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ITプロダクトがD2C化し始める。

自分はITに長く身を置いていて、今は最近D2Cブランドを運営しています。

D2Cは小売りの皮を着たIT企業だと言われるくらい親しい間柄なので、ITで身につけてきたことがブランドに活きることもあれば、ブランド運営から逆輸入的にITの知見をアップデートすることもあります。

その中で最近とみに思うのは「D2Cが起こしたことって、ITプロダクトでも起こせるのではないか?」ということです。

次に自分がITプロダクトを作る時、もしかしたらこのアナロジーな考え方に沿って作るかもしれません。

D2Cとは

ITプロダクトの話をする前に、まずはD2Cについてのお話です。D2Cを定義するのは難しいのですが、ざっくり説明すると、

ブランディングを重要視し、コミュニティ育成を意図したマーケティングに集中し、オンライン・オフライン両方について顧客データに基づいて施策を打つ。見た目は小売りだが、売るものでは商品ではなく体験

という感じです。

日本でも少し前から人気のビジネスモデルで、投資も集中しました。

上場間近と目されるブランドが国内でもいくつかありますが、北米では昨年、一足早くマットレスブランドCasperが上場しました。株価の変動はこちら

D2CブランドにおいてCasperは象徴的ブランドの1つで、他にも、AllbirdsやWerby Parker、Everlaneなどが同じ地位にあります。Allbirdsの日本上陸は国内でも話題になりましたね。

D2Cは趣のない直訳をすれば「直販」になるのですが、この言葉は意味を持ちません。像を正しく表していないからです。

ストーリーテラー・先(扇)動者的な側面と、常にデータに浸り活用するマーケターの側面、そして彼らの商品を介して起こる体験、パーソナライズされたコミュニケーションによって、人はD2Cブランドに惹かれています。

D2Cはコモディティから生まれた

さて、注目すべきは、このD2Cというムーブメントが、コモディティの市場に立脚している点です。

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