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1話 高校3年就活中、2件隣に漫画家が引っ越してきたので、 とりあえず押しかけて僕が漫画家になるまで



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2話はこちら https://note.mu/valensia/n/n25ea92234d67




僕が実際、実家の2軒隣に引っ越してきた漫画家さんと知り合った頃から
の話になるんですが、他にも持ち込んでいた出版社や担当編集さんとの付き合い方、当時のゲーム業界の話等になるのかなと…。
アシスタントスキルとか(すべての仕事場に通用するわけではないですが)デビューまでにやっておくと良い事等、デビュー後と、
ちょっと位役に立つ話も出来たらいいなと思ったり。

(主にくだらないマンガを描きたい訳ですが)

「1話、どこまで実話?」

全て実話になります。記憶違いの部分はあるはずなので、多少の時差やセリフまでは完璧ではないですが、大体は。
当時はバブル崩壊後の就職氷河期と呼ばれている頃…
中山美穂&WANDSとかJAYWALK、ZARDの負けないでとか、
THE 虎舞竜のロードとかがヒットしてました。
僕はTM NETWORKとB'z、スーパーユーロビートばっかり聴いてましたが。
もう少しすると小室ブーム到来でしょうか。ゲームはネオジオやスーファミ。対戦型格闘ゲームが驚くほどブームになっている時代。


僕の住んでいる所は当時、結構治安が悪いというか古き良きというか…
暴走族やヤンキーが結構多く、日常的にカツアゲ等が発生したり「○○スペクターがこないだ…」という話題が上るような、
…この辺は今後色々話すこともあるんですが、とにかく
そういう人達が沢山いまして。中学の頃僕が行っていた塾の上の階は、〇〇な方々の事務所さん的らしいと言われていたり。闘いの挽歌状態。

近所には「若い奴の店」と謳った変形制服や裏ボタンなどを取り扱った専門店や、まだ地下でほとんど電気を付けなくても営業できるゲームセンターなどが沢山あり、そもそも当時は近辺で5件近くもゲーセンがある、いろんな意味で天国のような場所でした。遊び方広がり放題です。

そんな時代

就職先にデザイン関係を選んでは面接に行っていましたが、全く
相手にされず。今思えば僕の画力不足、努力不足以外の何物でもない。だって、勉強する位ならストⅡ´をノーミスでクリアとかしたい訳です。パンチ力測定マシン・ソニックブラストマンで160キロとか出したいわけですよ。1プレイ20円でプレイ出来るストライクガンナーをずっとやっていたいのです。

と、就職活動が全く進まないので
高校の先生に「もう先輩の上手い絵とか面接に持って行け!!」とまで言われる始末。
宣材のポートフォリオは自身のマンガっぽい物やアニメ系の絵も混ぜていたので、それもあり面接官に「漫画でも描いてればいいんじゃない?」と言うような事を言われる訳です。

当時この発言を僕は
「お前にデッサン力はないしデザインセンスもないので、マンガでも描け」
と言われているんだと解釈し「漫画を自分達の仕事より下に見ている」と思ったのです、別に当時は漫画家ではないのですが、それが随分頭にきたんですよね。なので、

みんな死ねばいいのに

と思っていた訳ですが、
後に、モンスターストライクの岡本吉起さんに当時の話をした時
「何、馬鹿にされてると思ったん?」
と、どうも前向きに自分はマンガが向いている、と捉えたら良かったのに
というような事を言われ「おぉ…そう言う思考もあるかも…」と
思いました。

ともかく、就職先がまるで決まらず、かといってまだそれについて
危機感とかそういうことはなく、どうにかなるだろ位の
気持ちでゲームやって音楽聞いてテレビを観て…

ゲーセンでリアルバウト+格闘ゲームみたいな毎日を送ってる…(イキってるだけでケンカが強いわけではないのですよ、実際は罵倒した挙句ゲラゲラ笑いながら逃走を図るのです)

そんな時期の夏休み。
漫画家さんが実家の2軒隣に引っ越してきたのです。

漫画家が近所に越してくる、なんてことは、実際知られないだけで
結構な頻度でいろんな所で発生する案件かもしれませんが…
実際に「あそこに住んでいるのは漫画家」と知られることもそんなには
多くないのではないでしょうか。

それを周辺の主婦層が聞きつけ、うちの母親が僕に知らせる訳です。

「漫画家が引っ越してきたみたいよ!アンタ挨拶いきなさいよ!」

アホかと。

実際に本物の漫画家だったら相手にもしないだろう。こんな近所に住む1高校生など「やばい奴が来た」以外の何物でもない。

少なくとも僕ならそう思う。

と、口では言ったものの、考える事数時間。
どうせ恥をかいたって、変な奴扱いされたってさほど気にする必要もない
のではないか。むしろ、もし面白い方向に転がったら知り合いになれるじゃないか。

さすがにこの段階ですぐ僕もアシスタントに…と考える程………

馬鹿なのが当時の僕なわけですが。

脳が焼けている高校生の僕を止めるものは何もないわけです。常に半径30センチ程度しか世界が見えていない自分脳なのです。危機感とかないんです。


とはいえ。

「自分ではダメかも」とか「別にここで動いたところで結果は見えている」
「もっと実力をつけてから」「変人扱いされそう」
と、自分で決めつけてしまうのは、生きる上でどうも、結構なマイナス要素なようです。
実力がなくてもとにかく動いた方が良い、力は後からでも頑張れば
どうにかなるでしょうし。
そこは「コミュニケーション力」どうすれば目立つか、その人に覚えて貰えるか。自分面白いですよ…でも何でもいい、とにかく会って、話をして、
その中でその人との共通項を見つけ、そこに滑り込む、スルっと(いい意味で)もちろん、当時はそんな事微塵も考えていませんでしたが。

今はSNSなどでもそういうことが出来ますよね、もちろん迷惑になってはダメですが、そこはこう、うまく空気を読むというか、現実世界と一緒。

あれですよね、やって失敗する後悔より、やっておけばよかったなあ…という後悔の方が、僕はとても大きいのです。

次回は

マンガ生原稿を貸せというバカと貸すマンガ家。ストⅡとファイナルファイトの違いは?の巻です。

もし気に入って頂けましたらサポート頂けると大変嬉しいです(^^)業界が偏ってしまう内容が多いですが、色々参考になるような記事が書けるようにしていこうと思います。