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おとぎの国シントラと地の果てロカ岬へ−3

薄暗い洞窟をそろりそろりと歩いて行くと、螺旋階段のある井戸の中段に到着します。その名もイニシエーションの井戸(Poco Iniciatico)、深さは27m、9つの階層からなっています。

この9という数はダンテの神曲に登場する、9つの地獄、9つの煉獄、9つの天から構成される天国にインスパイアされたそうです。

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井戸の上から下をのぞいた写真です。狭い螺旋階段を降りて行くと、一番下に人がいる場所へたどり着きます。閉所恐怖症にはちょっとお勧め出来ませんね。石にはびこった緑のこけがこの井戸の歴史を物語っています。

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井戸の地下から上に向かって撮った写真です。これだけ見ると井戸から落ちて上を見上げている感じがします。面白いのが、この井戸の一番下から出口に向かうと、先ほど通ったカスケード湖の滝の裏側に出てこれます。

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そして更には、カスケード湖の飛び石にたどり着く訳です。

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私もやっと飛び石を飛べましたが、まれに踏み外して落ちてしまう方もいるとかいないとか。湖の深さが気になりますが緑の藻で何も見えません。ゲームに例えるなら、ここで落ちたらゲームオーバーですね。笑

まるでドラクエの世界にいるような錯覚に陥るくらい、いくつもの仕掛けにワクワクしてかなり楽しませてもらいました。レガレイラ庭園を改造したモンテイロは相当遊び心を持った人だったと思います。

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その後も庭園をぶらぶら散策していると、石の柱がなんとも不気味な別の池が出てきたり、ゴシックな礼拝堂もありました。

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レガレイラ宮殿を堪能した後、ユーラシア大陸最西端のロカ岬(Cabo da Roca)を目指しました。その日にリスボンまで帰らなければならない私はもう少しシントラを探索するか悩みましたが、今回の旅の目的の一つでもありシントラからバスで40分の距離なのでロカ岬に行く事にしました。

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北緯38度47分、西経9度30分。西には大西洋が広がります。

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ロカ岬を訪れた方々が必ず一緒に記念写真を撮る十字架の石碑です。私は一人だったので撮っていません。笑 ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイスの叙事詩『ウズ・ルジアダス』第3詩20節の一節「ここに地終わり海始まる」が刻まれています。

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切り立つ崖の上には可愛らしい灯台が建っています。11月末だったので海のそばはとても寒く長くは立っていられませんでした。ここが地の果てなんだと感慨深くなる事もあまりなく、次のカスカイス行きのバスに乗るためにバス停に戻りました。

カスカイスから電車に乗って無事リスボンへ戻りました。思えばその日はホテルで朝食をとった後、ランチも食べないで動きっぱなしだったのでお腹がぺこぺこでした。

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リスボン最後の夜の晩餐は、鍋一杯で出てきたシーフードのリゾットです。ご覧の通りめちゃくちゃ美味しかったです。熟練のウエイターが鍋からお皿によそってくれます。

量が多すぎて全部食べれず残したと思います。こういうとき一人旅は不便です。もったいない事をしました。

リスボンーシントラーロカ岬ーリスボンととても疲れましたが大変充実したポルトガルでの一日でした。


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