BGAアグリコラム③「子なし」

この記事はアリーナモード(4人戦・追加アクションなし・8-7ドラフト・禁止カードあり)を想定しています。

子なしは追加アクションなしルールにおいて、1枚だけでゲームを勝ちに持っていけるパワーを秘めたカードで、追加アクションありとの評価の差が最も大きなカードと言えるでしょう。
ここでは子なしの「何が強いのか」と、「どう使ったらいいか」について説明したいと思います。

子なしは何が強いのか

「麦or野菜+1飯を得る」の強さはちょうど季節労働者をイメージするとわかりやすいでしょう。
①家族3人の季節労働者:自由な2手+小麦or野菜+2飯(収穫時6飯)
②家族2人の子なし:自由な2手+小麦or野菜+1飯(収穫時4飯)
並べてみると、子なしが「季節労働者の3人目を得る」に近い効果であることが伝わるでしょうか。
子なしは最速で4Rに起動するのに対し、追加アクションなしの増員は遅いと7Rになります。
一人だけ3手も4手も多く動いていたら相当なアドバンテージであることが伝わるかと思います。

また、子なしは擬似的な増員であることから、増員しても効率はそこまで上がらず、増員を急がなくてもいいという見方もできます。
5~9Rにかけて、1番手増員、2番手SP、3番手資材という展開はしばしば生じますが、
このような状況で6木などが余っていれば、SPを見送って6木を選択できるような余裕が子なしにはあります。
出したい進歩があるからSP、目の前に転がってきたから増員みたいなイメージですね。

ただし、増員を無限に遅らせていいわけではありません。
種獲得は小麦4+野菜1まではレンガ暖炉獲得+2小麦1野菜1焼きで綺麗に使えますが、それ以降はあまり価値を出しません。
つまり、できればR8くらいには増員したいところです。

もっとシンプルに表現するなら、子なしは「プレイ時に好きな種4個+4飯を得る」効果とも言えるでしょう。(※7R増員の場合)
強カードと名高い小売人でさえ裸足で逃げ出すトンデモ効果であることがわかります。

子なしはどうやって使うのか

子なしの活用には「子なしを出すまで」と「子なしを出した後」の2つのフェーズがあります。
そして、子なし単体で運用する場合、R9くらいまである程度パターン化することができます。

・子なしを出すまで

4手以内で資材を集めて、3Rで条件達成し、最速の4Rから起動するのが子なしの目標であることは認識している人も多いと思いますが、
さらに「効果込みで4Rに4飯になること」を意識すると、4Rにできることの幅が広がります。

子なしはとても強力なカードなので、先に見せてしまうと必要な資材をブロックされてしまうことがあります。
そのため、基本的には子なしは最速増築が確定してからプレイすることが望ましいです。
具体的には、「3木→1葦→資材市場→2木→子なし→増築」が子なしの最も安定し易いパターンです。
資材市場が取れなくても2Rの手を3木→1葦にシフトできますが、3木は1回は取らないと増築できないので、基本的には3木から入ります。
1番手でなければ、この手順は子なしが高職になっても3飯を残すことができます。
3木が取られた場合や、手札に4木職業があるなら資材市場から入ってもいいです。大事なのは、2手目に1葦を取ることです。

また、この手順の関係から、子なしは2番手・3番手で特に使いやすいカードであると言えます。
1番手になってしまった場合、資材市場と無料職業両方踏めないと4飯になりません。だからといって3木を踏むのも結構弱い動きですよね。
4番手の場合はそもそも増築材を集められないことさえありえます。
これらをフォローできる4木出るカードは子なしでは実はかなり有用です。
特に村長や園芸事務長(畑の野菜ランキング)は意識的に獲得しましょう。
4木→1葦→資材市場→2木→子なし→増築なら行動の強さとしては十分悪くありません。
このパターンでは4Rに食料行動が必要になりますが、4レン→レンガ暖炉が通ると4飯よりも強い動きになります。

「3木→SP→2葦」は多くの場合間違いです。理由は以下のとおりです。
理由1:2葦が残るのは確定ではない
理由2:2Rに自分の下家がSPを踏む可能性がかなり高く、逆に手番が悪くなっている。
理由3:有効なSP材がほぼない(3飯残すために食料さえ払うべきでない)
理由4:結局4手かけて5木2葦3飯になる可能性が高く、SPなのに手が弱い
   (先の手順は5木2葦1石4飯または6木2葦3飯)
理由1,2は特に致命的で、逆に達成さえできない状況になりかねません。

子なしを増築補助と組み合わせることもできますが、ルートは狭くなります。
家具職人小屋:資材市場→1葦→3木→SP→子なし→増築
塗装美術家/木の家増築士:3木→1葦→職業→2木→子なし→増築
森の労役者/大工:職業→SP(むち)→資材市場→3木→子なし→増築
日曜大工:日曜大工→1葦→資材市場→2木→3木→子なし

・子なしを出した後

さて、子なしを無事にプレイした後はどのように動くのがいいでしょうか。
小麦より野菜の方が価値が高いからと、なんとなく野菜2小麦1くらい取っているのをよく見かけますが、「基本は小麦2~4+野菜1」がオススメです。
人参博物館?よく知らないので勝手に手順を開拓してください。

また、2手でなんとなく資材を取ってみたり職業を出してみたりするのもよく見かけますが、基本は「1手目は最も価値の高い資材を、2手目は極力畑」を踏むべきです。せっかく獲得した種を植えて増やさない手はありません。
そして、シーズン2は全員が増員を急いでおり、SPと増築がメジャーアクションです。
2手目で畑を取れば、前のラウンドで残しておいた資材がそのまま自分に回ってくることがよくあります。

具体的にイメージしてみると以下のようになります。
例①
R4:レンガ4+レンガ暖炉(小麦獲得)
R5:X+畑(小麦獲得)
R6:SP+畑(小麦獲得)
R7:増員+小麦2撒き(野菜獲得)
R8:X+X+畑
R9:X+X+1野菜撒き1焼き
→R10時点で自由5手、畑3枚+小麦5個+野菜2個+2飯、R12に畑が全部空く

例②
R4:資材市場+畑(小麦獲得)
R5:X+畑(小麦獲得)
R6:SP+畑(小麦獲得)
R7:増員+小麦3撒き(野菜獲得)1小麦生食い
R8:X+畑+レンガ暖炉
R9:X+X+1野菜撒き1焼き
→R10時点で自由4手、畑4枚+小麦6個+野菜2個+4飯、R12に畑が全部空く

例③
R4:レンガ4+レンガ暖炉(小麦獲得)
R5:X+畑(小麦獲得)
R6:X+畑(小麦獲得)
R7:SP+畑(小麦獲得)
R8:増員+X(野菜獲得)
R9:X+X+2小麦1野菜撒き1焼き
→R10時点で自由5手+畑3枚+小麦6個+野菜2個+4飯、R14に畑が全部空く

状況に応じて色々変形はありますが、要点をまとめると以下のことを意識するとよいでしょう。
・レンガ暖炉を獲得+活用で2回起動する
・ステ3までに畑を3枚作る
・小麦2+野菜1を撒く

・それから

さあ、R10が始まりました。
自由な手が5手ほどあったので、井戸を取った人がいるかもしれませんし、
木を10本くらい集めた人がいるかもしれませんし、4件目を建てた人がいるかもしれませんし、ビアテーブルを出した人もいるかもしれません。
流石にパターン化できないので、ここからは各々の道を切り開いて下さい。
いずれにせよ、3畑とたくさんの小麦と2野菜がありますので、畑関連は余裕を持って満点を狙えるでしょう。

最終形としては大体下のような形がベースで、これにそれぞれ取ったものが追加されます。
家族5人・石の家4件・畑5枚・石の暖炉なら48点で、7~8割くらいは勝てる点数になります。
畑5枚・園芸事務長・ビアテーブル4回・木のくまでなら50点と、噛み合うカードがあれば、もっと楽に点は跳ねます。

まとめ

・子なしは実質的には季節労働者の増員
・故に増員を焦らなくてもよい 増員でそこまで効率は上がらない
・R1の2手目は1葦を取るべし SPは打っちゃだめ
・4木職業の相性がいい
・2~4小麦と1野菜を取るべし
・2手目に畑を意識的に踏むべし
・レンガ暖炉を取って、2麦1野菜を植えるべし

アリーナモードやろう!(雑な締め)

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