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#63 オフリドにて沈没気味、世界一周2ヶ月終了🇲🇰

6/10〜12 オフリド湖周辺散策/日本人交換留学生/CL決勝観戦/オフリド城塞/タフチェ・グラフチェ🥘/世界一周2ヶ月終了

午前9時のバスでオフリドに向かった。北に位置するスコピエから、山間を越えてたった4時間で南のオフリドに到着した。北マケドニアという国の面積がいかに小さいかが分かる。ちなみに「北」という字が付いている理由は、マケドニアという国名を使うと、ギリシャから苦情が来るからだとか。曰く、「古代マケドニアの面積の4割しか占めてない国が、うち(ギリシャ)の5割を差し置いて使ってんじゃねーよ」と。
隣国との小競り合いはどの国にもあるものだ。

オフリドバスターミナル
窓口は一つだけ。

大型バス停から今夜のホステルまでは約3キロある。再度バス停まで戻って来るのは面倒なので、今のうちにギリシャ行きバスの時刻と経路をチケット売り場のお姉さんに聞いてみたのだが、どうやらここオフリドからは直接のバスは出ていないとのことだった。ここから少し東に位置する町「ビトラ」に行く必要があるという。ビトラまでの運賃は370D(920円)、時刻は6:00、12:20、13:20に出るらしい。
こういうこともあるので、その都度の情報収集はとても大切なのだ。
ビトラ行きのタクシーが声を掛けてきた。25€で行くというが、「今日は移動しないよ」と断って前進する。ホステルまでの道沿いには大型ショッピングモールが立ち並んでいる。日差しはかなりきついが、並木道のあるお陰で快適だ。

最高のホステル
共用スペース

ホステルに無事に到着し、チェックインをする。オーナーはとても明るく気さくな方で、元気よく迎えてくれた。そして今夜、チャンピオンズ・リーグ決勝「マンチェスターC  vs インテルミラン」があるからみんなで観ようと誘ってくれた。
キックオフまでにはまだ時間があるので、湖に沿って散歩する。市内を右回りで巡り、有名な湖畔の教会があるビューポイントまで歩く。メイン通りにはテラス席を出したレストランが立ち並び、ジェラート屋が一際盛況だ。40デナル(97円)で食べられる。今まで旅してきた国々の中で間違いなく一番安い。フォローしているユーチューバーの一人がオフリドでバスキング🎸していた場所も見つけた。

桟橋

湖沿いを進むと桟橋が出てくる。右側は立ちはだかる岸壁、左には透き通る湖。さらに桟橋を進み、湖岸の家々を抜けると、岬に建つ聖カネオ教会がある。オフリドで一番有名な教会であり、オレンジ色の屋根と湖のコントラストが素晴らしい。多くのユーチューバーがオフリドのサムネイルにこの場所を使っている。今日は少し曇り気味なのが残念だったが、ホステルからは近いのでまた明日晴れてる時にこよう。

聖カネオ教会⛪️

教会を見下ろせる崖上で過ごしていると、若い日本人が登ってきた。挨拶をして話す。彼は現在大学四年生。交換留学生としてパリに1年間留学していて、数日前に見事修了し、日本に帰る前に物価の安い東欧諸国を見て回っているのだという。就活はロンドンで開催される留学生向けの企業面接会で外資系の内定をもらうことが出来たそうで、胸を撫で下ろしたとのことだ。

「授業はフランス語でやるんですか」と彼に聞くと英語でやるらしい。そもそもこの交換留学に申し込むにはTOEICでスコア900近くないと申し込めなかったとか。幼い頃に親の都合で外国に住んでたことがあるらしい。専門は「政治学」で自分と被っている。
しかしフランス滞在には大変だったことも多かったようで、例えば寮のような設備は無く、「アパートの家賃に月9万かかった」とか、「食費を浮かすためにずっとペペロンチーノを自分で作って食べていました」とかで、勉学以外にもなかなか苦労したようだ。
その後、彼とメアリー教会やオフリド半円形劇場を一緒に見て回った。それぞれの将来の展望、若い頃の時間の使い方、人生で大切なこと等、色々なことを話すことができた。別れるのが惜しかったが、オーナーたちと観る約束をしたCL決勝の時間が迫ってきていたので、お互いのこれからを祈念してさよならを告げた。

メアリー教会
今も使われているとか?

午後9時、テレビの前にオーナーと彼の友達みんなが集まった。スナックやビール、ジュースを持ち寄って「マンチェスターC  vs インテルミラン」を観戦する。そのほとんどはインテルを応援している。彼らはマケドニア語を話していたが、サッカーは万国共通語だ。彼らが何を言っているのかが分かる。

CL決勝観戦

普段自分は、日本代表の試合しか90分通して観ることはないので、現代クラブチームのサッカーがこんなにもテクニカルでコンパクトなサッカーになっているのをみて愕然した。「血沸き、肉踊るバチバチなサッカー」が好きな自分には現代のサッカースタイルは好みではないかもしれない。前半は全く動きがなかった。しかしなんでこいつらミスしないんだよ。本来サッカーってのは「ミスをするから面白い」はずなのに。さすが、最高峰のプレーヤー達は違うね。

翌日、二度寝三度寝をして、ちゃんと起きたのは12時だった。洗面所で溜まった洗濯物を洗剤を使って手で洗い、ベランダに干してから、今日は左回りで市内を回った。まずはオフリド城塞に登る。城壁に登るとオフリド湖と市内が一望できる。城壁内は廃墟だった。出る時気づいたのだが、どうやら入場料が必要だったみたい。通れたのでタダで出てきてしまった。松の木々をすり抜け、昨日同様聖カネオ教会へ。今日は晴れていてインスタ映えバッチリだった。

オフリド城塞門
廃墟感
城壁は立派

市内に戻ってきた。オーナーおすすめの店で、チキンウィングとマケドニアの伝統料理「タフチェ・グラフチェ」というローストした豆料理を頼んだ。それなりに美味しかったが、自分は少しで良かったかな。学生のバイトが接客をしてくれたので、少し聞いてみると、夏の間だけこの店を手伝っているのだとか。今日は日曜日。どこの店にも学生達がアルバイトをしていた。

タフチェ・グラフチェ

さて、そろそろ今後の予定を立てなければならない。当初、ここから東にある町「ビトラ」を経由してギリシャに入ろうとしていたが、同室の4、50代と思われる香港人が、「オフリド湖の南にある、アルバニア🇦🇱のポグラデツという町を経由してもギリシャに行けるよ!ほら、ここにタイムテーブルがある」と教えてくれた。どうやらこのルートの方が安く行けるようだ。「そうだ、どうせ急ぐ旅ではない。遠回りしてゆっくり進めば良いじゃないか」
アルバニアには七年前、自分が大学2年生の時に訪れたことがある。無機質な建物やトーチカといった、共産主義の名残りが至る所に残っていた。当時、片側が壊れたブランコを見て、行政が行き届いていない感じがしたのを覚えている。
あれからどのくらい発展しただろうか。興味が出てきた。

ところでこのホステルには自分の他にもう一人、日本人が泊まっていた。彼の名前はケンジさん。自分と同じ歳の頃だろうか。フリーランスで働いていて、アフィリエイトで稼いでいるという。彼はアルバニアのティラナから北マケドニアに入ってきたらしい。パソコン一つで世界を転々としながら仕事をする。そんな彼のような働き方にすごく興味が湧いたが、それはそれで相当大変なのだろう。彼は日中ほとんどパソコンに釘付けだった。

オフリドに住んでいるという日本人の女性にも偶然会った。まだ名乗ってもないが、彼女から「タケさんですよね?」と言われた時はびっくりした。どうやらオーナーと知り合いらしく、自分の名前を知っていたようだ。ここでの生活の様子を詳しく聞きたかったのだが、午後9時を回っていたので挨拶だけして別れた。

6/12。今日で世界一周旅2ヶ月が修了したことになる。マレーシアやタイ、インドで起こったあれこれが、もう遠い昔のように感じる。「自分はなぜ一年をかけて、世界一周をしたいのか。この旅で何を見たいのか、感じ取りたいのか。そして将来何をやりたいのか。どうやったら将来に繋がるピースを拾ってくることができるか」ということを自問自答するには良い機会だ。
「重いバックパックを背負って、安いホステルに泊まり、各国から来た若者たちと語りながら世界を旅する。体が丈夫で体力がある20代の今しかできないこと」
そう思って仕事を辞め、日本から出てきたのだ。果たして全力でできているだろうか。

いや、まだまだできるはずだ。もっともっと自分から飛び込んでいけるはずだ。もっともっと巻き込まれていい。世界で見る事象を貪欲に吸収する必要があるはずだ。自分は観光をしに来たわけではない。暮らしにフォーカスしに来たのだ。自分は明治の岩倉使節団のように何かを学び持ち帰る必要があるのだ。
心を新たにする良い機会だと思った。

昔のマケドニア国旗らしい🎌

明日のバス停を確認してから湖沿いを散策していたのだが、午後を過ぎたところで雨が降ってきたので、レストランに入ってチキンの丸焼き1/2を食べる。このボリュームで250デナル(600円)は安い。小骨までキレイに腹の中に収まった。
ホステルに戻ると、ケンジさんともう一人の日本人、小林さんがいた。オフリド、日本人多くね?(笑)
小林さんはコロナ禍で5ヶ月間ペルーのクスコにいたという変わり者で、その間、体力維持のためにずっと縄跳びを跳んでいたらしい。いや、なんでなん(笑)
自分たちが通ってきた経路や経験を語りながら、オフリドでの最後の夜を過ごしたのだった

オフリドに四日滞在した。透き通った湖が近くにある暮らしは心に安らぎをもたらしてくれるということを肌で感じることができた。素晴らしい滞在だった。

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