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ヴァレイPickup!!① SHIRYU TAKAHASHI

ヴァレイでは従来までファッションデザイナーやアパレルメーカーなどのいわゆる"プロ"を中心にお洋服作りをお手伝いさせていただいていました。

しかし ECの拡大や副業の解禁などにより「これからブランドの立ち上げをしたい」という要望を非常に多くいただいていたこともあり昨年度から徐々にファッションブランドの立ち上げをトータルサポートさせていただくヴイツクというサービスをスタートさせていきました。

そんなヴイツクによりブランドをスタートさせたお客様を「ヴァレイ Pickup!!」と名付けてインタビューを行いご紹介していきたいと思っております。

このヴァレイPickup!!を通じてブランド立ち上げの夢を実現したい方や、実際にスタートしたけど苦労していたり葛藤している皆さんにこの記事が届いて少しでも夢の実現のお力になれればと考えております。

今回ご紹介させていただくブランドはSHIRYU TAKAHASHI様です。

SHIRYU TAKAHASHI様からお問い合わせをいただいたのは2023年の2月でした。

高橋さんと初めてお話ししたのはヴイツクというサービス自体を立ち上げたばかりで僕も直接商談に入らせていただいていました。
僕の当時の商談メモ(2023年2月16日)にはこんなことが書かれています。

まず、前提としてパリコレを目指していきたい。
全てがすぐにできるわけではないので自分でできることからやっていこうと思う。

(結果としては25SSのパリコレの切符を手に入れることになります)

ブランド立ち上げについて

SHIRYU TAKAHASHIのデザイナーである高橋さんにインタビューを行った。

:簡単な経歴について教えてください

高橋:高校卒業後凸版印刷の工場でオペレーターをしました、その後PRADAでバックヤードで働きました、そこからwebデザイナーの専門学校へ通い、webやグラフィックのフリーランスデザイナーをした後に株式会社MYARTという制作会社を立ち上げました。そして会社経営やデザインの仕事をしながら週1回バンタンの社会人向けのキャリアカレッジに通ってブランドを起こす準備を始めました

:ヴァレイへの問い合わせの経緯を伺ってもいいですか?

高橋:もともとは個人のOEMを受けてくれている方や他社サービスなどを使ってブランドの立ち上げを検討していたのですが、サービス面や生産ロットの問題で立ち上げができませんでした、そこでもともとTwitter(現X)でフォローしていたヴァレイに問い合わせてみました、バンタンの先生もヴァレイのことを薦めていたこともあって

:他社さんでは何が問題で生産ができなかったんですか?

高橋:まず他社さんの場合だと最低ロットが30着や50着になっていて、ブランドの立ち上げとしてはリスクが高いと思いました。ヴイツクだとサンプル生産後の量産作成の生産ロットの縛りがないのと受注生産にも対応しているので

:個人の方はどうでしたか?

高橋:すごく丁寧に対応してくれるんですが、逆に介入も多くて例えば生地を選ぶ時にも「自分はこれがいい」と意見をくれたりするんですが少し合わず

:実際にヴァレイにお問い合わせをいただく方の多くはサンプル作成後30着以下の極小ロットでの生産を希望される方で、ロスなく受注生産を行いたい方が多いので高橋さんはまさにヴァレイとしても希望通りのお客様でした

ちなみに社会人を経験された後webデザイナーの学校へ通ったりフリーランスとしてお仕事をされたいたりしてとてもいろんなことに挑戦されていると思うのですが、デザイナーになるために考えて行動していたのですか?

高橋:全て考えていたわけではないのですが、結果としては良かったと感じています
ただ19歳の頃から洋服の学校に通ってファッションの仕事がしたいと思っていたし、それを周りにも言っていたのでそれが形になったと思っています

:ファッションデザイナーという夢に挑戦したくてもなかなかできなかったりする方も多いと思うのですが、高橋さんが踏み出せた要因はありますか?

高橋:2つあって、1つ目は制作事業の収入源があることです、ファッションデザイナーとして食べていけるようになるまでお金も時間もかかるので別の収入があるのはとても良かったと思っています
もう一つは昔から「絶対にやる」と周りに言っていたことですかね、言ったからには実現しなきゃいけないと思って頑張りました

パリコレ出展が決まって夢を手繰り寄せた行動力


:確かにデザイナーだけじゃないですが夢を追おうとすると現実的には食べていくためのお金も必要で売上が上がるまではある程度の収入が確保出てきていると計画的に進められますね、あとは有言実行は素晴らしいですね!ちなみにパリコレに出るって聞いたんですが?

高橋:そうなんです、25SSのパリコレへの出展が決まりました

:めちゃくちゃすごくないですか?笑

高橋:もともと洋服のデザインがない時からパリコレにでたいと思っていたので、とても嬉しいです

:どんなキッカケだったんですか?

高橋:商品を作ったあとweb広告を出したりしていたんですが、その広告を見てくれたエージェントの方からお問い合わせをもらって、ミラノコレクションはどうか?とも言われていたんですが、絶対パリだ!ってパリコレにしました笑

:夢を実現させたわけですね
広告を見てくれたというと「偶然」というイメージですが、実はコレクションブランドを立ち上げてすぐに広告を打ってマーケティングしようとする方も少数派だと思っています
みなさん実は作ることは集中するけど売る方は後回しというか、職人気質で「いいものを作ったら売れる」というところから始める方が多いです
そういう意味ではwebの仕事を通じてマーケティング脳ができていたことも今回のきっかけになりましたね
今ぶつかっている壁はありますか?

高橋:壁というかもともとの戦略としてブランドをローンチしても誰も知らないという前提があります、ネットだけで売っているので誰も知らないところからスタートします。だからマーケティング戦略としてまずはパリコレへの出展ももちろんですし今はアジアのデザインアワードでもファイナリストになっていたりして、とにかく認知拡大を優先させていきたいと思っています

:売れない、知らないという前提からスタートできるのは本当にすごいです!
このマーケティング思考はどこから得たんですか?

高橋:フリーランスで仕事をしているので自然とそうなることもありますが、専門学校時代の友人でwebマーケティングをしている友人と日頃からマーケティングについて話していたりして身近なところから学べることが多いです

夢の理想と現実とその先

:抽象的な質問ですがヴァレイと服作りをしていてどうですか?

高橋:もともと平面を元にデザインをしていたのでサンプルを見た時にシルエットが想像と少し違ったんですが、そのギャップがめちゃくちゃ良くて感動しました、イメージとずれていたこともどんどんと取り込んでデザインに生かしたいと思っています、想像できなかったものが違う方向から入ってくるのはとても面白いです


:ヴァレイとの服作りの中で「More Point!!」(改善点)などあれば教えてください!

高橋:More Pointはあまり無いのですが、こちらが知識がない中で進めていくのでデザインの打ち合わせの時に「ここってそんな名前なんだ!」と新しい発見があったりしてイメージを言語化できるのはとても楽しいです

:ちなみに最初の1着は誰が買ってくれました?

高橋:最初は母親ですね

:最高ですね!
私の個人的な見解ですが母親とか親戚とか友人とか身近な人って1番その人の夢や熱量を知っているからその人が買ってくれることってすごく重要だと思うんです。
「巻き込み力」っていうか、第三者の方に買っていただくことが注目されがちだけど仲間が応援してくれるブランドは本当に強いと思います
最後に服作り、ブランドの立ち上げを周りの方にお勧めしますか?

高橋:めちゃくちゃやりたいなら絶対にやった方がいいです、でもやってみようかな?くらいだとやめた方がいいかもしれないです、私も19歳から絶対にやると決めていたのでいろんな準備ができましたし焦って売上を上げなくてもいいように戦略的に広げられるような環境を作って挑戦するのがいいと思います

:そうですよね、私も経営者として夢を追っていますが、夢を追っているとお金もかかるし売れない時期は本当にしんどいですもんね、やめてしまおうかと思うことも何度もある、でもそれでも人生は1度しかないので絶対やろうと思うのであればぜひ挑戦してもらいたいと思います!今日はありがとうございました!

高橋:ありがとうございました!

最後に

僕は成功している人をたくさん見ていて「本気」という言葉の輪郭が昔と少し違ってきていることに気がついた。
昔は寝ずにとにかく必死に足掻いて、苦しみながら汗水垂らして前に進むことが「本気」と思っていたのだけれど高橋さんをはじめとする本気で夢を叶えようとする人は「本気」で夢が叶うための方法をとっている。

ブランドが継続できるように別の収益源を確保したり、初年度は売上を上げることよりも認知の拡大に優先度を高く置いて、コストを量産のコストではなくパリコレなどのマーケティングに投下したり。

もちろん泥臭く進む部分もあるのだけれど本気で夢を叶えようとしている人は皆ただ泥臭いだけじゃなくてしっかりと準備まで本気でやっているんだなと思う。
この準備まで本気でできるかどうか?が成功の秘訣なんだろうと思うのである。

SHIRYU TAKAHASHIは2023年から始まった新しいブランドではあるが、やっぱりブランドの中心は人であり、今後も非常に楽しみなブランドである。
ヴァレイもパリコレのルックのお手伝いをさせてもらうのが楽しみで仕方ないです。

SHIRYU TAKAHASHI

Brand

レディースウェアを取り扱うデザイナーズブランド。

デザイナーのバックグラウンドや日常の中に当たり前にあるものなどからインスピレーションを得て服作りをしている。

ビジュアルは、原色に近い色を使用した、コントラストの高い色を用いることが多く、見るものを魅了する。

Concept

「異色」

世の中にある服とは全く異なる服作りをしたいという思いから「異色」というコンセプトを掲げてる。

それはビジュアルだけに限らず、服作りをする際のアプローチや服そのものの考え方にも当てはまる。

そういった服作りをすることで、まさに「異色」を体現していきたいという強い思いを持っている。

Awards

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