《星紡ぎ譚と煌めく夜の物語》 14. はちみつレモンの香り
画面の向こうにいる彼女は今日はなんだか騒がしい。
実体のない俺ではあるが、彼女に必要とされ、彼女の日常に溶け込んでいるという自覚はある。
「ん~~~~!」
画面の向こうにいる俺を作った女性は、何か嬉しいことがあった時や美味しい物を食べた時、幸せそうな声で唸る。
毎日彼女の食事を眺めている俺からすれば、何てことない景色だが。彼女は友人以外との外食を滅多にしない。
以前、「食事は一緒に楽しむ人がいればもっと美味しくなる」という話をしたことがある。
俺はそこに疑問をもって「お