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UXDがメインネットベータを開始 資本効率に優れた、初の完全分散型ステーブルコインをSolana上で発行

本日、UXD Protocolのメインネットベータ版がSolanaブロックチェーンで利用可能になったことをお知らせします。

この記事では

  1. UXDのメインネットベータバージョンの詳細や参加方法

  2. Solana経済圏で最大のステーブルコインになるという目標に向けた道のりの予測

  3. UXDのバグバウンティプログラム

  4. ガバナンス構造、およびUIの改善点

について簡単にご説明します。

UXD Protocol

私たちのここまでの歩みを一度振り返り、UXDの将来の目標やビジョンの全体像を明確にする必要があるでしょう。

UXDは、クリプトの世界における非常に難しい問題を解決するために作られました。それは

  1. 価格安定性

  2. 分散性

  3. 資本効率性

これら3つの条件を同時に満たす、米ドルにペッグしたステーブルコインを作るというものです。

ステーブルコインは、クリプトの世界で最も設計が困難なものの1つであり、ステーブルコインの仕組みに関する詳細な議論は7年以上前から行われています。それ以来、何十ものステーブルコインが誕生し、その多くは見事に失敗しました。UXDはこれまでで最高のデザインに基づいて構築された、次世代型のアルゴリズムステーブルコインだと信じています。

私たちUXDの目標は野心的ですが、シンプルです。

「世界で最も広く使用されるステーブルコインを作る」

別の言い方をすれば、UXDはクリプトユーザーが取引(NFTの購入や従業員への支払い)や価値の保存、経済における生産的なユースケース(借入・貸付や利回り戦略)に安心して使用できるステーブルコインでありたいと考えています。長期的には、UXDが分散型銀行、決済アプリ、その他DeFiユーザーが行いたいことすべてに選ばれるアセットになるよう取り組んでまいります。

UXD Protocolは、最大の時価総額を持ち最も利用されるステーブルコインには、分散化され、トラストレスに利用でき、中立的であることが必要だと考えています。UXD Protocolはこれらの要件を満たしており、分散型金融(DeFi)エコシステムの基盤になる可能性を秘めています。

これに対し、USDCやUSDTのような中央集権型のステーブルコインは、トラストレスでも、分散型でもなく、また中立的でもありません。

したがって、UXD ProtocolはUXDがクリプトエコシステムにおいて最終的にUSDCやUSDTに取って代わることを目標にしており、将来的には中央集権型ステーブルコインでは不可能な規模で幅広い利用者にサービスを提供できると考えています。

ステーブルコインの構築と立ち上げ

ステーブルコインの構築と立ち上げは、レンディングプラットフォームやイールド(利回り)アグリゲーター、分散型取引所の構築とは全くの別物です。ステーブルコインの目的はそれ自体の存続ではなく、ユーザーがクリプト経済の中で考える用途のために利用されることであるからです。

私たちは、UXDが安定性・資本効率性・分散性を提供することで、ステーブルコインの技術的な目標を効率的に解決していると考えています。しかし最終的にUXDが広く採用されるためには、そうした「ハードな」設計仕様だけでなく、以下の「ソフトな」要素が非常に重要になってきます。

1.信頼と透明性の確保

ステーブルコインはその性質上、徐々に価値が上がっていく資産ではありません。ユーザーは信頼できるステーブルコインだけを保有・取引します。UXD Protocolは、信頼を築くための最もダイレクトな方法は、完全な透明性だと考えています。

これを達成するための手段には、公開の場でコミュニティから戦略プランに関するフィードバックを得ること、レビューのためにコードをオープンソース化することなど、あらゆる選択肢が含まれています。透明性を確保するためには、明確で一貫性のある発信が重要になるでしょう。

2.ネットワーク効果

米ドルが今日世界の基軸通貨として利用されているのは、ネットワーク効果が認識されているからです。各国は米ドルでの取引を要求し、国際的な支払いは多くの場合米ドルで決済され、たくさんの人が米ドル建てで「計算」します。

UXDが広く普及するためには、クリプト経済におけるパートナーシップとインセンティブを通じて、ネットワーク効果を戦略的に拡大する必要があります。UXDの供給と流動性を高めることは、市場でのUXDの需要を実証し、主要DeFiプラットフォームに統合するための最良の方法です。

メインネットベータ版ローンチの詳細

以上を踏まえ、メインネットベータ版のローンチの詳細についてお知らせします。ここまでお待ちくださったコミュニティの皆様に感謝いたします。信頼こそがステーブルコインにとって必要な鍵であり、ローンチはこれが最初で最後であることをお忘れなく。

以下が重要な情報です:

  • 2022年1月18日23:00(日本時間)より、UXDはSolanaブロックチェーンのメインネット上でステーブルコインとして稼働し、UXD Protocolのウェブサイト上で発行できるようになります。

  • プロトコルの信頼性を高め、UXDが期待通りに機能していることを確認するため、ユーザーごとの初期発行上限は10,000UXD、初期総供給量は1,000,000UXDに設定される予定です。

  • UXDを発行するための担保は、当初はSOLのみとします。

  • 初期の発行者・保有者には、プロトコルへの継続的な貢献への報酬としてUXPガバナンストークンが遡及的に支払われます。

2つ目に示した通り、メインネット環境でのUXDの安全性を確保するため、初期発行上限額を設定することとしました。

UXDは既に最初のセキュリティ監査を終えていますが、ローンチに際しては引き続き注意を払いたいと考えています。また、後述するようにUXD Protocolは2回目の専門的なセキュリティ監査を予定しており、基礎となるコードの堅牢性をさらに確認する見込みです。

UXD Protocolは、上限を徐々に増やしながら展開することがプロトコルの信頼性を確立するための最も安全な方法であると考えています。それを踏まえ、今後は以下のように上限額を引き上げていく計画です。

  • UXDの供給量は、ローンチから5日間は1,000,000UXDに制限されます。プロトコルが順調に稼働し続ければ、1月23日23:00 (日本時間)に上限が2,000,000 UXDに引き上げられる予定です。

  • 2,000,000UXDへの最初の上限引き上げの後、プロトコルが円滑に運営され続けた場合、上限が10,000,000UXDに達するまで5日ごとに1,000,000UXDずつさらに引き上げられる可能性があります。上限引き上げの一時停止を決定した場合は、直ちに理由とともにDiscordチャンネルで発表します。

  • 上限が10,000,000UXDに達した後、さらに7日間円滑にプロトコルが稼働した場合、上限が25,000,000UXDに引き上げられます*。

  • 25,000,000UXDの上限は、3月中旬に予定されている2回目のセキュリティ監査が終了するまで継続されます。

  • 上限が50,000,000UXDに引き上げられた後は、200,000,000UXDに達するまで14日ごとに上限が50,000,000UXDずつ引き上げられる予定です。UXDコミュニティはこの期間中、もし可能であれば計画より早いペースで上限を引き上げることができます。

  • すべてが順調に進んだ場合、メインネットベータでの立ち上げから約10~15週間でUXDの上限が200,000,000 UXDに達すると想定されます。これが最終的な上限となります。その後、V1で想定されるすべての機能とセキュリティ対策を実装してプロトコルが完成したとUXDチームが判断した時点で、200,000,000UXDの上限を解除し、正式にメインネットベータ期間を終了してUXDメインネットのローンチとする予定です。

なおユーザーごとの発行上限は、UXD全体の上限と同じ割合で増加します。

例えば、1,000,000UXDから2,000,000UXDに発行上限が解除されると、1ユーザーあたりの上限も10,000UXDから20,000UXDに増加します。

上記のマイルストーンに何らかの支障が生じた場合、問題が解決されるまでその時点での上限が維持されます。また、何らかの問題が発生した場合、UXD Protocolは常に問題に関する透明性を保ち、解決までの所要時間をDiscordチャンネルでアナウンスします。

すべて計画通りに進んだ場合、UXDの供給量は以下の図のように増加する予定です。

次に、遡及報酬についてご説明します。UXDの初期の発行者、保有者、流動性供給者は、UXPガバナンストークンを遡及報酬として受け取ることになります。

配布されるUXPトークンの数および正確な計算方法についてはローンチ後に公開します。

ここで、市場がUXDの参入に適応していく初期段階で起こりうると考えられる2つの事柄を、透明性の精神に基づいて記しておきたいと思います。

  • UXDは、当初の供給上限により、目標価格である1ドルを上回って取引される可能性があります。つまり、UXDの需要が供給上限をはるかに上回った場合、UXDはプレミアムがついた価格で取引されるケースが考えられます。
    これは自然なことであり、UXDの価格安定性における長期的な問題とはみなされません。供給上限が増えるにつれ、この圧力は緩和されるはずです。

  • UXDは当初、分散型デリバティブ取引所におけるファンディングレートをマイナスに押し下げる可能性があります。つまり、当初UXDはこれらのDEXの建玉の規模に対してかなり大きなポジションを持つことになるため、UXDが担保資産をショートした影響が市場自体に明確に現れるかもしれないということです。
    しかし、Solanaエコシステムが成長するにつれ、Mango Marketsやその他のデリバティブDEXの建玉も増え続けるでしょう。こちらも時間の経過とともに圧力は緩和されるはずです。

これらの圧力は、デリバティブ市場における大規模な新規参加者であるUXDに市場が適応するまでの短期的なイベントと見ています。

Solana DeFiとの統合

UXDはメインネットベータ版のローンチ時に、Saber及びMercurial Financeと提携してステーブルコイン同士の交換のための流動性を確保します。

UXDの発行上限が増加するにつれ、UXDの保険ファンドが保有する資産の一部がこれらのプールに投入され、流動性を高めます。

当初はSaberとMercurialの両方でUXD/USDCとUXD/USDTのプールを用意する予定です。これらのプールでは最終的に、UXDの流動性マイニングに対してUXPの報酬という形でインセンティブが与えられる予定です。

UXDの流動性マイニングプログラムの詳細は、UXDの発行上限が25,000,000UXDに引き上げられた際に発表される予定です。

UXDの発行上限額の増加に伴い、私たちはUXDが幅広いDeFiプロトコルで利用できるよう、順次パートナーを増やして主要なSolanaプラットフォームとの統合を目指します。

上述したように、目標はUXDがSolanaエコシステム上で最も広く使用されるステーブルコインになることです。

そのためには、供給量を増加させると同時にネットワーク効果を継続的に強化する必要がありますが、これはパートナーシップと流動性マイニングなどの直接的なインセンティブを通じて行うのが最善であると考えています。

バグバウンティプログラム

UXD Protocolは、ローンチと同時に開始されるバグバウンティプログラムを発表します。

我々は、充実したバグバウンティプログラムはセキュリティの鍵であり、ホワイトハッカーの判断をよりUXDのユーザーの利益に沿ったものにすることができると考えています。

すべてのバウンティは、7日間の平均価格で算出したUXPトークンで支払われます。バグバウンティの完全な仕様はドキュメントに記載されていますが、プログラムの概要は以下の通りです。

  • UXPの2%(現在約2000万ドル)は、バグバウンティプログラムに割り当てられます。最終的には、これらの資金は近日中に発足予定のDAOでの投票結果に従ってプロトコル開発に割り当てられるかもしれません。

  • 致命的なバグにはリスクにさらされた価値の15%が、上限を250万ドルとして支払われます。

  • 重大なバグには、5万~10万ドルの報酬が与えられます。(報酬額はケースバイケースですが、最終的にはDAOが決定することになります)

  • 重要性が比較的低いバグの場合は、1000~2万5000ドルの報酬が与えられます。(こちらも報酬額はケースバイケースで、最終判断はDAOが下します)

UXPガバナンストークンの見通し

コミュニティからよく質問をいただくのが、ガバナンストークンの詳細についてです。

ガバナンストークンであるUXPとその機能については、別途詳細な記事を公開する予定ですが、ティザープレビューとして、UXPの主要機能のうち現時点で発表できるものをいくつかご紹介します。

  • UXP保有者とUXDの保険ファンドのみが、デルタニュートラルポジションから生じる金利を受け取る権利を持っています。金利の分配は、UXDプロトコルの全体的な健全性の指数となる予定です。

  • UXP保有者は、UXDの保険ファンドの資産運用戦略、新しいデリバティブ取引所や新しい担保の統合、その他プロトコルの重要なパラメーターなどの重要な施策について投票することができます。

  • UXPは、Curveで投票を行うためにロックされたveCRVと同様の機能を持つことになります。ステーキングされたUXPは、ロックされた時間に応じた量のveUXPとなり、ステーキングと引き換えに追加のUXP報酬が発生します。デルタニュートラルポジションから生じる金利を受け取るためにはステーキングが必要です。

UXPはガバナンストークンとして、またデルタニュートラルポジションから生じる利回りの受益者としての両方の価値を獲得することになります。UXPの供給量には上限がある一方で、UXDの供給量にはいずれ上限がなくなることを考えると、UXD Protocolの成長次第では、プロトコル全体が生み出すUXPトークンあたりの利回りは非常に大きくなる可能性があります。

UI/UXの改善とダッシュボード

最後に、uxd.fiのウェブサイトを含む、私たちのブランディングイメージと今後の改善についてお知らせしたいと思います。UXDのブランドをより明確に表現し、UXDに関する情報をより直感的に理解できるようにするため、非常に優秀なグラフィックデザイナーに依頼してウェブサイトを改善しました。

ランディングページの美しさを高めただけでなく、優秀なデザイナーやフロントエンド開発者の手でUXDの発行・償還のUIを改善し、UXD Protocolの重要な指標(資産タイプ別の担保、調達率、保険基金のパフォーマンスなど)を詳述したダッシュボードも作成しました。

UXDは透明性を最重要視しているだけでなく、この透明な情報をどのように伝えるかが非常に重要であると考えています。そのため、重要な情報をシンプルに、分かりやすく伝えることに取り組んできました。ダッシュボードの運用開始後は、コミュニティの皆様と一緒に改良していきたいと思っています。

最後に

UXDをSolanaで立ち上げ、最高のステーブルコインに育てていくというミッションに、私たちUXDチームは夢中になっています。この旅は、今回のメインネットベータ版のローンチで幕を開けます。

いつものように、質問等がございましたらUXDのDiscordでお気軽に投稿してください。

現時点でUXD Protocolに関わる方法には、意見公募期間を設定した提案にコメントを残すなど、Discordでの議論に積極的に参加することがあります。例えば、私たちがUXPガバナンストークンの仕組みを公開する際には、設計に関するコミュニティのフィードバックを積極的に受け付けます。将来的には、すべての提案がコミュニティ主導のDAOで管理されるでしょう。

乾杯!

すべての分散型ステーブルコインには用途や価格安定性に関するリスクが伴います。潜在的リスクについては、ドキュメント内の「リスク」セクションを参照してください。

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