自販機で売ってたカブトムシ食ったら、本気のカブトムシだった。

初めに。

まず、昆虫が苦手な人、昆虫食が苦手な人は、昆虫の画像が記事内にあるので、閲覧は自己責任でオネガイシマス……。

昆虫食。
最初に勘違いしないでください。僕はカブトムシやクワガタを飼育するのは好きですが、決して虫を食べることが好きなわけではない。ですが、昆虫食を好む方々を否定するものでは全くありません。
これはただ単に、食の好き嫌いであって、僕にとってカブトムシはペットであり飼育し愛でるものであった、というお話……。


秋葉原にはドクペだらけの自販機、おでん缶だらけの自販機、マックスコーヒーだらけの自販機など様々な自販機がありますが、昆虫食だらけの自販機があるのを知ったのはつい最近。

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オシャレですね。インスタ映えです。もう買うしかないでしょ。とてもおいしそうに見えるパッケージが食欲を誘います。


僕も子供の頃祖父母の家で、イナゴの佃煮をよく食べたものです。
親父と一緒に山奥の蜂の子を巣ごと捕獲して食らったり、大量の熊蜂を友達と集めたり、蛇を捕まえたり、ちょっと位はワイルドな事もしたものです。美味しいんですよ、イナゴの佃煮。


とはいえ…この手のタイプを食するの初めてです。
なので購入するのも出来るだけ小さい…見た目もグロくない…味が良さそうなもの…初心者向けの……動画で見ましたが、ワームチョコはかなり美味しくいただけるらしいです…しかし、美味いと分かっているものをわざわざ購入した所で、そこに冒険心はありません。僕達は皆、未来に向かって突き進む冒険者です。

眺めていると「カブトムシ」の文字が。


カブトムシ?あの森の王者カブトムシですか?子供の頃から飼育で
慣れ親しんだ。

僕の3度目の昆虫食はカブトムシに決定です。最初の思惑はどこへやら、きっとサイズ感としては大きい物体です。

脳内はあの立派な角をどう食らってやろうか、そもそもあんな固い部分を
食うことが出来るのか。美味いのか?サソリのように精力バリバリなのか?
そんなことばかり考えて1000円を投入。ガタン、ゴロゴロ。

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その場で開封する勇気が出ず、ちょうどこれから色んなクリエイターさん達と会う予定だったこともあり、そこで皆にその話題をすると、全員中身に興味津々です。

この空気は、中を見せてもいい空気ですね?さすが皆さんクリエイター揃いです。怖いもの見たさという誘惑から逃れることが出来ません。いいですか、開封しますよ。あとから後悔しても知りませんよ?

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メスでした。しかも3匹。
一匹333円のカブトムシは果たしてカップ麺や吉野家より美味でしょうか?
完全に虫の原型をとどめていますね。
これは寿命を迎えてご他界なされたときによく見る情景そのままですよ?
調理してるんですかこれ本当に(汗)

なんか、普段見かけるもの以上に小さいですね。
形状はアジア生息系の、いわゆる日本のカブトムシと同型の模様。
コカブトムシでもなさそうです。
多分大量飼育された繁殖物の為、小さいのかと思われます。経験上、大量に一斉飼育すると、栄養が沢山取れない事と、一匹が蛹化するスペースも縮小し、小型化するのです。

パッケージにライノビートル、と書いてありますが、和名サイカブトの雌は、そもそもこういう形ではありません。

さて、未来、食糧難に陥った時、それを救う可能性があるのが昆虫食、という話もあります。その説は僕も支持しますし、本当に昆虫が人類を救う事になるかもしれない。

ただ、その時提供される物が、こういう形状だとは思えないですが。

さすがに僕も食べるのに躊躇します。
だってすでに飼育してる時のお馴染みの香りがするんですよこいつ。
しかもただの塩ゆでですよこいつ。


と思っていたら一人「僕食べていいですか?」


森の王を食らう勇者王の登場です。


バリ…ガリガリガリ。およそ食物とは程遠い怪音が響きます。

「香ばしい中にもほんのり甘みがある、おいしいですよこれ、スナック菓子的な?」

どよめきの声が上がる、まじか、やはり昆虫は未来の食糧難を救うのか?


聞けばその人はキュウリが嫌いだという…。


キュウリと言えば、もちろん苦手な人はいるでしょうが、さほど強烈な味を出すでもなく、異様な歯ごたえでもない。冷やし中華に入れる程さっぱりした野菜である。

それが食えないのに、カブトムシは美味いという。

我々とは違う世界線の味覚なのでは…?

とはいえ。

買ってきた僕が食わないでいたら、ただの軟弱者である。

覚悟を決めて一気に口に運ぶ。

「ああ!食べた!」
周囲のすべての視線が僕に注がれる。

バリィ、ザリザリザリ…ガリ…

口の中に広がる、少年時代、腐葉土とカブトムシを一緒に入れてある
飼育ケースを開けた時に漂う、カブトムシ独特の香り。

甘みなど一切ない、乾燥後、塩ゆでされたであろう塩味と、森に落ちている
乾燥しきった木の枝というか、木の皮というか、土。
要約するとただ単に、明らかに、絶対的にカブトムシの殻と羽の食感である。

死んで乾燥しきったカブトムシの死骸に、塩を振っただけとしか
思えない、ごくごくどこにでもいる。カブトムシの雌。

口を開くたびにカブトムシの香りがする。飼育ケースの中身を口に放り込んだような感覚。


そう、僕はカブトムシを飼育し過ぎたのである。
死んだカブトムシは丁寧に標本にするか、土に還すのみ。

そこに「よし、死んでしまったから、食うか」

という歴史は歩んでこなかった、ただそれだけなのだ。


でも、これってあえてこういう状態で販売してるんでしょうね(汗)おいしく食べる方法はいくらでもありそうですし、強い調味料とか、もういっそ粉状にして別のものにするとか。僕も正直な所、ちゃんとした形だと噂を聞いていなかったら、買わなかったですし。この売り方は正解だと思います。

自販機のそばに、商品の外箱を捨てるゴミ箱があるんですが、結構売れていました(笑)


最後に裏側。ホラ、ただのカブトムシの雌でしょ……

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