質を上げるための強化練習をしています。

シーズンオフであればマーカーとかを使って1人で出来るステップとか、アジリティ系をします。どちらかというと心拍数を上げるためのアジリティトレーニングが多いですね。

Q5.最後に今シーズンの意気込みを教えてください!

やっぱり今年は去年以上の結果を出すことが必要だと思うし、38試合をフル出場っていうのが1番の目標です。それプラス、セットプレーも多いから5点決めたい。チームとしてももちろん昇格を狙うけど、個人としてもJ1を狙っていきます!


最後に

今回は現役で活躍されている河野選手にアドバイザーとして、学生アスリートの皆さんが気になる進路選択の当時の様子や心構えを中心に伺いました。

大学で試合に出れていなかった自分が、プロで今年6年目を迎えられているので、学生の皆さんに伝えられるところがあると思っています」と話す河野選手が得てきた知見を、学生の皆さんにお伝えできる記事になっていることを願います。

今年のオフシーズンにはさらに実践的な企画として中学生対象のフットボール×トークセッションを計画中です。お楽しみに…✨

最後に、今回の取材にあたり質問を送ってくださった皆さん、ご協力ありがとうございました。


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