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ホロの推し活英語講座1:よく使う用語集

はじめに

前回の記事では、私の予想よりも多くの方に読んでいただいており、思ったよりも需要があるもんだな、なんて思っておりました。holoEN Advent (EN3期とは呼ばない) のデビューもあり、英語で海外ニキとコミュニケーションを取りたい需要も高まってきていたりするんでしょうか。

さて、そんな需要にお答えして、ホロライブ推し活英語講座と銘打ったシリーズを書き始めてみます。我々日本のファンが海外ニキたちと一緒に推し活をしたり、英語圏のタレントの応援をしたりするために役立つ知識やスキルをお伝えできれば、なんて思っています。行き当たりばったりで始めていますので、どういう感じになるかはわかりませんが……。ネタを思いつき次第どんどん書いていきます。

本日はその第一回。まずは推し活のためのリングワ・フランカを知りましょう!というものです。普段私達が推し活で使っている「あの言葉」は、英語ではなんて言うのでしょう?そのまま日本語で伝わってしまうものから、海外のオタク文化に合わせたものまで、ざっくばらんに紹介していきます。


日本語でそのまま通じるもの・おおよそ日本語なもの

oshi: 推し

推しです。そのままです。英語だとfave(favouriteの略)とも言いますが、ことホロライブ界隈においてはもっぱらoshiを使う事が多いです。最近VTuberにハマったと言っている人がfaveを使っていたことを見かけたことがあるので、界隈外ではfaveもよく使うのかもしれません。


A: Who's your oshi(君の推しは誰?)
B: Kanatan(かなたんやな)
A: Good taste! She's so cute(いい趣味してるね!あの子めっちゃかわいい)
B: ikr(だよな?) ※ikr = I know, right? = わかる、そうだよね?みたいな感じ

ちなみにファン側を意味する言葉としてはfan, stan, simpなどがあります。fanは文字通りファン、stanとsimpはどちらも熱狂的なファンとして使われますが、VTuber界隈ではsimpの方がよく見る気がします。ただし、stanやsimpにはネガティブな意味(熱狂的すぎて迷惑行為をも厭わないような)もありますので、冗談で使う分には良いですが場面によっては失礼になりかねません。

kusa: 草

草もそのまま通じます。もちろんlolやlmaoを使う人が多いのですが、たまにkusa単体でlolの代わりに使っているのを見かけます。


Streamer: (なんか面白いことをする)
Chat: kusa(草)
Chat: big kusa(めっちゃ草)

その他

他にもたくさんあります。このあたりを見ているとVTuberの推し活におけるリングワ・フランカは日本語なのではないかと感じます。また、「お疲れ」みたいに英訳しにくいものもそのまま日本語として使われがちです。

  • seiso: 清楚

  • akasupa: 赤スパ

  • otsu: おつ(お疲れ)

  • sasuga: さすが

  • teetee: てぇてぇ

  • kaigai niki: 海外ニキ(overseas brosが正しい英語)

日本語とは違うもの・海外特有なもの

backseater: 指示をする人(指示厨)

これは初見ではわかりませんよね。もともと「backseat driver=後部座席からいろいろ運転について指示をする人」というフレーズを縮めたもので、それが指示厨と同等の意味で使われるようになりました。これはホロ界隈だけでなく、ネット界隈全般でよく見かけるスラングです。ちなみに指示行為をすることはbackseatと言い、動詞として使われる事が多いです。


Chat: you better take it(それ取ったほうがいいよ)
Streamer: Please don't backseat, lemme play as I like(指示コメしないでね、好きにプレイさせてよ)

ちなみにKiaraさんの配信概要欄には次のように書かれています:
「Backseating is welcome in most of my streams unless I say so. No spoilers!」(指示行為は私がそう言わない限り私のほとんどの配信で歓迎します。ネタバレはダメ!)
一方でAmeliaさんの配信概要欄は:
「Try not to backseat」(指示行為をしないように)
とあります。このように、配信者によってチャットルールが違うことが結構あります(他にも、配信開始前に雑談をしてよいかなど)。チャットに参加する前に概要欄をチェックしましょう。

clip: 切り抜き動画

「切り抜き」を直訳すると「cut out」になりますが、これを動画に使うのはちょっと微妙です。実際に使われているのは「clip」です。動詞としても使えます。


A: yesterday's KanaLuna moment was good one…(昨日のかなルーナは良いものだった……。)
B: I missed that, any TL clips?(見逃してしまった、翻訳切り抜きある?)※TL: translation(翻訳)

watchalong: 同時視聴

これはよく見かけるので結構ご存知の方も多いのではないでしょうか。同時視聴をそのまま英訳すると「watch (a film, a movie, etc…) together」みたいな感じでちょっと長ったらしいので、watchとalong(一緒に、という意味の副詞)を重ねて「watchalong(ウォッチャロング)」と呼んでいます。これは初めて知ったときに「なるほど!」と思いました。調べてみると「fandom slang」と書かれている事が多いので、紛れもなく推し活用語でしょう。

F: (プレイヤーが死んだときや死が確定したときに使う)

これは推し活だけでなくネットスラングとして広く使われています。意味はRIPと同じで、死者に対する追悼です。よくゲームでプレイヤーが死んでしまったときや、もう死が確定しているときに使います。なんでFかは検索すればすぐに分かると思いますが、CoD:AWのQTE(クイックタイムイベント:ムービーなどの最中にコマンドが表示されてそれを押すイベント)で「Press F to Pay Respects(追悼を示すためFを押せ)」と表示されたことで「そんなQTEいらんでしょw」ということでネットミーム化したものです。Wikipediaにも記事があります。


Streamer: Nooo! Wait! I'm dying! (だめえええ待って死んじゃう!)
Chat: F

ちなみに僕は最初、プレイヤーが死んだときにみんながFを連投しているのを見て「クソ!死んじまった!」って言いたいけどFワードを直接投稿するのはよくないので「F」だけ書いているのかと思っていました。

spam: 連投

これはどちらかというと「日本語でもほぼ同じ使われ方をする英語」のカテゴリですが……。

スパムというと「スパムメール」みたいな「迷惑行為」のイメージがありますが、スパムの語源を辿れば(ここでは説明しません、Wikipedia参照)「メッセージを繰り返し送信してなにかを溢れさせる行為」であることがわかると思います。つまり、絵文字の連投もスパムと呼ばれます。

Koseki Bijouさんのデビュー配信での一幕。突然「SPAM ⛏」と書かれたメモが頭に貼り付けられましたが、これは「つるはしの絵文字を連投して」という意味。結果チャットに大量の⛏が連投され、割られたモアイの中からBijouさんが登場しました。(ちなみに僕は最初🔨かと思った)

同様に、ゲームなどで特定のキーやボタンを連打する行為もspamと言われます。


Streamer: I was spamming F but it didn’t do anything!
(F連打してたけど何も起きなかった!)

ping: Discordのメンションの通知

配信中に登場する用語というよりDiscordのファンコミュニティで使われる言葉ですが、英語ではメンションで相手に通知を飛ばすことをpingと呼びます。意外と日本では使われていないんですよね。これは返信の通知も含みます(日本語だとメンションはメンション、返信は返信で分けて呼んでるイメージ)。


A: @B sorry for the ping, but what's going on with it again?(@B 通知飛ばしてごめんやけど、これってどうなってるんだっけ?)
B: no worries, I think she said she wanted to do that tomorrow…(気にしないで、明日やりたいって言ってたと思うけど……)

ちなみに上記の例のように、海外VTuberコミュニティではむやみにpingを飛ばさないようにするという暗黙のマナーがあります。同じ海外でも他の界隈だとまた常識が違うようですが、やはり無闇に @everyone をすると嫌がられるのはどこも同じようです。


日本語を直訳して英語として使われるようになったもの

frame: 枠(配信枠)

代表的なものはこれだと思います。正しい英語は「waiting room」で「put up a new stream/waiting room(=枠を立てる)」みたいに言いますが、frameでも通じることがほとんとです。

例文
oh today's frame is up(お、今日の枠立ったぞ)

おまけ:使って後悔した言葉

まだ海外ファンコミュニティに参加して間もない頃、適当にネットで調べて知った言葉を使って後悔したことがあります。当時の状況はこんな感じ。

僕「どうせ***がたくさんいるだろう」(***:その言葉)
A「その誤字はやばいwww」(あまりにもひどい言葉なので誤字だと勘違いしている)
B「やばいやばいww」
僕「え?これってこういう意味じゃないの?」
A「うーん、どこでそれを知ったのか知らないけど、みんなの前では使わないほうがいいよ。ちょっと……強すぎる。」
B「待ってそれ誤字じゃなかったのか。理由を説明するのは難しいけど、とにかく使わないほうがいい。」
僕「ごめん、気をつけるよ」

その言葉が何かはここに書きませんが、「杞憂民」を意味するスラングだとしてとあるWebサイトで紹介されていました。よく調べもせず適当に使ってしまったところ、みんなに「その言葉は使わない方がいい」と注意されてしまったのです。このように、良くない言葉を知らず知らずのままに使ってしまうことは初学者にありがちです。特にネガティブな意味の言葉や卑語 (swear word) は、使う前に一度、本当にその場所で使っていい言葉なのかを調べるようにしたほうが良いでしょう。

では、杞憂民は英語でなんて言うのでしょう……?天音かなたさんのファンDiscordでは「kiyuumin」として定着していますが、他はどうなんでしょうか?よかったら教えてください。

おわりに

というわけで、思いついた用語をざっくばらんに解説してみました。他にもたくさんのスラングやフレーズがありますし、「belok」や「halu」などインドネシア語由来のスラングもあります。これについては今後また紹介していこうと思いますので、ぜひフォローして今後の更新をお待ちいただければと思います(ネタ切れしない限り1ヶ月に1回程度は投稿しようと思います)。「これなんて言うの?」とか「これ入れてほしい」等あれば是非お気軽にコメントやXで教えて下さい。

注意して頂きたいのは、界隈やコミュニティが違うと使うスラングやトーンも大きく変わるということです。今回挙げた用語はホロライブ界隈であればどこで使っても問題ないものばかりですが、コミュニティに参加するときはまずROM専で雰囲気を感じてからの方が良いでしょう。日本語のコミュニティでも重要なことですから、学習言語のコミュニティであれば尚更のことでしょう。まさしくそのために、日本語には「半年ROMれ」というスラングがあるわけですから。

ちなみに海外で「半年ROMれ」にあたるフレーズは、半年という期間を定めていないものの「lurk more」があります。ROM専はlurkerと呼ばれます。

末筆ながら、いつも内容に訂正やコメントを入れてくれる海外ニキや英語学習者の友人たちに感謝します。私が彼らと交流しているDiscordサーバはこちらから参加できますので、興味があればご参加ください:

次回は、気が変わらなければ「ホロ界隈の海外ニキが好きなJPメンバーの語録」を紹介しようと思います。これは正直言うと有名所しか知らないので、海外ニキたちにヒアリングしながら調査していこうと思います。

追記:9月19日
Spiritsnareさんがいくつかフィードバックをくださったのでアップデートしました。Thanks!

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