宇崎のこみ

メリバ好き。お話書くの好き。交流したい系女子

宇崎のこみ

メリバ好き。お話書くの好き。交流したい系女子

マガジン

  • 短編集

    つらつらと思うがまま。短編をば。

最近の記事

変態的性癖愛者(ふぇちらー)

 人生というものはいたずらに日々を繰り返すだけのものなのだ、ということに気づいた時にはある程度のあきらめはついていた。  今朝は非日常的といえるほどに最悪だった。人身事故、というか飛び込み自殺が目の前で起こったのだ。  さらに悪いことに飛び込む寸前ホームドアによじのぼったそいつは、俺のほうを見て素敵に微笑みやがった。決して俺の知り合いなんかでもないのに。きっとたまたま俺と目があっちまって、最後だし微笑んでおこうくらいの気持ちだったんだろうけれど、こちらとしては胸糞が悪い。  

    • 女の子のあこがれはいつだってお姫様

      楊貴妃のように愛した人に殺されてみたいわ。とほざく彼女に、実際に手を下したのは部下じゃないか。とぶっきらぼうに返した。そんな僕を嘲笑うかのような口角のあげかたをしながら、タバコに火をつける。薄桃色の唇から吐き出された紫煙が天上へとのんびり伸びた。 「知らないの?」 「何を」 忘れてた、と言わんばかりに細い指が今更換気扇のボタンを押す。そんなものまわしたって部屋にタバコの匂いは染み付くというのに。 禁煙を推奨する僕をからかうかのように、いつの間にか台所には彼女専用の

    変態的性癖愛者(ふぇちらー)

    マガジン

    • 短編集
      2本