BGAアグリコラム①増築の限界

BGAアグリコラで両ランキングが1位になったので調子に乗って記事を書きます。
環境はアリーナモード(4人戦・追加アクションなし・8-7ドラフト・禁止カードあり)を想定しています。

増築が有効な期限について

アグリコラというゲームで増員で手数を増やすのが強いことは周知のことだと思います。
しかし、増築というアクションは増員のために仕方なくしているもので、できればしたくないものだという認識が必要です。
なぜなら、家の点数は資材効率的には非常に悪いからです。

家を1件建てるという行動は、補助がなければ大体3~4手を必要とします。
3~4手かけて他の行動をすれば6~8点くらい伸ばせるはずですが、木の家増築なら1点、レンガでも2点しか増えません。
増やした家族がこの差分の約5点+食料、つまり約3手をキチンと回収して初めて増築なしと同等になるわけです。
SPであまり有効でない進歩を出したなら、ノルマは更に追加で1手です。

整理すると、以下のようなことが言えそうです。
R11までにできない増員のために増築すべきではない
・R11の増員確定のためのSPは出す進歩が有効手じゃないなら要検討

実際の盤面で見てみる

これはR8の途中の盤面です。今のところ全員が3件持っています。

アリーナモードでは大抵増員は順番待ちの行列が発生します。
今回のケースで言えば、
6Rに赤が増員し、下家の青がSPを打ち、
7Rに青が増員し、下家の紫がSPを打ち、
8Rに紫が増員し、下家の緑がSPを打ち(他の増築が間に合っていれば)、
9Rに緑が増員し、…という塩梅です。

そして、10、11Rの増員を争う2周目に突入するわけですが、
4件目を建てるコストに見合うのは4人の内2人だけです。
すでに4件建てている人が2人いる状況であればわざわざ割って入るのは損である可能性が高いです。

つまり、増員のマスが
R5に捲れたら3人は4件を目指すべき(ゲーム全体で+7件まで)で、
R7に捲れたら3人は3件までとすべき(ゲーム全体で+5件まで)です。
約半数のゲームでは、増築は3件目までということになります。

今回の画像のケースで4件目を建てるのは、
既に資材が揃っている赤はほぼ確定、葦を持っていない紫は脱落、
残りの1枠を青と緑で争うことになります。
次ラウンドのレンガ4を取ったほうがその枠に滑り込むことになるでしょう。

木増築の注意

木のストックに余剰 または 強力な木補助がなければ、R10以降に木で増築するのはやめておきましょう。柵の資材がなくなってしまうためです。
いくら手数を増やしても、木は1Rに6本しか増えないので、ないものを取ることはできません。
目安として、R10時点で6本程度木を持っておきたいところです。
3~4木を2回とれれば、ラウンドに余裕があるので柵を最終アクションにできますし、終盤の家畜取りに参加することができます。
ギリギリに柵を作ろうとすると、柵を初手にしないといけなくなったり、とれる家畜が1頭ずつになったりするため、手効率が悪くなってしまいます。

例外について

ゲーム全体の家の数が十分に達していても、家を建てるケースもあります。
以下のようなケースが該当します。
・上家がSPなどで、順序的に増員に割り込める
・資材が余っていて2手くらいで増築でき、製陶所/かご製作所がとれない
・強い増築補助があって2手くらいで増築できる
・増築自体に価値がある(家具調達人・執事・壁職人など)
・厩を建てたい

まとめ 

ごちゃごちゃ書きましたが、今回覚えてほしいのは2つだけです。
R11までにできない増員のために増築すべきではない
追加アクションなしでは約半数のゲームでは、増築は3件目まで

追加アクションありに慣れていると、家が4件は当たり前の方針のように感じますが、追加アクションなしでは、4件でさえ”Big house strategy”と呼ばれたりします。

追加アクションなしは確かに増員順による差が大きく出るルールですが、
席順による運ゲーではなく、本質的には手効率を追うゲームだと思います。
増員順下位には下位なりの打ち方があります。
日本では追加アクションありが人気ですが、たったこれだけの違いで戦略は大きく変わるので、たまには味変でいかがでしょうか。

アリーナモード、やろう!

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